介護士への転職を考えている方は「介護の仕事ができるのか不安」「自分に向いているのか」と悩むことがありますよね。
そこで今回は、他職種から介護士になった「岩木寛人さん」にインタビューをしました!
【岩木寛人さんのプロフィール】
・美容師
・母が若年性アルツハイマー型認知症となり、退職し地元へ戻る
・地元の会社へ就職
・母の介護をしながら初任者研修・実務者研修を取得
・2022年9月~12月:個人事業(訪問カット)+サービス高齢者住宅で働く
・現在は個人事業と並行して訪問介護士として活躍中
介護士になったきっかけ
早速ですが介護士になったきっかけを教えてください!
ボランティアをしていたこと、訪問カットをしていたことですね。
ボランティアは施設でお話の傾聴や介護の手伝いをしたり、図書館で読み聞かせをしたりしていました。
訪問カットとは…
外出が困難で美容院に行けない方の家や施設へ訪問し、髪の手入れをすること。
カットだけでなく、カラーやヘッドマッサージなどもできます。
訪問カットにより外出ができない方でも身だしなみをととのえられます。
訪問カットをするには、美容師・理容師の免許が最低限必要です。
6年前から母親がアルツハイマー型認知症にかかったこともきっかけです。
母親が介護が必要になってからたくさん助けていただいて、自分の住んでいる町に少しずつ恩返しをしたいなと思い、介護の世界に足をちょっとずつ踏み入れていった感じです。
たくさんの経歴をお持ちの岩木さんで、インタビュワーが圧倒されています…!
岩木さんの経歴から「人と関わるのが好き」が伝わります。
介護士は人に直接関わる職種のため「人と関わるのが好きかどうか」は介護士が向いている・向いていないの重要なポイントです。
初任者研修を取得したのは母の介護がきっかけ
介護士になる前に初任者研修の資格を取得したのは、お母さんの介護がきっかけですか?
母親が排泄介助が必要になったら施設に入ってもらおうと決めていたんですけど、できるだけ家族と一緒に過ごしたい気持ちが年々強くなりました。
介護職をしたいから取ったわけでなく、自分に介護の知識と技術があったほうがよいかなと思ってとりました。
介護職として働いてないときで難しくなかったですか?
難しくはなかったですね。
参加されている方は自分と同じ家族介護されている方が多かったです。
それよりも実務者研修が難しかったです。
初任者研修とは?
介護の基礎的な知識・技術が学べる研修です。
資格専門のスクールで講座・演習を学び、最短で1ヶ月で取得できます。
初任者研修を取得した2年後に実務者研修
実務者研修は介護職の方が多かったので「自分がここにいていいのかな」と思いましたね。
お母さんの介護でさらにスキルアップしたいと思い取ったのですか?
母親が要介護4の状態になって身体的な介助が増えたのと、介護士になりたいと考えたときに介護技術を高めたかった気持ちと半々ですね。
実務者研修とは?
介護の高度な知識・技術が学べる研修です。
資格専門のスクールで講座・演習を学び、初任者研修の資格を取得されている方は免除される科目があります。
無資格の方は資格取得までに約6ヶ月かかります。
サービス付き高齢者向け住宅へ就職
サービス付き高齢者向け住宅で働いてみていかがでしたか?
人としゃべるのが好きで楽しく仕事していました!
利用者さんに次はこんな話しようとか考えてましたね。
男性ということもあってか体力的なしんどさはなかったです。
とても合う職場のように思いますが、なぜ退職されたのですか?
色々あったのですが、介護の方法や介護の考え方が自分と合わなかったり、入職当初と話が違ったりしたことがきっかけです。
具体的な内容を聞いてもよいですか?
利用者さんへの対応方法に疑問を抱いたり、最初の話と違う規則やシフトになっていたことですね。
業務自体が自分に合っていても、施設の考えと自分の考えにズレが生じるとうまくいきません。長く働き続けるには、施設の考えや職員の雰囲気が自分にマッチしているかはとても大事です。
また、職場の状況によって、当初の話とは異なるシフトや業務を受け持つことがあります。どんな業務でも引き受けてしまうと心身に負担がかかる恐れがあるので、自分の状況を考えて判断することが大切です。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?
