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介護職への転職がきついと感じるのは何故か?転職を成功させるポイント6選!

一般的に介護業界の求人は多く、景気にも左右されない職業の一つです。

しかし未経験の方が介護職へ転職した場合、きついと感じるのも事実。
転職を果たしたものの結局、他業種へ戻ってしまうケースが多くあります。
せっかく希望を持って転職したのに勿体ないですよね。

今回の記事では、未経験だと介護職への転職がきついと感じる理由や、成功させるポイントなども解説していきます。

目次

未経験から介護職への転職がきつい理由7つ

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未経験から介護職への転職がきついのには次の7つの理由が存在します。

  • 覚えることが多い
  • 職場や利用者さんとの人間関係
  • 夜勤をしなければ給与が少ない
  • 勤務時間が合わない
  • 汚い仕事もある
  • 体力的にきつい
  • 研修が短い場合が多い

これらの理由を詳しく解説していきます。

1.覚えることが多い

介護職員として勤務するなら、まず利用者さんの顔と名前を一致させる必要があります。

状況も一人ひとりで異なるため、気をつけるポイントも違ってきます。
未経験者なら尚更、覚えるのが大変でしょう。

2.職場や利用者さんとの人間関係

介護職員ばかりでなく、医師や看護スタッフがいる職場もあります。
利用者さんの中には認知症を患う方や、気難しい性格の方もいるでしょう。

介護業界で働くなら、一般の職場以上に人間関係構築が必要となります。

3.夜勤をしなければ給与が少ない

介護職の平均年収は430万円で、全業界の平均年収は501万円(2019年)のため、介護職の年収は平均より低めです。

また、介護の夜勤手当の相場は、1回あたり5,000〜10,000円となっています。
日勤だけの勤務だと、給与が少なくてきついと思う方も多いようです。

参考:令和3年度介護従事者処遇等調査結果(厚生労働省)

4.勤務時間が合わない

介護施設や在宅は利用者さんが1日生活する場所であり、24時間365日介護が必要です。

そのため、シフト制になることは避けられません。
早出や遅出、夜勤と身体的な負担が増えるため、プライベートとの両立が難しくなります。

なお、訪問介護は日中のみの事業所と、夜間対応も行っている事業所があります。

5.汚い仕事もある

介護職は利用者さんの生活全般をお世話する仕事となります。
特に排泄や入浴介助では汚れ仕事があり、認知症の利用者さんだと便をいじることがあるため汚物の処理もあります。 

6.体力的にきつい

慢性的に人手不足ですから、希望休や有休が取りにくいようです。

入居型の施設だと夜勤もありますし、身体介助も多くて体力的にきついと感じる方が多いです。

7.研修が短い場合が多い

人手不足のため研修期間が短く、即戦力を求められます。

慣れていないうちから仕事を任せられると、プレッシャーに感じる人もいるでしょう。

介護業界の主な職種と難易度

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一口に介護業界といっても、デイサービスから訪問介護、老人ホームなどがあります。

勤務の状況は各施設の系統によって違うので、難易度順に解説していきます。

【難易度1】通所系

利用者さんにサービスを提供する施設まで通ってもらうことを「通所系」といいます。

お泊りデイ以外では、基本的に夜勤はなく日曜休みなので、プライベートとの両立がしやすいです。

デイサービス

自宅にいる高齢者を対象にした、施設まで日帰りで通うサービスとなります。

食事や入浴介助、レクリエーションなどが行われます。

利用者さんの送迎は職員が行うため、運転免許が必要となります。

デイケア

デイケアはデイサービスとは違って、医師の常駐が義務付けられています。

デイケアは、身体機能の維持や改善といった治療を伴う施設です。

【難易度2】訪問系

利用者さんの自宅に出向く、訪問介護サービスなどを「訪問系」といいます。

日中がサービスの対象になることが多いようです。

訪問介護事業所

通称「ヘルパーステーション」と呼ばれ、自宅で暮らす高齢者の元へホームヘルパーが訪問します。

トイレ介助などの身体介助と、料理や掃除といった生活援助が主な仕事です。

居宅介護支援事業所

通称「ケアプランセンター」と呼ばれ、ケアマネジャー(ケアマネ)が勤務しています。

ケアマネは、高齢者の心身の状態を見て適切な介護計画を作成するのが仕事です。

【難易度3】入居系

「入居系」とは、特別養護老人ホームといった施設に入居するタイプの介護サービスです。

24時間対応なので夜勤は避けられない職場です。

利用者さんの状態も重度のことが多いので、難易度は一番高くなるでしょう。

ケアハウス

ケアハウスは一人暮らしの60歳以上の方を対象にしており、要介護認定を受けていない高齢者が多いです。
「軽費老人ホームC型」とも呼ばれ、低所得でも入居できる施設です。

