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特養の介護職は何がきつい?仕事内容、メリット・デメリットとは

「特養で働いてみたいけど、自分でも働けそうなのか知りたい」「特養の介護職がきつくて続けられそうになかったらどうしよう」などと悩んではいませんか?

経験のない施設で働くことは、とても勇気がいることですので、どのような感じなのか知っておきたいですよね。

本記事では、特養での介護職は何がきついのかを知りたい方に向けて、きついといわれる理由を紹介します。
仕事内容やメリット・デメリットもあわせて紹介していますので、ぜひご覧ください。

目次

特養の仕事内容や従来型とユニット型の違いについて

特養 仕事内容 従来型とユニット型 

特養の仕事はどのようなことをするのか、基本的な仕事内容や従来型・ユニット型施設の違いについて解説します。

仕事内容を知ることでも、ご自身がきついと感じるのかを考える材料になるので、ぜひ目を通してみてください。

基本的な仕事の内容

特養は、要介護度3〜5の方が終身入居する施設です。

主な仕事は以下の5つです。

  1. 身体介助
  2. 生活援助
  3. レクリエーションの実施
  4. リハビリのサポート
  5. 介護記録の作成

仕事内容を詳しく解説していきます。

身体介助

身体介助は、利用者さんの身体に直接触れて介助することをさし、介助内容は入浴や食事、排泄、着替え、移動などが該当します。

【入浴介助】
入浴介助は週に2回程度行い、入浴ができない場合は温めたおしぼりなどで身体を拭いたり陰部洗浄をしたりする清拭を行い、清潔でいられるよう努めます。

【食事の介助】
食事の介助は単に食事のお手伝いというより、利用者さんがストレスなく食事をするためのサポートをするのが仕事です。
食事内容の記録や口腔ケアのサポートも食事介助に含まれます。

【排泄の介助】
排泄の介助は、トイレまでの誘導やオムツ交換、ズボンや下着の着脱の介助を行います。

【着替えの介助】
着替えの介助は、着替えや着脱だけでなく、皮膚の状態や利用者さんに変化がないか確認します。

【移動の介助】
移動の介助は、身体を起こす、座る、立つといった動作、ベッドやトイレ、車椅子への移動をサポートします。

生活援助

洗濯や洗濯干し、掃除、食事の準備や片付け、買い物など、生活に関する援助を行います。
居室や共有スペースの掃除も介護士の仕事で、施設によってはシーツや枕カバーの交換も行っています。

レクリエーションの実施

レクリエーションを企画し実施するのも、特養で働く介護士の仕事です。

施設内で過ごすことが多い利用者さんにとって、レクリエーションは楽しみなイベント。

正月やクリスマス、花見の時期など、季節に応じたイベントを開催したり、リフレッシュのために定期的に開催したりしています。

介護士は、レクリエーションで楽しんでもらうことに集中しすぎず、利用者さん同士のトラブルや体調の変化などにも目を配る必要があります。

リハビリのサポート

身体機能のキープや回復のためにリハビリのサポートをします。

専門知識が必要な場合は理学療法士の力を借りて行いますが、基本的に特養に務める介護士が、日常生活を送るために必要な動作のリハビリサポートを行います。

介護記録の作成・保管

職員や施設を守るために、介護記録の作成・保管を行うのも大切な仕事です。

毎日の介護内容や実施状況、体調などを記録し、職員同士で情報を共有するために必要です。

また、事故が起きた場合の法的な証拠にもなるため、欠かさず記録し、事故報告書を作成しなければなりません。

従来型とユニット型の違い

従来型は、4人部屋のみがある施設が多いですが、個室と4人部屋の両方がある施設もあります。
利用者さんの専属介護スタッフシステムはなく、複数人のスタッフで協力しながら介助を行います。

ユニット型はすべて個室で、まるで家にいるような感じで過ごせるのが特徴です。
10部屋程度を1ユニットとみなし、それぞれ担当の介護士が決まっています。

特養の介護職がきついといわれる理由・デメリット

特養 介護職 きつい理由 デメリット

特養の介護職がきついといわれる理由・デメリットについて紹介します。
デメリットともいえるきついといわれている理由は、以下のようなものがあります。

  • 夜勤の人員配置・拘束時間がきつい
  • 緊急時対応への不安や負担
  • 利用者さんとのコミュニケーションが難しい
  • 要介護者が高い利用者さんが多い
  • 看取りがある
  • 介護観の違いによるスタッフ同士のすれ違い

