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介護職の将来はどうなる?なくなる・なくならないとされるそれぞれの理由

「介護職は将来性がない仕事って本当?」
「介護職は将来性がある仕事という意見もあるけど、どっちなの?」
「このまま、介護士として働いていても大丈夫なのだろうか?」

このような疑問や不安はありませんか?

本記事では、このような疑問や不安を解決します。

結論からお伝えすると、将来性がないとされる理由を調査したところ、将来性は十分にあると考えられるものでした。よって、これから働きたい方、現在働いている方も安心していいでしょう。

以降で、詳しく介護職がなくなる・なくならないとされるそれぞれの理由をご紹介します。

目次

介護職は将来性があるといわれる理由

介護職は将来性があるといわれている理由を5つご紹介します。

高齢者が増加傾向にあるから

厚生労働省が発表した令和5年版高齢者社会によると、高齢化率は2022年の10月1日時点で29.0%です。

総人口は1億2,495万人となっているのですが、そのうち高齢者は3,624万人いることになります。

また、令和5年版高齢者社会によると、昭和25年の高齢者の人口は総人口の5%未満であると記されています。

昭和25年と2020年を比較すると24%ほど増加しているため、時代が進むにつれて高齢者人口が非常に増えているのです。

さらに、今後も増え続けると予測されており、その数値は2070年には65歳以上の人が2.6人に1人、75歳以上は4人に1人にもおよびます。

これらの状況から、介護職はますますニーズが高まると考えられるため、将来性があるといわれています。

参考:厚生労働省 令和5年版高齢者社会

介護を必要とする人が増加傾向にあるから

厚生労働省の令和3年度 介護保険事業状況報告(年報)によると、要介護・要支援の認定者は、平成12年度から令和3年度の数値は増加の一途をたどっています。

比較している時代が多いため、今回は5年ごと(令和2年と3年は表記)にピックアップした数値を紹介します。

年号認定者数
平成12年度2,562万人
平成17年度4,323万人
平成22年度5,062万人
平成27年度6,204万人
令和2年度6,818万人
令和3年度6,896万人

上記の数値から、平成12年度から令和3年度までで4,330万人も認定者が増えています。

令和5年版高齢者社会白書では高齢者人口は今後も増える予測をしているため、介護を必要とされる方はさらに増えます。

よって、介護職の需要はさらに高まることになるでしょう。

参照元:厚生労働省 令和3年度 介護保険事業状況報告(年報) P7図1 認定者数の推移(年度末現在)

高齢者の一人暮らしが増加傾向にあるから

令和5年版高齢者社会白書によると、高齢者の一人暮らしが男女ともに増加しています。

昭和55年には65歳以上の男性の割合は男性4.3%、女性11.2%ですが、令和2年には男性15.0%、女性22.1%まで上がっています。

なお、この数値は男女それぞれの人口から割り出したものです。

年号割合
昭和55(1980)男性:4.3%女性:11.2%
昭和60(1985)男性:4.6%女性:12.9%
平成2(1990)男性:5.2%女性:14.7%
平成7(1995)男性:6.1%女性:16.2%
平成12(2000)男性:8.0%女性:17.9%
平成17(2005)男性:9.7%女性:19.0%
平成22(2010)男性:11.1%女性:20.3%
平成27(2015)男性:13.3%女性:21.1%
令和2(2020)男性:15.0%女性:22.1%

