シングルマザーの働く先を探していると、介護職をおすすめされることがあります。
しかし、シングルマザーでの介護職はきついという話もあり、実際はどうなのか疑問に思いますよね。
本記事では、シングルマザーで介護職に就くのはきついのか、メリットやデメリットについて解説します。
シングルマザーでも働ける場所を探している方や介護職に興味があるシングルマザーの方は、ぜひ参考にしてください。
シングルマザーで介護職はきつい!理由やデメリット
シングルマザーで介護職はきついといわれる理由やデメリットを4つ紹介します。
- 子どもの体調不良の対応が難しい
- 人手不足で業務が大変
- 女性社会できついと感じる場面がある
- 給料が低く生活費が苦しい
子どもの体調不良の対応が難しい
介護業界は全体的に職員が足りていません。
よって、人手がまったく足りていない職場も多く休暇を希望した際に「また休むの?」といわれてしまい、休みを取りづらくなったという声があります。
特に小さい子どもはいつ体調不良を起こすかわからないため、出勤日に発熱したりノロウイルスなどの胃腸炎になったりすることもあるでしょう。
その時に誰かに頼れることができれば問題ありませんが、実家の両親や親戚などに頼れない方は、人手が足りない介護職は厳しいかもしれません。
しかし、シングルマザーを積極的に受け入れている施設もあり、子育てへの理解がある職場であれば働きやすいでしょう。
求人などでシングルマザーを積極的に受け入れているか、検索して探してみるとよいでしょう。
人手不足で業務が大変
介護業界は離職率が高いため、常に人手不足です。
そのため施設によっては人数が少なく余裕がないため、ギリギリの人数で業務を回しているところも。
ギリギリの人員配置で回す職場は、一人ひとりの業務量が多くなり負担が大きくなるので、シングルマザーの方にはおすすめできません。
シングルマザーとして育児をしながら働くことは、精神的にも肉体的にも大変なことです。
働きっぱなしで子どもとの時間がなかなか取れず、つらい思いをしている方もいるのではないでしょうか。
そのような中で、業務の負担が大きいとさらに精神的にも肉体的にも追い込むことになり、親子の関係が悪くなってしまう恐れがあります。
もし介護職に就きたいのであれば、人員配置に余裕のある職場を探すか、デイサービスなどの夜勤がなく要介護者が少ない施設で働くことを検討しましょう。
女性社会できついと感じる場面がある
介護施設の男女比は、ほとんど女性が占めています。
女性社会の仕事ともいえる介護職は、シングルマザーの環境や状況を理解してくれやすいというメリットがあります。
しかし中には、女性であるがゆえに起こるトラブルが発生する職場があるのも事実です。
職場のスタッフの雰囲気は、実際に勤務してみないとわからない部分もあるため、見極めは難しいでしょう。
しかし、面接時に子どもが体調不良を起こした場合に周りに看病できる人がいないことを伝え、自身がすべき対応を確認しておくことで、ある程度の対策はできるはずです。
子どもの体調不良による休みに対し、職場の仲間から理解が得られればよいですが、理解してもらえないことがあるかもしれません。
しかし、そのような場合でも管理職やリーダーの方の理解を得ることができれば、安心して働くことができます。
給料が低く生活費が苦しい
介護職は給料が少ないため、生活費や子どもの学費などが足りず生活がきついという声があります。
特に小さい子どもがいるシングルマザーは夜勤ができないため、給与に大きく影響する夜勤手当がもらえません。
子どもがある程度大きくなっている場合は夜勤も検討できますが、まだ子どもが小さく無資格の方は、給料のことを考えると介護職は厳しいかもしれません。
しかしながら、資格取得により給料アップを目指すことができます。
次の項目で詳しく紹介します。
シングルマザーだからこそのメリットも!介護職をおすすめする理由は8つ
シングルマザーが介護職に就くときついといわれる理由やデメリットを紹介しましたが、シングルマザーだからこそのメリットもあります。
- 資格がなくても働ける
- 母子家庭自立支援給付金で受検費用を抑えられる
- キャリアアップが目指しやすい
- シングルマザーだからこそ採用されやすい実態がある
- 夜勤免除や勤務時間形態など働き方を選べる
- 社宅や寮を用意している会社がある
- 託児所を用意している会社がある
- 国家資格の受験資格を得られる
資格がなくても働ける
介護職は必ずしも資格が必要なわけではありません。
よって、資格がなくても働けるといったメリットがあります。
資格の取得は働きながらでも可能なため、段階を踏みながらキャリアアップを目指すことも可能です。
母子家庭自立支援給付金で受検費用を抑えられる
