介護靴を選ぶ時、なんとなくで選んでいませんか?
安売りのタイミングに靴を多く購入し、使い回されている方も多いと思います。
介護職は身体を多く動かす仕事ですので、靴の中が蒸れたり、靴自体が重く疲れやすくなったりします。
今回の記事では、介護士が靴を選ぶ時の基準とおすすめしたい靴についてご紹介します。
「靴を買い替えよう」あるいは「これから介護の仕事を始めよう」とされている方に向けた記事になっております。
現職で従事されている方にも読んで頂ける内容となっておりますので、参考にしていただけると幸いです。
介護士に適した靴とは
「介護士に適した靴」というのは職場や仕事内容によっても異なりますので、一概に『これが介護士にとって1番いい靴』とご紹介することは出来ません。
しかし、介護士にとって何よりも最優先にしなければいけない靴の選び方があります。
それは自身の安全や利用者さんの安全を守れるものでなければなりません。
介護士として働き始めたばかりの方や、介護経験の豊富な方でも、何かの拍子に滑って転んでしまうことがあります。
もしそれが、利用者さんを介助している途中であれば被害があるのは自身にだけでは留まりません。
滑るのはしょうがないから気をつけよう、その気持ちももちろん大事かもしれません。
しかし、使う道具で少しでもリスクを軽減したいという方には介護靴をおすすめします。
介護士専用の靴は『滑らない』『蒸れない』『疲れない』などの機能に優れています。
また、これら全ての機能性を一つに求めず、現場と状況に応じて使い分けることもできます。
例えば、『介助時は足元を守る靴を選ぶ』『事務作業時は通気性の良い靴を選ぶ』というようにして靴を選べば自分にかかる負担を軽くすることも可能になります。
クロックスとスニーカー、介護靴の比較
介護の現場でよく見られるのがクロックスやスニーカーです。
かく言う私も、介護現場を初めて経験した時はスニーカーを履いて初勤務に向かいました。
ここでは、私の実体験を踏まえ介護現場でのクロックスとスニーカー、介護靴の比較をしていきたいと思います。
クロックスは水場での利用に関しては優秀
クロックスは通気性が良いですが、利用者さんの排泄物や血液が付着し感染症対策の面では不安が残ります。
また、利用者さんの介助時に地に足がついていないような感覚にもなるため介護現場ではあまりおすすめできません。
しかし、入浴介助や水に濡れたりする場面では乾きやすく素材も水に弾く素材が使われているものが多いため、水場での利用に関しては優秀といえます。
ただし、介護施設によっては禁止されている場所もあるため就業規則をチェックしてから購入することをおすすめします。
スニーカーは感染症対策に関してはクロックスよりも優秀
私も介護現場では自由な靴を履いて良いと伝えられていたので、某靴店でスニーカーを購入し3ヶ月ほど使用した経験があります。
スニーカーはクロックスよりも感染症に関しては優れていますが、1日中歩くと足が重くなり、蒸れやすく臭いがこもりやすいのが難点です。
転倒面に関しても外用の靴を室内で使うと少量の水でも滑りやすく、いざという時に踏ん張りがききません。
また、私も経験があるのですが、紐でサイズ調整するタイプは紐を踏んでつまづいたり転倒したりするケースがあります。
介護靴はクロックスとスニーカーの良さを併せ持つ
介護靴の場合はクロックスやスニーカーと比べると2つの良いところを合わせて持つところが強みになります。
しかし、入浴時にはクロックスの速乾性の方がよかったり、感染面に関してはスニーカーの方が優れていたりします。
介護靴が劣っている部分もありますが介護現場としてはバランスがとれた靴となっています。
場面に合わせて使用する靴を選ぼう
介護の現場ではそれぞれの場面に適した靴を使用する必要があります。
入浴時には水を弾き速乾性のある素材の物を、レクリエーションで野外に出る時には外用の靴に履き替えるのが良いでしょう。