介護職員は施設の清掃や利用者さんの苦手なことを一緒に行ったりします。

サービス付き高齢者住宅

60歳以上の方が対象のバリアフリーの賃貸住宅で、安否確認と生活支援が提供されます。
介護も必要になっても外部からのサービスを利用して生活を続けることができます。

しかし介護度が高くなると、他の施設に移る場合が多いです。

有料老人ホーム

有料老人ホームは施設によって入居条件が異なり、条件次第で元気な方や要介護の方も入所できます。

利用者さんの費用負担が高く、介護職員は365日24時間体制です。

病院

病気になった方が入院するため、他の老人施設から移って来る人も多いです。

元気になって施設に戻る方もいますが、寝たきりの方も多く、身体介助が主な仕事になります。

グループホーム

認知症の方を対象とした少人数の施設で、家庭的な環境の中で介護職員から支援を受けながら共同生活を行います。

介護老人保健施設

通称「老健」と呼ばれる入居型施設で、リハビリが必要な高齢者が対象です。

医師や理学療法士と一緒に、自宅に戻るためのリハビリが行われます

利用者さんの入居期間は3ヵ月程度と決められており、短期間で関係性を築く必要がある職場です。

特別養護老人ホーム

通称「特養」と呼ばれる入居型の老人施設です。

要介護3以上の身体が動かせない方や認知症で常に介護が必要な方が多いため、身体介護が主な仕事となります。

参考︰介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて(厚生労働省)

介護の資格

介護 資格

未経験から介護職員として働くことは可能ですが、介護資格があると給与面でも有利になります。

ここでは介護の資格について解説していきます。

介護資格には次の4種類があります。

  • 介護職員初任者研修
  • 介護福祉士実務者研修
  • 介護福祉士
  • ケアマネジャー

順に難易度が高くなっています。

介護職員初任者研修

「介護職員初任者研修」は、基本的な介護の知識やスキルが身につく資格です。

訪問介護だと初任者研修の資格を取得しておく必要があります。

介護福祉士実務者研修

「介護福祉士実務者研修」とは、介護職員初任者研修より上に位置づけられる研修です。

初任者研修の資格がなくても受講することが可能です。

実務者研修課程を修了すれば、介護に関する専門的な知識と実践的な技術を習得できます。

介護福祉士国家資格の受験要件の一つです。

参考︰介護福祉士養成施設等における「医療的ケアの教育及び実務者研修関係」(厚生労働省)

介護福祉士

「介護福祉士」は、国家試験に合格し登録しないと貰えない国家資格です。

専門的な知識やスキルで介護サービスを行い、他の介護士へ指導を行うこともあります。

ケアマネジャー

「ケアマネジャー」とは「介護支援専門員」とも呼ばれ、介護保険法等を元に介護計画を作成できる公的資格です。

国家資格ではありませんが、介護関連の資格では一番難関の資格となります。

介護職の雇用形態

介護職 雇用形態

介護職も一般的なお仕事と同様に、以下のような雇用形態があります。

働き方の希望や自分のライフスタイルに合わせて雇用形態を考えましょう。

正社員

未経験者、無資格者でも正社員としての求人はありますし、採用されることもあります。

正社員だと月給制となり、昇給や退職金もあるので安定して働けることでしょう。

派遣社員

派遣会社と契約を交わすことで、介護施設に派遣されるのが派遣社員です。

夜間のみ、日中のみといった条件を付けることも可能です。

最長3年間とする有期雇用派遣と、無期雇用派遣があります。

契約社員

雇用期間を限定して契約する社員のことで、契約満了時には正社員として雇用される場合もあります。

常勤と非常勤があります。

パート・アルバイト

勤務日数や時間を自分で選択することが出来るため、子育て中の主婦が多いです。

将来的には正社員として雇用される場合もあります。

介護求人の探し方

介護職 求人 探し方

介護職の求人はどういったところで探せば良いのでしょうか?

介護の求人は多いですから、身近な所で見つかると思います。

一般的な求人と同様に、以下のような所で探すと良いでしょう。

ハローワーク

厚生労働省の機関でもあり、掲載費がかからないため多くの求人があります。

就職サポートも充実しており、ハローワークが実施する各種研修もオススメです。

転職サイト

条件を絞って求人を検索することができるので、最近では転職サイトを利用する方が増えています。

専任のアドバイザーが付いて、条件に合う職場を紹介してくれます。

新聞折り込み

古くからある方法ですが、新聞の求人欄や折り込みチラシにも介護の求人掲載があります。

採用側としては交通費が安く済むため、近所の方が優遇されます。

介護求人を探すポイント6選

介護求人を探す際のポイントには次の6つがあります。

  • 未経験でもOKか
  • 希望条件に合う職場かどうか
  • 理念やビジョンはどうか
  • 離職率はどうか
  • 施設の規模や難易度はどうか
  • 今後資格取得を目指せるか

