高齢化が進む現在、介護職のニーズは年々高まっています。
介護職は無資格でも目指せるため、多くの方が介護職へ就職、または転職をしています。
しかし「資格を持っていない介護職はお給料が安いのではないか」と不安になる方もいらっしゃいますよね。
そこで今回は資格を取得していない介護職のお給料事情について説明しながら、無資格でも働ける施設を例にリアルな給料も紹介していきます。
無資格の介護職がもらえる給料はどれくらい?
無資格の介護職がもらえる平均月収は、27.1万円でした。
資格を持っている介護職員の平均月収は31.9万円です。
無資格の人と資格を持っている人の差は4.8万円でした。
なお、有資格者の平均月収は下記6つのうちどれかの資格を保有している方を対象に調査した結果です。
- 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
- 介護福祉士実務者研修(旧ヘルパー1級)
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)
ここで紹介した無資格者のお給料と有資格者のお給料は、いずれも平均値なので、もう少しイメージがしやすいように施設ごとのお給料を具体的に紹介します。
無資格者の給料を施設別に調査した結果
東京都の介護施設で、無資格者を募集している4社の最低月給は27万円でした。
厚生労働省が発表した平均値とほとんど一緒です。
ですが、無資格で給料がもっとも低い施設は23万円、給料が高い施設は30万円と7万円の差がありました。
よって無資格の方は、施設選びも重要です。
特定非営利活動法人フットワーク新宿
月給:253,000円〜(夜勤などの諸手当含む)
仕事内容:身体障害を抱える方の入浴介助・食事介助など普段の生活のサポート
特徴:介護職員初任者研修の取得費用を負担
カルムコート武蔵野
月給:23万~30万円
仕事内容:コンシェルジュ(介護事務)
来客の入退出管理、業者対応、日常的なコミュニケーション、リクエスト対応、体調把握など
リアンレーヴ府中/介護付有料老人ホーム
月給:247,000円~
仕事内容:入居者の食事・入浴・排泄介助などの生活サポート
特徴:無料資格研修&安心サポート。社内教育機関「木下福祉アカデミー」で受講可能
株式会社NEW FORWARD
月給:35万~43万円
研修期間3ヶ月は25万円
仕事内容:就寝中の見守り、コミュニケーション支援、掃除、着替えの介助、排泄の介助、食事の介助
特徴:面接時履歴書不要
無資格者ができる業務とできない業務
介護の仕事は無資格でもできる仕事と、資格がないとできない仕事があります。
資格を持っていない方が行うと、違法行為になってしまう場合もあるので確認しておきましょう。
無資格でもできる介護職の業務
無資格でもできる介護職の業務は5つあります。
- 身体介助
- 送迎業務
- 事務・受付業務
- 生活援助
- 介護保険外サービス
1つずつ解説していきます。
身体介助
身体介助とは、食事、入浴、排泄、着脱、移乗などの介助をいいます。
身体介助を行い、利用者さんの日常生活をサポートします。
無資格でも介護老人保健施設やグループホーム、デイサービスなどで勤務し、身体介助を行うことが可能です。
送迎業務
送迎とは、利用者さんを車で送り迎えするサービスです。
介護職の資格はなくても、普通自動車免許があれば問題ありません。
事務・受付業務
事務・受付業務では、来客対応、電話対応、経理管理などの事務業務や、説明や事業所の受付業務を行います。
基本的に資格は必要ありませんが、経理や労務など別の専門知識が必要になることもあります。
生活援助
生活援助とは、利用者さんの身の回りの家事を行い、日常生活をサポートすることをいいます。
掃除や洗濯、食事のあとかたづけ、食料・日用品の買い物代行などをおこないます。
介護保険外サービス
介護保険外サービスとは、字のごとく介護保険で提供できないサービスのことです。
具体的には、散歩や趣味のための外出介助や草むしり、ペットの散歩やお世話などを行います。
なお、同居家族がいる場合は原則として利用することができません。
無資格だと行えない仕事
無資格だとできない介護職の仕事は2つです。
- 訪問介護
- 医療的ケア
訪問介護
無資格の介護職員は、訪問介護を行えません。
訪問介護を行うには介護職員初任者研修以上の資格が必要です。
医療的ケア
基本的に介護職は、医療的ケア全般を行えません。
しかし、喀痰吸引や経管栄養は研修を修了していれば、介護職でも行えます。
介護職員が無資格で就業するメリット
次に介護職員が無資格で就業するメリットを紹介します。
主なメリットは、以下の2つです。
- 資格取得に時間を費やす必要がない
- 研修費用がかからない
時間と出費を抑えられるのがメリットです。
資格取得に時間を費やす必要がない
介護職員初任者研修を例にすると、厚生労働省が規定しているカリキュラムに従い130時間の講義と実技演習を履修する必要があります。
資格取得を目指していない方は、初任者研修の研修時間である130時間を自分の趣味や仕事に使えます。
研修費用がかからない
資格取得には最安2万円~13万円のスクール受講費用がかかります。
ですが、資格取得費用を負担してくれる施設や事業所も多いです。
介護職員が無資格で就業するデメリット
介護職員が無資格で就業するデメリットも2つあります
- 有資格者より給料が低い
- 転職に不利
一つずつ解説していきます。
有資格者より給料が低い
介護職の資格を取得すると、資格手当が支給されます。
そのため、勤務年数が短い方でも、資格を持っていることでお給料が1万円〜2万円上がる場合があります。
転職に不利
長く働いていると人間関係が合わなかったり、やりたい事ができなかったりと転職をしたいと考える機会も増えていきます。
資格をもっていないと、転職した際に施設が設定する最低賃金からスタートする場合があります。
また、経験年数が長くなると「長く働いているのに、なぜ資格を取らないのだろう」と疑問に思われる可能性もあります。
資格を取得すると給料はどれくらい上がる?
国家資格である介護福祉士を取得すると、平均給与は57,460円アップします。
それぞれの資格の平均給与は以下の通りです。
- 介護職員初任者研修:300,510円
- 実務者研修:307,330円円
- 介護福祉士:328,720円
- 社会福祉士:363,480円
- 介護支援専門員(ケアマネージャー):362,290円
無資格の介護職平均給与が271,260円なので、介護職員初任者研修を修了することで209,250円アップします。
次のステップである実務者研修を修了すると36,070円上がります。
介護職の資格を取得すれば給料もスキルもアップする!
日本は高齢化が進んでいるため、今後の介護職の需要も高くなることが予想されます。
求人も多いので、無資格からでも介護職に従事することは可能です。
無資格から介護業界にはいり、資格を取得しながらステップアップすることで給料も増えていきます。
また、資格取得支援の制度が整った施設を選ぶことで、働きながらでも無理なく資格を取得することができます。