シングルマザーだからこその大きなメリットとして、シングルマザーが就職時に活用できる取り組みのひとつ「母子家庭自立支援給付金」を利用できることが挙げられます。
資格を取得することでキャリアアップや給料アップが図れますが、問題は受検費用です。
例えば、介護職の入門となる「介護職員初任者研修」は、資格を取得するまでに約5万円必要です。
ただでさえ生活が大変なシングルマザーにとって、5万円の出費は非常に痛手ですが「母子家庭自立支援給付金」を利用すれば、特定の講座で利用した上限10万円までの学費、受講料の20%が支給されます。
キャリアアップが目指しやすい
母子家庭自立支援給付金を利用して資格を取得できたり、働きながら資格を取得できたりと、キャリアアップを目指しやすいといったメリットがあります。
資格を取得すると転職する際にも有利になり、 シングルマザーであっても新しい職場が見つかりやすくなるでしょう。
シングルマザーだからこそ採用されやすい実態がある
施設の中には「特定求職者雇用開発助成金」という制度を導入しているところがあります。
「特定求職者雇用開発助成金」というのは、シングルマザーなどを積極的に雇用することで施設が助成金を受けられる制度です。
もしなかなか職場が見つからないといった場合は「特定求職者雇用開発助成金」を導入している施設を探してみるとよいでしょう。
夜勤免除や勤務時間形態など働き方を選べる
介護職は働き方にたくさんの種類があるため、自分にあった勤務方法が見つかりやすいといったメリットがあります。
未就学児の小さな子どもがいるシングルマザーの方は「育児・介護休業法」に基づき、夜勤の免除が可能です。
ただし、勤続年数が1年未満の場合は相談が必要ですので、夜勤がある施設で面接を受ける際は事前に夜勤について話し合っておきましょう。
また、介護職の雇用形態は正社員、派遣社員、契約社員、パート、アルバイトとさまざまあります。
よって、パートで決めた時間で働く、夜勤がない施設で正社員として働くといったことも可能です。
子どものケアの面で休みが取りやすい環境で働けるかどうかは、シングルマザーにとって必須条件となるので、柔軟に働き方を選べるのは大きなメリットでしょう。
社宅や寮を用意している会社がある
社宅や寮を用意している会社があるため、介護職に就く方もいます。
社宅や寮で家を借りることができれば、個人で借りるよりも家賃の金額を抑えられます。
生活費の負担を軽減できるのは、シングルマザーの方にとって大きなメリットではないでしょうか。
また、社宅や寮以外に住宅手当を支給しているところもあるので、住宅に関する福利厚生もあわせてチェックしておくことをおすすめします。
託児所を用意している会社がある
介護施設によっては、託児所を用意している会社があるのもメリットです。
小さな子どもがいるシングルマザーにとって、子どもを預ける場所は気になるところですよね。
令和2年度に行った厚生労働省の調査によると「子育てとの両立を目指す者のための育児休業制度等の充実、事業所内保育施設の整備」を取り入れている介護施設が54.8%もあります。
つまり介護職は、施設に託児所を設けているところが多いため、職場を探しやすい上に安心して働ける職業といえます。
国家資格の受験資格を得られる
介護職に一定期間就くことで、国家資格の受験資格を得られるのもメリットです。
介護職に一定期間つくことが条件となっている国家資格に「介護福祉士」があるのですが、この資格は介護職の最高資格となっています。
無事に国家試験に受かり資格が取得できれば、収入アップや待遇がよい施設に転職しやすくなるので、大きなメリットといえます。
ちなみに、厚生労働省が令和2年に調査した「全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、シングルマザーが役に立っていると答えた資格に89.1%の方が介護福祉士と回答しているというデータがあります。
シングルマザーでの介護職はきついけどメリットもたくさんある!
シングルマザーで介護職に就くと「子どもの体調不良の対応が難しい」「人手不足で業務が大変」「女性社会できついと感じると感じる場面がある」「給料が低く生活費が苦しい」などきついと感じることもあります。
しかし、シングルマザーだからこそのメリットや介護職自体のメリットがたくさんあることも事実です。
シングルマザーを積極的に雇用している施設があったり母子家庭自立支援給付金を利用して資格を取得してキャリアアップを目指せたり、デメリットやきついと感じる部分をカバーできる部分もあります。
シングルマザーでの介護職は選ぶ施設によって負担が大きくなり、育児との両立で精神的にきついと感じることもあるため、慎重に職場を選んでくださいね。