利用者さんが日中過ごすことができるデイサービス。
デイサービスの勤務は日中のみで夜勤が無いため、身体的負担が少なく働きやすい職場として選択されます。
働きやすい職場であるため「デイサービスの介護職の給料はいくら?」と気になる方もいるでしょう。
今回は「介護職のデイサービスの給料」について、雇用形態や資格の有無による給料の違いも含めて紹介します。
デイサービスで働く介護職の基本給
デイサービスによって雇用形態が異なるため、それによって給料も違ってきます。
まずは月給制・日給制・時給制に分けて介護職の基本給を紹介します。
なお、厚生労働省による令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の給料をもとに紹介します。
月給制の常勤・非常勤の基本給
デイサービスで勤務する介護職の常勤の基本給は18万5,260円、非常勤は13万360円となっています。
常勤と非常勤の違いは、施設・事業所が定める1週間に勤務すべき時間数に達している方は常勤、満たない方は非常勤になります。
そのため、常勤と比較して勤務時間が少ない非常勤は給料が低い傾向にあります。
月給制とは定められた月々の基本給に加え、通勤・残業代・ボーナスといった手当が上乗せされる給料です。
月によって平日の日数や祝日の有無が異なるため、勤務日数は変わります。
しかし、勤務日数に関わらず定められた基本給が支払われるのが月給制です。
日給制の常勤・非常勤の基本給
デイサービスで勤務する介護職の日給制常勤の基本給は7,790円、非常勤は8,100円となっています。
日給制とは、1日分の給料が定められており、働いた日数分の給料が支払われる給料です。
非常勤の日給が常勤よりも高い理由としては、デイサービスの非常勤は急募で求人していることが多いためであると考えられます。
なお急募とは急ぎで募集しているという意味であり、一刻も早く人材が欲しい状態になります。
時給制の常勤・非常勤の基本給
デイサービスで勤務する介護職の時給制常勤の基本給は990円、非常勤は1,020円となっています。
時給制とは、時間当たりの給料が定められており、勤務した時間分の給料が支払われます。
日給制と同様、デイサービスの非常勤は急募で求人しているケースが多いため、時給は常勤よりも高く設定される傾向があります。
デイサービスで働く介護職の平均給料
デイサービスで勤務する介護職の平均給料を、月給・日給・時給ごとに紹介します。
平均給料とは、基本給に手当も含まれた給料の平均です。
給料の種類 | 雇用形態 | 月の平均給料額(単位:円) |
月給制 | 常勤 | 278,180 |
非常勤 | 173,190 | |
日給制 | 常勤 | 212,800 |
非常勤 | 159,760 | |
時給制 | 常勤 | 202,920 |
非常勤 | 117,920 |
デイサービスの介護職は、給料の種類や雇用形態により平均給料が異なることが分かります。
給料の種類からみた平均給料額は、高いものから月給>日給>時給となっています。
日給制や時給制は、勤務日数に関わらず基本給が支払われる月給制よりも、給料が低い傾向にあります。
月給制の常勤では27万8,180円、非常勤は17万3,190円と大きく差がありました。
常勤と比較して勤務時間が少ない非常勤は給料が低い傾向にあります。
なお、上で紹介した「デイサービスで働く介護職の基本給」では、常勤職員の基本給は18万5,260円であり、9万円以上の手当があることが分かります。
非常勤職員の基本給は13万360円であり、4万円以上の手当がついていました。
デイサービス勤続年数による介護職の給料
デイサービス勤続年数による介護職の給料を紹介します。
勤続年数による月給制の常勤の給料と、時給制非常勤の給料を以下にまとめました。
勤続年数 | 月給制・常勤の平均給料額(単位:円) | 時給制・非常勤の平均給料額(単位:円) |
1~4年(勤続1年~4年11ヶ月) | 259,790 | 109,310 |