外用の靴に履き替えることで、コンクリートの上での転倒を防ぎ、感染症の対策にも繋がります。
ただし、介護靴にも種類が様々あり、疲れにくいものや清潔を保てる物などいろんな種類のものがあります。
介護靴の種類に関しましては次項から詳しく解説して参ります。
介護士におすすめの靴4タイプを紹介
ここでは、私の実体験も踏まえて介護靴でおすすめできる4タイプの靴を紹介していきます。
こちらで紹介するものは、あくまでも個人で使ってみた感想になりますので購入の参考にしてもらえれば幸いです。
なお、4番目にご紹介するナースシューズは筆者の使用経験はありませんが、女性の方には人気の靴になりますのでご紹介させていただきます。
①ローカットタイプ
②スニーカー型
③静電タイプ
④ナースシューズ
ローカットタイプ
ローカットとは、踵の部分が短くカットされており靴を履いたり脱いだりする動作がやりやすいのが特徴です。
ローカットタイプの介護靴は履き心地がよく、足への負担も少ないです。
さらに、安定性にも優れているため訪問介護などで1日の着脱が多い勤務スタイルの方におすすめです。
踵が短く脱げてしまうのでは?と思うかもしれませんが、甲をマジックテープで固定するタイプのものを選べば足にしっかりとフィットし、通常の歩行では脱げることはまずありえません。
踵の部分が短く切られているため空気が循環しやすく、蒸れにくくなっているのもポイントです。
スニーカータイプ
スニーカータイプの介護靴は外用スニーカーと見た目が似ているものが多いですが、より軽量設計になっています。
特にメッシュ素材が使われているものは疲れにくく、歩きやすいのが最大の特徴です。
長時間、利用者さんの介助をしていると足に負担がかかり、それがストレスになることがあります。
そうなると、介護士にとっても利用者さんにとっても良いことはありません。
スニーカータイプは、ローカットタイプに比べ踵がある分しっかりと足を支えている感覚があります。
そのため、後ろに足がズリ落ちることがなく、普段履き慣れた靴と同じ感覚で履けるのがポイントです。
静電タイプ
静電タイプの介護靴は、その名の通り静電気を抑える機能に優れています。
特に静電気が発生しやすい冬場は利用者さんと接する時の静電気が抑えられ大変便利です。
元々は静電気が発生すると危険な精密機械工場やクリーンルーム向けに作られましたが、今では介護現場でも使われています。
ナースシューズ
筆者は使用したことはないのですが、女性の方は医療現場で使われることが多いナースシューズを使われる方も多いです。
着脱の多い現場でも快適に作業することができ、しっかりと足にフィットするため女性の方には使いやすいでしょう。
また、事務作業の場面でも足に負担がかかりにくく、価格面も比較的安価なものが多いので試しに購入してみるのもおすすめです。
自分の働くスタイルにあった物を選ぼう
今回は、介護士が靴を選ぶ時の基準とおすすめしたい靴についてご紹介しました。
介護靴の種類には様々あり、それぞれに優れた機能やおすすめの使用場面があります。
そして何より重要なのは、利用シーンに合わせて自分にあった靴を選ぶことです。
例えば、夜勤が多く利用者さんの睡眠を邪魔したくないのであれば歩行時の音鳴りを軽減するソールの靴を選んでみたり、訪問介護であれば靴の着脱がやりやすいローカットタイプを選んでみたり、シチュエーションを意識して靴を選ぶと良いでしょう。
また、介護士を始めたばかりの人でベッド移乗や車椅子移乗に不安がある場合は、滑りにくいスニーカータイプの靴を購入することをおすすめします。
また、もし色に関して拘りがないのであればホワイトカラーを強くおすすめします。
理由は利用者さんの排泄や血液の不着が一眼でわかり、感染症の対策になるからです。汚れも漂白剤に漬け込めば長く使うことができます。
介護現場で使用するものは利用者さんの安全に直結します。
自分にあった靴を見つけて快適に介護を続けて頂ければ幸いです。