では、一つずつみていきましょう。

夜勤の人員配置・拘束時間がきつい

特養の夜勤体制は、厚生労働省に定められている人員配置基準が原因により、日勤に比べて配置される人員が少ないです。

夜勤の介護士や看護師は、利用者さん25名以下の場合1名以上と定められているため1名で行っている施設が多く、慣れるまで心身ともに疲労を感じる方がたくさんいます。

また、ユニット型の施設の場合は、2ユニットに対し1人以上の人員配置となっているため、大変だと感じる介護士が少なくありません。

ほかにも、拘束時間が日勤よりも長いことも挙げられます。

施設によって仮眠の有無が異なり、仮眠がない場合は慣れるまでは疲労が蓄積しやすいです。

緊急時対応への不安や負担

特養の利用者は要介護度が高いため、急激な体調の変化を起こすことも珍しくありません。

救急車を呼び病院に運ばれるほどの重症な状態になることもあり、不安や緊張などの心の負担を感じる方も多くいます。

特に、特養に働きはじめてまもない方は、夜勤中に緊急対応を迫られるときついと感じるようです。

利用者さんとのコミュニケーションが難しい

特養は、寝たきり状態の方や認知症を患っている方など、コミュニケーションを取るのが難しい利用者さんが多いです。

特に認知症は、症状が進行すると暴言や暴力がみられる場合もあり、病気だとわかっていても傷ついてしまい、きついと感じる介護士が多くいます。

要介護者が高い利用者さんが多い

ある程度身体を動かせる利用者さんはまだ負担は少ないですが、介護士の全負担になる利用者さんの身体介護は、体力と力がある程度要するためきついと感じる方が多いです。

とはいえ、介護ロボットを導入している施設も増えてきているため、一昔に比べると体の負担は少なくなっています。

また、要介護度が高いと、一人ひとりに必要な介助も多いため、作業量が多く大変だと感じやすいです。

施設によってはユニット全体の利用者さんの介助を1人で担当することもあるため、対応の大変さや難しさに苦労している介護士もいます。

看取りがある

特養は終身まで入居できるため、看取らなければならないこともあります。

他人であっても、たくさんの時間を過ごしてきた利用者さんを看取ることは、非常につらいことです。

特に、ユニット型の施設で働く場合はコミュニケーションが密になるため、精神的な苦痛が大きくなりやすい傾向にあります。

介護観の違いによるスタッフ同士のすれ違い

介護観の違いによるすれ違いは、介護士同士のトラブルにも繋がり人間関係が悪くなることもあります。

介護職は、スタッフ同士の連携が必須ですので、人間関係がギクシャクするときついと感じる方が多いです。

特養の介護職のメリットはどんなものがある?

特養 介護職 メリット

今回は、介護職全体でいえるメリットではなく、特養の介護職に就くことで得られるメリットに絞って紹介していきます。
メリットで得られるのは、以下の4つです。

  1. キャリアを積める
  2. 給与や待遇がきちんと整っている
  3. 平均給与が高く収入アップが見込める
  4. 家族の介護のときに身につけた高度なスキルが役立つ

キャリアを積める

今後とも介護職に就いていたい方にとって、特養で働いてキャリアを積めることは非常に大きなメリットです。

特養は要介護度が高いことに伴い、必要な介助もレベルが高いです。
つまり、高いスキルを身につけられます。

どの施設に転職するとしても、役立つ人材として重宝されるでしょう。

給与や待遇がきちんと整っている

特養は、社会福祉法人や地方自治体が運営していることもあり、給与や待遇がきちんと整備されています。

また、民間企業の施設に比べて倒産のリスクも低いため、安定して働ける点においてもメリットといえるでしょう。

平均給与が高く収入アップが見込める

平均給与が高く収入アップが見込めることも、特養で働く大きなメリットです。

厚生労働省が行った令和3年度介護従事者処遇状況等調査によると、特養の常勤で働いている介護職員の平均給は34万5,590円と発表しています。

比較できるよう介護職員の平均給与を以下にまとめます。

平均給与(常勤)
特養345,590円
老健338,390円
特定施設入居者生活介護事業所319,760円
訪問介護事業所314,590円
介護医療院307,550円
デイケア297,980円
グループホーム291,460円
小規模多機能型居宅介護事業所289,520円
介護療養型医療施設287,070円
デイサービス278,180円

参考)令和3年度介護従事者処遇状況等調査(厚生労働省)

家族の介護のときに身につけた高度なスキルが役立つ

特養で身につけられるスキルは非常に高く、家族の要介護度が高かったとしてもしっかりと対応できるようになります。

また、利用できる制度も知ることができるため、家族の介護に役立てられるといったメリットもあります。

特養の介護職はきついこともあるがメリットもある!

特養 介護職 きつい メリット

特養の介護職はきついこともありますが、メリットもあります。

きついといわれる理由には以下のことが挙げられます。

  • 夜勤の人員配置・拘束時間がきつい
  • 緊急時対応への不安や負担
  • 利用者さんとのコミュニケーションが難しい
  • 要介護者が高い利用者さんが多い
  • 看取りがある
  • 介護観の違いによるスタッフ同士のすれ違い

特養に絞って挙げられるメリットには以下のようなものがあります。

  • キャリアを積める
  • 給与や待遇がきちんと整っている
  • 平均給与が高く収入アップが見込める
  • 家族の介護のときに身につけた高度なスキルが役立つ

実際に特養の介護職に就いている方がきついと感じること、特養で働くことで得られるメリット、自分の中でどのように感じるのか、しっかりと心に耳を傾けて検討してください。

この記事を書いた人

ふくしこみゅ編集部
今後ますます需要が高まる「介護職」。すでに介護職の方にも、これから介護職になりたい方にも役立つ情報をたくさん発信しています。
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この記事を監修した人

医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。

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