5~9年(勤続5年~9年11ヶ月) | 273,840 | 122,320 |
10年以上(勤続10年~) | 308,510 | 134,840 |
勤続年数が長いほど、常勤・非常勤ともに平均給料が上昇していました。
デイサービスでは昇給を積極的に取り入れていることが分かります。
昇給は各デイサービスの方針によって異なり、昇給期間や金額も違います。
就職活動の際は入職時の給料だけでなく、今後を見据えて昇給も確認しましょう。
保有資格によるデイサービス介護職の給料
保有資格の種類によるデイサービス介護職の平均給料を紹介します。
保有資格による月給制の常勤職員の給料と、時給制の非常勤職員の給料を以下にまとめました。
保有資格・資格の有無 | 月給制・常勤の平均給与額(単位:円) | 時給制・非常勤の平均給与額(単位:円) |
初任者研修 | 261,900 | 119,000 |
実務者研修 | 266,790 | 118,110 |
介護支援専門員 | 317,190 | 128,300 |
介護福祉士 | 289,000 | 127,670 |
デイサービスで勤務する月給制の常勤職員は、介護支援専門員と介護福祉士の資格を保有している方のほうが給料は高い傾向にあります。
実務者研修や初任者研修の資格保有者は、保有資格がない方と大きく変わりありません。
対して、デイサービスで勤務する非常勤の職員の保有資格による給料を比較すると、保有資格がない方よりもある方のほうが給料は高い傾向にあります。
働き方によって、保有資格があるほうが給料は高くなることが分かります。
各保有資格についてよく分からない方がいるかもしれません。介護職の資格についても紹介します。
デイサービスで活躍する介護職の資格
デイサービスで活躍する介護職の資格について紹介します。
初任者研修
初任者研修は介護の入門資格ともいわれ、基礎的な介護の知識・スキルを学びます。
専門のスクールで学び、受講時間は130時間、資格取得にかかる期間は最短で1ヶ月です。
実務者研修
実務者研修は初任者研修の上位資格ともいわれ、初任者研修で学ぶ内容に加えて、高度な介護の知識・スキルを学びます。
実務者研修を取得することで、痰の吸引や経管栄養といった医療的ケアも可能となります。
専門のスクールでの受講が必要となり、受講時間は450時間、資格取得にかかる期間は約4ヶ月です。
すでに初任者研修の資格を持っている場合は、免除できる講義があります。
介護支援専門員
介護支援専門員はケアマネージャーともいわれ、介護が必要な方が介護保険サービスを受けられるように計画を作成します。
デイサービスは介護保険サービスのひとつであり、利用者さんによっては計画にデイサービスが含まれることがあります。
介護支援専門員は利用者さんやご家族、他事業所との連携も行います。
介護福祉士
介護福祉士は介護に携わる資格の中で唯一の国家資格です。
資格は介護福祉士国家試験に合格しないと取得できません。
介護福祉士の資格を保有していると、どの介護サービス職種でも給料が高い傾向にあります。
介護の資格を取得しデイサービスで働くメリット
デイサービスは介護の資格がなくても働ける職場ですが、資格を取得することで多くのメリットがあります。
例えば、資格取得により介護の知識・スキルが身につき、よい介護サービスが提供できるようになります。
利用者さんに根拠がある介護を提供することで、利用者さんの心身の機能維持・回復が期待できるでしょう。
加えて、資格取得により給料がアップする職場があります。
さらに、資格保有を条件としている求人があるため、働く場所の選択肢も広がります。
デイサービスの介護職は雇用形態や資格によって給料が違う
今回は「介護職のデイサービスの給料」について紹介しました。
介護職の給料は常勤と非常勤、月給・日給・時給といった雇用形態により異なります。
そして、保有資格によっても給料が違います。
紹介したデイサービスで働く介護職の給料を参考に、ライフスタイルも考慮しながらどのような雇用形態で働くか検討しましょう。
また、資格取得について考えてみてもよいでしょう。