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高卒で介護職に就くのはきつい?メリットデメリット、目指し方や対策方法も解説

「高卒でも介護士として働いていけるのか不安」「高卒での介護職は給与面や仕事内容的にきついのか」このように悩んではいませんか?

たしかに、高卒と大卒では給与が異なっている企業が多かったり、学生生活からいきなり体力が必要で大変なイメージのある介護職に就いたりするのは、少々不安ですよね。

今回は、高卒で介護職に就きたいと考えている方に、高卒で介護職に就くのはきついのか、そして高卒から介護職に就くメリット・デメリットを紹介します。

介護職への目指し方やデメリットの対策方法もあわせて紹介していますので、これからどうしていくのか考える際の参考にしてください。

目次

高卒から介護職に就く方法

高卒 介護職 きつい

高卒で介護士を目指す場合、大きく3つの方法があります。

  • アルバイトの面接を受ける
  • 派遣として働く
  • 就職活動を経て正社員になる

介護職は無資格でも働けます。したがって「アルバイトの面接を受ける」「派遣登録をして派遣として働く」「就職活動を経て正社員になる」の3つの方法で介護士を目指せます。

ただし、無資格で介護士を目指す場合、仕事内容や働ける場所、就ける職業に制限がありますので注意が必要です。

高卒で介護職に就くのはきついのか

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「高卒で介護職に就くのはきついのか」という問いに対する答えは人それぞれです。

「それでは答えになっていない!」と思ったかもしれませんが、高卒で介護職に就くにあたって、メリットとデメリットがあります。

これから紹介するデメリットには「高卒で介護職に就くのはきつい」といわれている理由も含まれていますので、メリットとデメリットに目を通し、あなたがどのように思うのか確認してみてください。

高卒で介護職に就くメリット

高卒で介護職に就くメリットは5つあります。

  1. 未経験・無資格でも正社員で働ける
  2. 就職先が見つかりやすい
  3. 手に職をつけられる
  4. 若いときのほうが体力的に働きやすい
  5. 学歴関係なくキャリアアップを目指せる

【未経験・無資格でも正社員で働ける】

介護職には、未経験や無資格でも働ける求人・職場があります。

1人で利用者さんを介護する訪問介護などは資格が必要なため働けません。しかしながら、入居施設の介護職であれば、1人で介護するわけではありませんので無資格でも働けます。

また「有資格者からの指導を受けながらできる作業がある」「働きながら資格取得を目指せる」ことから、未経験や無資格の方を受け入れている職場もあります。

【就職先が見つかりやすい】

就職活動の氷河期は抜けているといわれています。しかしながら、未だに100社近くもしくはそれ以上面接を受けても就職先が見つからない方も珍しくありません。

介護業界は常に人手不足ですので、働き手を探している施設が多い傾向にあります。

したがって、高卒からの就職であっても、正社員としての就職先が見つかりやすいといったメリットがあります。

【手に職をつけられる】

先ほどお伝えした「就職先が見つかりやすい」ことと繋がっているのですが、手に職をつけて働けるといったメリットがあります。

大卒の人材を探している企業が多く、高卒の方は特に就職先が見つかりにくい傾向にあります。

しかしながら、介護職は学歴よりもコミュニケーション能力や臨機応変に動けるスキルなどが重要ですので、職場が求める人物像であれば学歴は関係ありません。

したがって介護職は、高卒であっても手に職をつけられやすい職業といえます。

【若い時のほうが体力的に働きやすい】

なるべく体に負担がかからない介護方法を学んでいきますが、それでも体への負担の大きさは否めません。若ければ若いほど体力がありますので、年齢を重ねてから就職するよりも働きやすいです。

