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介護職の新卒の給料事情を解説|高収入が狙える職場や給料を上げる方法も併せて紹介

「介護職の新卒はどのくらいの給料がもらえるの?給料を上げる方法は?」
「高収入が狙える職場はある?」

このような疑問はありませんか?

どのくらいの給料がもらえるのかはやはり気になるところですよね。

本記事では、新卒の平均給与額や高収入が期待できる職場、給料を上げる方法について紹介します。

目次

医療・福祉の新卒者の平均初任給

医療・福祉に携わる新卒者の平均初任給を調べたのでご紹介します。

以下は『令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況』を参考にまとめた表です。

男女合計の学歴別平均初任給

学歴男女合計の平均初任給
大学院修士課程修了209,100円
大学卒206,900円
高専・短大卒198,400円
高校卒165,400円

男性のみの学歴別平均初任給

学歴男性のみの平均初任給
大学院修士課程修了209,900円
大学卒204,000円
高専・短大卒192,700円
高校卒167,200円

女性のみの学歴別平均初任給

学歴女性のみの平均初任給
大学院修士課程修了209,000円
大学卒208,100円
高専・短大卒188,800円
高校卒164,600円

すべての表の数値で共通していることは、高校卒業してすぐに就職した方は給料が低めです。

高専や短期大学を卒業した方と大学以上を卒業した方の初任給を比較すると、差はほとんどありません。

一方で、高卒者の方と比較すると30,000円以上の差があることがわかります。

医療・福祉の新卒者の平均年収

医療・福祉の新卒者の平均年収を、初任給の金額12か月で年収を算定してみました。

以下はその平均年収をまとめた表です。

男女合計の学歴別平均年収

学歴男女合計の平均年収
大学院修士課程修了2,509,200円
大学卒2,482,800円
高専・短大卒2,272,800円
高校卒1,984,800円

男性のみの学歴別平均年収

学歴男性のみの平均年収
大学院修士課程修了2,518,800円
大学卒2,448,000円
高専・短大卒2,312,400円
高校卒2,006,400円

女性のみの学歴別平均年収

学歴女性のみの平均年収
大学院修士課程修了2,508,000円
大学卒2,497,200円
高専・短大卒2,265,600円
高校卒1,975,200円

給与アップする「3つ」の方法

高校を卒業してすぐ介護職に就いた方の給料は低めであることをお伝えしました。

しかし、以下の方法を実践することで高卒者を含め誰でも給料アップを目指せます。

  1. 給与が高い施設や事業所を選ぶ
  2. 介護職員初任者研修・実務研修者研修を受ける
  3. 夜勤に数多く入る

では、詳しく解説します。

【給与アップする方法1】給与が高い施設や事業所を選ぶ

介護職の職場は給与が低めに設定されているところと、高めに設定されているところがあります。

厚生労働省の資料を確認したところ、平均給与額が30万円以上のところが3つありました。

ただし、あくまでも平均ですので参考としてお考えください。

  1. 特別養護老人ホーム
  2. 介護老人保健施設
  3. 訪問介護事業所

では、一つずつ解説します。

高収入な仕事場①特別養護老人ホーム

一つ目に紹介するのは特養とも呼ばれている「特別養護老人ホーム」です。

<どんな施設?>

「特別養護老人ホーム」は、自立した生活が厳しく、要介護認定を受けた高齢者が入居する施設です。

公的機関が運営しているため入居費が安く利用を検討しやすいのが特徴です。

また、施設によっては看取りを行っています。

「特別養護老人ホーム」には「従来型」と「ユニット型」があり、それぞれ異なる特徴があります。

  • 従来型:2〜4人で一部屋を利用するタイプ。複数のスタッフで複数の利用者を担当する
  • ユニット型:1人一部屋の個室に入居するタイプ。10人程度で1ユニットを担当する

どちらも入居型であることには変わらないため、夜勤による巡回業務があります。

<どんな利用者がいる?>

「特別養護老人ホーム」は、以下いずれかの条件を満たした方が利用可能です。

  • 65歳以上の要介護3以上の認定者
  • 40歳〜64歳で特定持病があり要介護3以上の認定者
  • 特例が認められた要介護1・2の認定者

<平均月収>

「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 P131」によると、平均月収は常勤者で348,040円です。