バリアフリーが施された住宅で、要介護度の低い方や要支援の方が中心に入居されています。
基本的に介護サービスはついておらず、入居者が必要な介護サービスを契約できるので過ごし方は人それぞれです。
在宅介護サービスを併設した、介護対応可能なサ高住もあります。介護対応可能なサ高住では、介護が高い利用者さんが入居されている方が多いです。
訪問介護へ転職
訪問看護へ就職したきっかけを教えてください!
訪問カット先でいろんな家庭に行かしてもらったときに「老々介護で買い物に行くのも心配」という声や、1人では何もできない方の汚い部屋を目の当たりにして、困っている方がいると感じました。
そんなときに訪問カットの先輩が訪問介護の仕事をしていて、今の社長を紹介してもらいました。
社長と自分の介護・福祉に対する考えが似ていて、福祉への誠実さと熱意に惹かれたのがきっかけです。
介護の考えが似ているのは大事なことですね!
訪問の同行もさせていただいているのですが、ちょっとした気遣いだったり利用者さんの生活をよりよくしようと考えられたり。
仕事をこなすだけでなく、利用者さんの生活をよりよくできることに気づける方です。
実際に訪問介護をされていかがですか?
もともと自分の家に訪問介護は入れてなくて自分と伯母が家事をしていたんですけど、その人の生活の一部を守る介護サービスは素晴らしいと実感しています。
サービス付き高齢者向け住宅では、介護の考え方が合わないことが退職要因のひとつでしたが、訪問介護の話をされる岩木さんはイキイキしていて、楽しく仕事をされているのが伝わりました!
訪問介護とは?
訪問介護とは介護を必要とする方の自宅へ訪問し、生活支援や身体介助をするサービスです。
サービス内容は調理や掃除、買い物、食事や更衣の介助、清潔介助などさまざまなサービスを提供します。
訪問介護士として働くためには初任者研修、または実務者研修の資格が必須です。
介護士は踏み込んだらいけないラインの見極めが大切
訪問介護をしていて「踏み込んだらいけないライン」を見極めるのが大切だと感じてます。
確かに家庭の事情はさまざまですよね。
家族関係が複雑なお家や、訪問介護をよく思っていないご家族もいるので、相手に不信感を与えないような対応をしています。
どのように対応を気をつけていますか?
あまりズケズケと深入りしすぎないように、アドバイスしすぎないように。自分大柄で男性なので、距離が近すぎて怖がられないようにしています。
訪問介護は自宅で介護する仕事のため、家族関係や環境などさまざまな問題を目の当たりにします。しかし、問題があったとしても簡単に口に出すことはできません。
今までの人生があっての利用者さんと家族の関係・環境であるので、他人がズケズケと意見を言うのは利用者さんにとってよい気分にはなりません。
自分自身も家族のことや生活環境を他人からいろいろ言われたら不快ですよね。
まずは介護士が利用者さんとその家族を受け入れる、信頼関係を築くことが大切です。
介護技術ができて1人前ではない
この仕事は介護技術ができて1人前ではないと思っています。
具体的に聞かせてください!
決めれられた仕事と事務作業ができて完了ではなく、利用者さんとの触れ合いを大事にする人ですね。寄り添う気持ちが強い人が介護士として信用できる人だと思っています。
なるほど…!
決められた仕事と事務作業で完了という方もいると思います。寄り添える人と何が違うのでしょうか?
実際に家族介護をされている方ですかね、自分の身に起きていないことは興味がわかないかもしれません。それと、家族の気持ちに立てる人は優しいと思います。
相手の身になって考えることで、1人ひとりに寄り添った介護ができます。
インタビューをしていて、介護士さんには人を思いやる心が大切だと深く感じました。
岩木さんが目指す介護士とは
最後にこれから介護士を目指す方へ一言お願いします!
介護士は人のためになる行動をして感謝される職種です。
技術は誰でも後からついてくるものなので、まずは利用者さん1人1人の背景を知って、生活を彩れるような人間になってほしいです。
インタビューありがとうございました!
岩木さんは現在、訪問介護士&訪問カットで活躍中です。
興味がある方はこちらを覗いてみてくださいね。
→岩木さんのinstagram
岩木さんが取得された初任者研修と実務者研修についてこちらの記事で詳しく紹介しています☆