また、仕事を覚えるスピードも速いため、職場で頼られる存在となり、やりがいを感じられるでしょう。

【キャリアアップを目指しやすい】

年齢が若いと勉強した内容が頭に入りやすいため、キャリアアップが目指しやすいといったメリットがあります。

多くの企業は、高卒か大卒かで基本給が変動するシステムを導入していますが、介護業界は所持している資格で給料が変動するのが特徴です。

一口に介護職といっても、介護福祉士やケアマネージャーなどさまざまな種類の資格が存在します。それぞれ基本給が違ったり就ける役職が違ったりしますので、早いうちに資格を取得して若いうちからキャリアアップを目指すことが可能です。

多くの業界や企業では、経験年数によってキャリアアップが望めるシステムとなっているため、若いうちからキャリアアップを目指せるのは”介護業界の強み”といえるのではないでしょうか。

高卒で介護職に就くデメリット

メリットが5つある一方で、3つのデメリットも挙げられます。下記3つは、高卒で介護職に就くのはきついといわれている理由としても挙げられています。

  • 体力・精神面の負担が大きい
  • 給料が低い
  • 労働環境がきついことがある

どのような理由できついといわれているのか、詳しく見ていきましょう。

【体力・精神面の負担が大きい】

介護職は、入浴の介助や排泄の介助、認知症を患っている方の介護などがあることから3K「きつい・汚い・危険」といわれています。

ある程度の社会経験がある方や介護の経験がある方の中には、それほど苦痛に感じない方もいます。

しかしながら、介護職に就くまでは高校生として学生生活を送っている方にとって3Kと呼ばれている介護職は、体力や精神面の負担が大きく感じるかもしれません。

【給料が低い】

介護職は、3Kと呼ばれているほど大変な仕事でありながら、割に合わない給料の低さがデメリットとして挙げられます。

在学中の就職活動で介護職に就く場合、無資格からスタートする方がほとんどです。しかしながら、無資格だと資格手当がつかないため、さらに給与が低い状態でのスタートとなります。

もしまだあなたが在学中なのであれば、卒業時に資格が取得できるよう考えておくとよいでしょう。

【労働環境がきついことがある】

入居施設での介護は、24時間利用者さんの様子を見守らなければなりません。したがって、日勤や夜勤、早番や遅番といったシフトのパターンがあります。

日勤、夜勤、早番、遅番これらのシフトは働く時間が異なりますので、生活のリズムが不規則になりがちです。したがって、体調を崩しやすくなる方も少なくありません。

もし、体力に自信がないという方は、デイサービスなどの夜勤がない施設での介護士を目指すことも視野に入れるとよいでしょう。

3つのデメリットは対策できる!

高卒から介護職に就くにあたってのデメリットを読んで、不安になった方もいるのではないでしょうか。

安心してください。「体力・精神面の負担が大きい」「給料が低い」「労働環境がきついことがある」この3つのデメリットを解決する対策方法があります。

これから紹介する対策方法によってグッと働きやすくなりますので、ぜひ参考にしてください。

体力・精神面・労働環境のきつさは働き方の選択で解決!

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体力・精神面、労働環境のきつさは、働き方の選択で解決できます。

介護職と一口にいっても働き方には種類があり、入所施設、デイサービスや訪問介護事業所によってシフトパターンも異なります。

これから働き方や就職先について詳しく解説するので、自分にとってどのような働き方や就職先が合うのか考えてみてください。

入居施設

入居施設の場合、2交代制、3交代制、4交代制のいずれかの勤務形態に分かれていることがほとんどです。したがって、早番・遅番、日勤・夜勤のシフトパターンがあります。

シフトの働く時間帯は各職場で異なりますが、おおよそ以下のような時間帯で設定されています。

シフトパターン働く時間帯
早番7時から16時
遅番11時から20時
日勤9時から18時
夜勤17時30分から8時30分

デイサービス・訪問介護事業所

デイサービスや訪問介護事業所は、入居施設とは異なり基本的に日勤のみです。勤務時間はおよそ9時から18時前後で、休憩時間1時間の実働8時間が基本です。

ただし、職場によってはデイサービスで宿泊対応を行っていたり、訪問介護で早朝や夜間の対応を行っている場合もあります。

したがって、就職先を検討する際に、どのような勤務パターンがあるのかを確認しておく必要があります。

給与の低さは資格取得で解決!

