ケアマネは介護業界の特別な存在であり、利用者の代弁者の役割も担うことから介護士と利用者の架け橋でもあります。
働き方の幅が広く、介護施設での正社員だけでなく非正規社員、派遣社員、独立開業の働き方が可能です。
ケアマネの業務内容は介護施設の形態によって異なります。
自身が望む勤務体系や給料によって選ぶことができたり、時代背景も変わりリモートワークやフレックスタイムを導入する施設が増えたり、働き方は多種多様なものになりました。
この記事ではケアマネの働き方について解説をしていきますので、ケアマネを目指されている方や現職ケアマネで働き方を見直したい方は参考にしてみてください。
正社員でのケアマネの働き方
正社員でのケアマネの働き方は介護職とは異なり、夜勤や宿直は少なく日勤が多い勤務体系です。
しかし、支援をする家庭の事情も考慮する必要もあるため、時には夜間や休日の勤務も必要となる場合があります。
ケアマネには「居宅」と「施設」の2種類があり、それぞれ勤務先が異なります。
詳しく解説していきます。
居宅ケアマネージャーについて
居宅ケアマネは居宅介護支援事業所に勤めます。
主な業務内容は、要介護者やその家族の最初の窓口になることです。
居宅ケアマネの仕事内容は多く、ケアプランを作成するだけでなく介護職員を集め会議を開いたり、利用者さんの急な相談や呼び出しにも対応しないといけないので勤務時間中は忙しくすることが多いです。
施設ケアマネージャーについて
施設ケアマネは、特別養護老人ホームや介護付老人有料老人ホームに入所されている方、一人ひとりのケアプランを作成することが主な職務内容です。
利用者さんやご家族の意向を受けて、利用者さんが満足のいく介護サービスを提供することだけでなく、他のスタッフと協力しながら業務を進めます。
主任ケアマネージャーについて
上記のケアマネ以外にも、主任ケアマネ(主任介護支援専門員)といって通常のケアマネの上位の資格があります。
主任ケアマネの役割は、ケアマネをまとめるリーダー業務です。
主任ケアマネの資格を取得するには、都道府県ごとに実施している「主任介護支援専門員研修」を修了する必要があります。
研修を受講するには各都道府県が定める受験要項を満たす必要があるので、受講される際には調べる必要があります。
ケアマネは非正規雇用(パートタイマー)でも働ける
ケアマネは正社員としての雇用はもちろん、非正規雇用としての求人もあります。
パートタイムで働かれる方は、週に3回程度の勤務体制で募集しているところが多いので家庭と仕事を両立することが可能です。
ケアマネがパートで働いた場合の収入は、介護職員と比べると少し高めに設定されていることが多いです。
厚生労働省の【令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果】ではパートタイムのケアマネの平均時給は1140円です。
非常勤の介護職員の時給は1120円であることから、ケアマネの資格を取得した方が高い時給をもらえる可能性が高いです。
ケアマネパートのメリット・デメリット
ケアマネのパートはプライベートと仕事を両立できることから人気の職種ですが、メリットとデメリットもあります。
詳しく解説をしていきます。
ケアマネパートのメリット
ケアマネのパートはフレックスタイム制で働くことができ、自由度の高い動き方ができます。
居宅介護事業所などから業務の委託を受けて、フリーランスのケアマネとして独立することも可能です。
ケアマネパートのデメリット
パートでケアマネをすると、利用者さんのモニタリングが難しくなるデメリットがあります。
モニタリングは利用者さんのお宅にお伺いし、適切な介護サービスを受けているかの確認や、施設や自宅の生活に変化がないかを擦り合わせる面談の場です。
モニタリングは利用者さんと訪問する日時を相談して決めますが、出勤日数が少ないとスケジュールを合わせることが難しくなります。
さらに、ケアマネは急な連絡が利用者さんから入ることがあり、出勤日数が少ないと迅速な対応が取れないこともデメリットです。
フリーランスのケアマネの働き方
フリーランスのケアマネと、会社に所属して働くケアマネとは大きな違いはありません。
利用者さんの自宅を伺う際に自宅から直接向かえることや、予定を組みやすい点ではフリーランスの方が気が楽かもしれません。
しかし、自身で顧客の獲得をしなければならないため大変な場面もあります。
地域包括センターや病院に出向き顔をつなぐ必要もあるため、立ち上げの時点では苦労をするかもしれません。
まずはフリーランスとして活動する前に、ある程度の実績を積んでから、スタートを切ることをオススメします。
ケアマネージャーの将来性について
高齢化が進み、今後は介護施設が増加していく傾向になると予想されます。
介護施設の窓口になるケアマネの需要も比例していくことが想定されています。
しかし、世間ではケアマネージャーの廃止の噂が広まったことや、ケアマネージャーの資格要件のハードルが高くなったことにより受験者の数が激減しているのが現状です。
また、収入面でも介護職員の給与が上がり、ケアマネージャーとの収入格差が縮まったことからもケアマネにならなくてもいいという人も増えています。
ケアマネの資格は、高齢社会の日本においては介護の現場には欠かせない存在の一つです。
世間的にも信頼度も高い資格ですので、直ぐに廃止とはならないと思われます。
マイナスなイメージがつきやすいケアマネージャーですが、介護のプロフェッショナルと言われるケアマネは今後も需要が増していく見込みです。
ケアマネの働き方を選ぶポイント(パート・フリーランス・正社員)
ケアマネは正社員や非正規社員で働いても、求められることは一緒ですがプライベートを守りたいと思われる方はパートタイマーを強くオススメします。
働く側にも心にゆとりがないと、適正な支援が行えない可能性も否定できません。
フリーランスとして働きたい方は、自身で仕事をとりにいかなければいけないので、独立する際には一定数の見込み顧客が必要になります。
正社員で働くとパートよりも仕事量が増え、自分のペースで働くことが難しくなるため、自身が働きたいスタイルを考えることが大切です。
しかし安定した収入が得られるのが正社員のメリットです。
ケアマネは多くの働き方がある!自分に合った働き方を
ケアマネの仕事は、利用者さんと介護士を繋ぐ架け橋のような存在です。
資格を取得するには現場での経験が5年必要になるので、介護士や看護師のリアルな現状も理解することができます。
また介護士と利用者さんとも良い関係を築き、情報を収集する能力も必要不可欠なので会話力を学ぶことも大切です。
今後、ケアマネの需要は高まり続けることが想定されますが介護施設に対して数が少なくなります。
ケアマネは激務であることや受験の合格が難しいことから、人材の確保が必要不可欠です。
忙しいからケアマネの仕事から離れた方もいらっしゃると思いますが、誰にでもできる仕事ではありません。
業務体系を変えて続けたいと思われる方は、転職や現職場に相談を考えるのもいいかもしれません。
まずは自身がどんな働き方がしたいのかについて深く考えてみましょう。