転職して後悔しないためにも、それぞれ詳しく見ていきましょう。

未経験でもOKか

求人に未経験OKと書いてあるものを選ぶと良いでしょう。

介護業界は人手不足ですから、未経験者でも人柄が良ければ歓迎しています。

未経験の場合は、まずは介護職員の指導と見守りのもと利用者さんの着替えや清拭といった業務を行います。
1人で安全にできるようになると、介護業務を任されるようになります。
徐々に移動や食事の介助、排泄介助と仕事の範囲が広がっていきます。

希望条件に合う職場かどうか

子育て中なので時間制限がある、稼ぎたいので夜勤がしたいなど、人によって働く前の希望があると思います。

難易度の低い通所系から始めても良いですね。

自分の希望条件に合う職場かどうかは面接を受ける前に確認しましょう。

理念やビジョンはどうか

介護業界もボランティアではありませんから、経営側はある程度のビジネス感覚を持っている必要があります。

しかしあまりにも営利目的ばかりだと、働く上で経営側の理念やビジョンの違いに戸惑うかと思います。

面接を受ける前に、その施設がどういう想いを持っているかも確認しておきましょう。

離職率はどうか

介護労働安定センターの2021年度の調査では、介護職の離職率は14.1%です。
厚生労働省の調査によると全産業平均の離職率は13.9%なので、改善傾向にあるようです。

したがっていつ見ても求人が出ている施設は、やはり働きにくい職場であるのかもしれません。

子育て中の人が働きやすいように、保育所が併設されていたり、時短勤務や遅刻・早退の対応をしてもらえるような職場は、離職率も低いはずです。

参考:令和3年度介護労働実態調査(介護労働安定センター)

施設の規模や難易度はどうか

施設の規模が大きくなるほど、職員の数は増えるので頼れる人は増えますが、少人数で働く方が向いている場合もあります。

また未経験者は難易度が低い通所系から始めると良いでしょう。

今後資格取得を目指せるか

介護職には資格があり、取得するために応援してもらえる職場だと嬉しいです。

研修制度や施策サポート制度を設け、働きながらでも資格を取得できる仕組みを取り入れている施設や事業所があります。

介護職の魅力とは?

介護職 魅力

確かに体力的にはきついとはいえ、それ以上に介護職には魅力があります。

  • 人に感謝され
  • 年齢関係なく働け
  • 景気に左右されず常に需要があ
  • これまでの経験を活かせる
  • 定年過ぎても働ける
  • 親の介護に活かせる

これらを順に説明していきます。

1.人に感謝される

大変な仕事ではありますが、利用者さんやその家族から感謝されることが多いです。

社会の役に立っていると実感できる職業の一つです。

2.年齢関係なく働ける

人材不足の業界であり、年齢が高くてもデメリットにはなりません。

これまでの人生経験や仕事への意欲が採用されるポイントになるでしょう。

3.景気に左右されず常に需要がある

介護の仕事はどこで暮らすことになっても必ず求人がありますし、景気にも左右されない職業だといえます。

4.これまでの経験を活かせる

生活全般をサポートするお仕事なので、ビジネススキルが低くても働けます。

ホームヘルパーは料理や掃除が得意な主婦は有利となるので、これまでの経験を活かせます。

5.定年過ぎても働ける

通所系なら定年過ぎても働ける職場でしょう。

また上位職になるケアマネージャーを目指せば、体力的には楽になることがあります。
求人数も多いので、自分の体力に合わせて職場を変えることも可能です。

6.親の介護に活かせる

日本は長寿国であり、親の介護が避けられない場合も多いでしょう。

介護職は親の介護にも活かせるお仕事ですから、知っておいて損ではありません。

未経験から介護職への転職成功には

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今回は未経験から介護職を目指す方に向けて、きついといわれる理由や転職を成功させるための秘訣を解説しました。

介護職は常に人手不足でもあるので施設もどんどん増えています。

それに伴って求人も多く、未経験者でも門戸を開いている職種です。

「介護職への転職はきつい」という意見がありますが、サービス内容や働き方によって負担は異なります。
加えて、介護職は需要が高く年齢関係なく働くことができ、やりがいのある仕事です。

実際に未経験から介護業界に飛び込んで、現場で活躍している方も数多くいらっしゃいます。

こちらの記事を読むことで、あなたの希望に合う介護の職場が見つかることを願っております。

この記事を書いた人

ふくしこみゅ編集部
今後ますます需要が高まる「介護職」。すでに介護職の方にも、これから介護職になりたい方にも役立つ情報をたくさん発信しています。
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この記事を監修した人

医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。

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