厚生労働省の調査によると、令和元年度に介護の仕事に携わっている人の数は210.6万人と推計されています。
同じ令和元年の日本人の人口は1億2373万1千人ですので、約60人に1人は介護に携わっている計算になります。
私たちにとって身近な存在である介護ですが、実際に家族に介護サービスの利用者さんがいない場合は、未知の世界である介護サービス。
本日は介護サービスの現場や介護士の日常を描いたおすすめの漫画を5つ紹介させていただきます。
介護士の方は「あるある」と頷きながら、これから介護の仕事を目指す方には「介護って、やりがいがあるかも」と思えるような漫画ばかりですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
介護漫画の草分け的存在「ヘルプマン!」
「ヘルプマン!」は2003年に連載が始まった、老人介護をテーマにした漫画です。
「ヘルプマン!」と「ヘルプマン!!」という2タイトルの全37巻となっており、介護漫画史の一大ヒット作品といえます。
「ヘルプマン!」は、2000年に介護保険法が施行されて注目が高まっていた介護職を題材にしたことで、世の中の多くの人がまだまだ知らなかった介護の実態を学ぶキッカケを提供した、社会的意義が大きな作品としても有名です。
主人公の恩田百太郎が介護施設で身体拘束が行われている様子や認知症の現実を知り、強い気持ちで介護を学んでいく姿勢から、介護の仕事に興味を持った方も多いのではないでしょうか。
約20年前の漫画ですので、現在は連載当時と比べて若干制度などに違いがある部分がありますが、作者のくさか里樹先生がこだわった「介護現場のリアル」に、介護士として共感してしまうこと間違いなしです。
主人公が利用者さんとの触れ合いを通して人間的に成長していく姿や、仲間が介護士としてステップアップしながら社会貢献を続ける姿に、思わず目頭が熱くなってしまうでしょう。
「ヘルプマン!」の続編も必読!!
2003年から2014年に連載された「ヘルプマン!」と、2014年から2017年に連載された「ヘルプマン!!」ですが、作者のくさか里樹先生はその後も介護をテーマにした漫画を執筆しています。
2017年から2019年に連載された「ヘルプマン!!取材記」と、2019年から2021年に連載された「新生ヘルプマン ケアママ!」では、新たな切り口から介護の仕事を描いています。
こちらはそれぞれ全6巻、全4巻で構成されていますので、ちょっとした連休で読み切ることができるボリュームです。
介護士として働く方はもちろん、介護の仕事に少しでも興味がある方や、介護の現場を全く知らないという人にもぜひ読んでいただきたいシリーズとなっています。
様々な人の目に映る介護の現場や介護のリアルを知ることができますので、気分転換にもなりますよ。
介護素人が介護職員に。「マンガ ボクは介護職員一年生」
「マンガ ボクは介護職員一年生」は、漫画家の梅熊大介先生がひょんなことから介護職員になったところからストーリーが始まるコミックエッセイです。
介護士なら誰もが「そうそう!」と頷いてしまう、介護業界の驚きのしきたりや慣習、現場で使われる職業用語などが登場しますので、一気に読み切ってしまうこと間違いなしです。
まだ介護に携わって日が浅い方や、介護職未経験の方であっても「なるほど!」と思いながらストーリーを読み進めることができると評判です。
介護の現場の温かい空気感を味わいたい方、初心を思い出して頑張りたい方に特におすすめの一冊です。
介護の楽しさ全開!「ハードロック介護!」
「マンガ ボクは介護職員一年生」と同様に、作者のコバヤシ先生が実際に介護施設で勤務した経験を元に執筆された1冊です。
介護士の仕事をしていると毎日出会う、利用者さんの感動的なお話や、クスっと笑ってしまう出来事が題材になっており、介護の醍醐味が伝わってくる内容となっています。
介護のイメージである3K(キツい、汚い、暗い)を払拭したいというコバヤシ先生の思いが伝わってくる、タイトル通りアツい漫画です。
介護士の方や介護士の仕事に興味がある方からの高い評判はもちろんのこと、将来的に介護をお願いする可能性のある方や、ご家族が介護サービスを利用している方にもおすすめです。
思わず目頭が熱くなる「さくらと介護とオニオカメ!」
作者のたかの歩先生ご自身も介護福祉士の資格をもっており、リアルな介護病棟の現実に涙する人が続出中と話題になっています。
介護士として働いた人であれば誰もが「ある!ある!」と頷いてしまうネタや、現場の用語解説、そして利用者さんの命の輝きが詰まった1冊です。
先輩介護士の支援方法が参考になったり、また介護士同士の人間関係の摩擦にハラハラしたり、介護士であれば夢中になってしまうこと間違いなしといえます。
利用者さんの目線に立つなら「マンガでわかる!認知症の人が見ている世界」
最後にご紹介する1冊の主人公は、これまでにご紹介してきた漫画と違って介護士ではなく、認知症の方々の目線に立った漫画です。
「マンガでわかる!認知症の人が見ている世界」では、「家族の顔が分からない」「財布を盗んだと言われてしまう」といった認知症の人の目線に立った漫画が紹介されています。
著作は理学療法士として数々の認知症の人と接した経験のある川畑智先生、監修に聖路加国際大学病院臨床教授である遠藤英俊先生が入られていますので、医学的にも非常に信頼のおける内容です。
認知症の利用者さんとの接し方や寄り添い方のアドバイスなども多数掲載されていますので、介護士の仕事に迷いが生じた時にもバイブルとなってくれることでしょう。
シリーズ第2巻では、非常時の対応が学べる!
「マンガでわかる!認知症の人が見ている世界2」では、感染症が流行している社会や、地震や天災で混乱している社会の中で、認知症の人がどのような不安を感じているかについて解説されています。
介護士として利用者さんの日常をサポートさせていただくのはもちろんのこと、非常時に備えたスキルを身に着けておくことも非常に重要です。
ぜひ認知症介護に関わる介護士さんは、チェックしてみてくださいね。
おすすめの介護士必読漫画を読んで前向きに介護を楽しもう!
この記事では、介護士として頑張るあなたや、介護士として一歩を踏み出してみたいあなたにおすすめの漫画5選をご紹介させていただきました。
介護士の業務内容は多岐に渡っていて、仕事中はなかなか一息つける時間もないことから、普段の仕事中に同僚や仲間と愚痴を言い合うことが難しい環境かと思います。
今回ご紹介した漫画には、そんな介護士の寂しさを紛らわせてくれる「介護士あるある」が沢山詰まっています。
また明日からの仕事のヒントになるテクニックや知識も紹介されていますので、ぜひ気分転換に介護士漫画を読んでみてください。