さらに、令和5年版高齢者社会白書によると、令和22年の2040年度の一人暮らしの割合は男性20.8%、女性24.5%まで増加すると予測されています。

身体の老化や病気のリスクもあるため、高齢者の一人暮らしは厳しいといえます。

よって、介護事業所のサポートを受ける方も増加すると考えられるため、介護職は将来もニーズがありなくならないと考察できます。

参照元:令和5年版高齢者社会白書 P10 (2)65歳以上の一人暮らしの者が増加傾向

人手不足がより深刻化すると考えられるから

介護業界は、現在すでに深刻な人手不足を抱えています。

しかし、これまで伝えたように高齢者の人口が増加したり、一人暮らしの高齢者が増えたりする予測が立てられています。

つまり、今のうちに人手不足を解消するか、何かしらの対策を立てないとより人手不足が深刻化する恐れがあるのです。

高齢者の人口と足りていない職員数の差がこれ以上開くと、介護業界は崩壊するでしょう。

よって、人員の確保は大きな課題でありこれからも需要は高まるため、介護職はなくならないと予測できます。

処遇待遇の改善を国が進めているから

こちらの見出しが指す将来性とは「介護士として働く上で未来はあるのか」を指しています。

先ほど、人手不足が進むと介護職は崩壊すると怖いことを伝えましたが、すでに国は対策を検討し実施しています。

例えば、人員確保のために海外からの人員確保を試みたり、待遇を改善したりといった対策です。

待遇改善の具体例として、令和元年に「介護職員等特定処遇改善加算」が追加されています。

この加算は、メインは介護福祉士を取得している介護職員の給与アップですが、他の介護職の給料も上げられます。

これまで、介護職は大変な仕事であるにもかかわらず賃金が低いことが問題視されてきました。

そのような悪いイメージもあり、人員不足が解消されないと考えているわけです。

実際に、現役または元介護士の意見には「給与が低い」との声が上がることもあります。

しかし、しっかりと将来の人員確保に向けて少しずつ処遇が改善されています。

「介護士として働くのは無駄」と考え退職する未来はこない可能性が十分にあると考えていいでしょう。

介護職は将来性がないといわれる理由

介護職は将来性がないといわれる理由を2つご紹介します。

AIやICTの技術がさらに進歩し業務が減る

現在、急速にAIやICTの技術が進歩しているため、介護職の業務が減るのではないかとささやかれています。

しかし、AIやICTですべての業務をまかなうことは厳しいでしょう。

もし導入が進むとしても、事務作業の効率化を図るための参入になります。

AIなどで事務作業の効率化を図ることができれば、介護業務に人員が集中するようになり、また介護業務の一人ひとりの負担も減るといったメリットがあります。

また、介護は人の心でしかできないコミュニケーションが必要です。

よって、AIやICTに介護業務が取られる心配はないでしょう。

介護ロボットが普及する

介護ロボットが普及することで、人による介護職はなくなるのではないかと考える方がいます。

現在すでに、介護ロボットを導入している事業所もあります。

しかし、力仕事の補助として利用するのみです。

介護ロボットの導入が普及したりロボットが人に近いようなものに開発されたりしても、やはり人による介護職はなくならないと思われます。

本当の意味での心を通わせた介護は、人間にしかできないためです。

寂しい思いや孤独感は、同じ温もりをもつ人でしか癒せません。

よって、介護職はなくならないのではないでしょうか。

将来的に介護職の給料は上がる?

介護職は、将来的に給料が上がることが期待できます。

現在すでに、処遇改善に向けて動き出しており、補助金や加算などの制度が作られています。

今後もニーズが高まり続ける職種として国も考えているため、さらなる給料アップの実施は間違いないでしょう。

介護士を目指すなら何から始める?

介護士を目指すためにスタートさせる行動は「資格取得を目指す」です。

介護士は資格がなくても働ける職業として知られていますが、すべての業務を無資格でできるわけではありません。

資格がなければできない業務も存在します。

加えて、無資格・未経験で介護職員になった場合、必ず「認知症基礎研修」を受けることが義務化されました。

資格なしから仕事をスタートさせるにしても、何かしらの修了者や資格保有をしなくてはなりません。

よって、介護職に就く前に介護全般の基礎知識を身につけたほうが手っ取り早いでしょう。

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就職のサポートも受けられるため、資格を取得できたあとの転職活動もしやすいことも魅力です。

まとめ|介護職は将来性があるため心配する必要はない!

介護職は十分に将来性がある仕事です。

人による介護職の需要がなくなることも、働き続ける必要性あるいは働く必要性がないといった仕事ではないといえます。

これから介護士として働きたい方は、むしろニーズが高まっていく仕事であるため挑戦したほうがいいでしょう。

この記事を書いた人

ふくしこみゅ編集部
今後ますます需要が高まる「介護職」。すでに介護職の方にも、これから介護職になりたい方にも役立つ情報をたくさん発信しています。
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この記事を監修した人

医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。

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