給与の低さは、資格の取得で解決できます。介護士の資格は、主に以下の3つです。

  • 介護職員初任者研修
  • 介護職員実務者研修
  • 介護福祉士

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護の基本的な知識が一通り身につく、いわば入門編です。介護職員初任者研修の資格を取得しておくことで、介護士の上級資格である介護福祉士の受験資格を得られます。

介護職員初任者研修は、座学と実技を合わせて130時間の研修が義務付けられています。学ぶ項目は全部で10項目あり、受講項目と研修時間はそれぞれ以下表のとおりです。

研修項目研修時間
職務の理解6時間
介護における尊厳の保持・自立支援9時間
介護の基本6時間
介護・福祉サービスの理解と医療との連携9時間
介護におけるコミュニケーション技術6時間
老化の理解6時間
認知症の理解6時間
障害の理解3時間
こころとからだの仕組みと生活支援技術75時間
振り返り4時間

※研修時間は都道府県で異なる場合があります

介護職員実務者研修

介護職員実務者研修は、無資格の方でも受講可能です。介護職員実務者研修を取得することで、訪問介護事業所に配置されるサービス提供責任者の職に就けるようになります。

受講内容については、所有している資格や受講済みの研修により要する受講時間が異なります。

無資格からの受講である場合450時間の研修を要しますが、介護職員初任者研修を修了している方は130時間分の受講時間が免除され、320時間の研修で資格の取得が可能です。

以下の表は、無資格から受講する場合の研修項目と時間です。

研修項目研修時間
人間の尊厳と自立5時間
社会の理解Ⅰ5時間
社会の理解Ⅱ30時間
介護の基本Ⅰ10時間
介護の基本Ⅱ20時間
コミュニケーション技術20時間
生活支援技術Ⅰ20時間
生活支援技術Ⅱ30時間
介護過程Ⅰ20時間
介護過程Ⅱ25時間
発達と老化の理解Ⅰ10時間
発達と老化の理解Ⅱ20時間
認知症の理解Ⅰ10時間
認知症の理解Ⅱ20時間
障害の理解Ⅰ10時間
障害の理解Ⅱ20時間
こころとからだのしくみⅠ20時間
こころとからだのしくみⅡ60時間
医療的ケア50時間

※研修時間は都道府県で異なる場合があります

介護福祉士

介護福祉士は介護士の上級者資格で、国家試験に合格することで取得できます。

受験資格を満たすためのルートは複数ありますが、高卒の方が介護福祉士を目指すとなれば「養成施設ルート」と「実務経験ルート」の2つに絞られます。

養成施設ルートは、介護福祉士養成施設として指定を受けた大学や短期大学、専門学校を卒業し、国家資格の取得を目指す方法です。

一方、実務経験ルートは、実務経験3年(従事期間1095日かつ従業日数540日)以上と、実務研修または介護職員基礎研修+喀痰(かくたん)吸引などの研修を修了して国家試験の受験資格を得る方法です。

高卒での介護職がきついかはあなた次第!理想の働き方を叶えるには資格が大切

自分にあった仕事内容と時間帯で働くことで、高卒からの介護職であっても体力面・精神面のきつさはカバーできます。

しかし、仕事内容と働く時間帯は就職先によって異なりますので、理想の働き方を叶えるには、就職先をどこにするのか考えることも大切です。

ただ、資格がない状態での就職活動は、働ける場所や就職先に制限があります。

もし、本当に理想の働き方を叶えたいのであれば、無資格・未経験からでも応募可能な職場があるとはいえ、在学中あるいは卒業時の資格取得も検討しなければならないでしょう。

この記事を書いた人

ふくしこみゅ編集部
今後ますます需要が高まる「介護職」。すでに介護職の方にも、これから介護職になりたい方にも役立つ情報をたくさん発信しています。
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この記事を監修した人

医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。

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