<仕事内容>

「特別養護老人ホーム」の介護士としての仕事内容は以下の4つです。

  1. 身体介護
  2. 健康管理
  3. 身体機能の向上・維持のサポート
  4. 家族への近況報告

認知症の方や要介護度の高い利用者が多いため、身体介護の割合が高めです。

体力が心配な方は、初めての職場として選ぶのは難易度が高いかもしれません。

参照元:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 P131」

高収入な仕事場②介護老人保健施設

二つ目に紹介するのは老健とも呼ばれている「介護老人保健施設」です。

<どんな施設?>

「介護老人保健施設」は、何らかの理由で入院し、退院したあと自立した生活を送れるようにリハビリを行う施設です。

細かくいうと、リハビリだけでなく必要に応じて介護や生活援助、栄養管理を受けながら在宅復帰を目指します。

この施設には様々な職種の人が働いています。

  • 医師
  • 看護師
  • 介護士
  • 支援相談員
  • 機能訓練指導員
  • 調理師
  • 栄養士
  • 事務員

様々な職種の人が集まっているため、コミュニケーション能力や連携力が求められます。

<どんな利用者がいる?>

「介護老人保健施設」を利用できる方は、原則65歳以上で要介護1以上の認定者です。

ただし、認知症などの特例疾病にかかっている40歳〜64歳で要介護認定を受けている方も特例で利用が認められています。

<平均月収>

「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 P131」によると、平均月収は339,040円です。

<仕事内容>

「介護老人保健施設」の仕事内容は介護業務です。

着替えや食事の介助、車椅子への移乗介助、入浴介助、オムツ交換などを行います。

また、他の職種の方と情報共有したり話し合ったりすることも大切な仕事の一つです。

参照元:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 P131」

高収入な仕事場③訪問介護事業所

最後に紹介するのは「訪問介護事業所」です。

<どんな事業所?>

「訪問介護事業所」から利用者の家に訪問し、介護などを行います。

入院を必要としない方、もしくは自宅での生活を希望する方の自立した生活をサポートするのが仕事です。

サービス内容や提供時間はあらかじめケアプランで作成し、それに則って仕事をします。

<どんな利用者がいる?>

「訪問介護事業所」を利用できるのは要介護認定を受けた方のみです。

介護度は考慮されず、たとえ要介護1でも利用できます。

<平均月収>

「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 P131」によると、平均月収は315,170円です。

<仕事内容>

「訪問介護事業所」の仕事内容は以下のとおりです。

  • 身体介助
  • 生活援助
  • 通院等乗降介護

生活援助とは、使用している部屋の掃除や必需品の買い出し、調理などです。

これらのサポートは利用者本人のみであり、同居者にはできません。

1人で業務を行わなくてはならないため、介護の仕事に慣れていない方は不安になるかもしれません。

参照元:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 P131」

【給与アップする方法2】介護職員初任者研修・実務者研修を受ける

給与をアップさせるために「介護職員初任者研修・実務者研修を受ける」のも有効です。

これらの研修は介護士としての基礎知識から応用知識を身に付けられます。

介護職員初任者研修を修了すると、身体介護の業務を担当できます。

この研修を修了しないと基本的に身体介護はできず、訪問介護のヘルパーとしては働けません。

実務者研修の場合は、喀痰吸引や経管栄養を実施できると同時に、サービス提供者として働くことも可能です。

加えて、実務者研修は介護福祉士の受験要件の対象となっています。

【給与アップする方法3】夜勤に数多く入る

給与を上げるために、夜勤に数多く入る方法もあります。

ただし、夜型タイプでない方はいきなりたくさんの夜勤に入ると体を壊すリスクがあります。

ご自身の心身の状況を見ながら夜勤に入りたい日数を伝えましょう。

なお、基本的に夜勤担当はローテーションで実施されている施設や事業所が多い傾向です。

まとめ|新卒の給料は16〜20万円が平均

介護職の新卒者の給料は平均16〜20万円です。

高専や短期大学、大学以上を卒業する方は19万円以上が平均ですが、高卒者は16万円くらいが平均となっています。

給料をアップしたい方は、平均給料額が30万円以上の職場を選択したり、資格を取得したり、夜勤に入ったりする方法があります。

介護職は、今後の給料がアップしていくといわれている職業ですので、就職して損はないでしょう。

この記事を書いた人

ふくしこみゅ編集部
今後ますます需要が高まる「介護職」。すでに介護職の方にも、これから介護職になりたい方にも役立つ情報をたくさん発信しています。
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この記事を監修した人

医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。

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