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介護職のお給料はどのくらい?各データからみる介護職の給料事情を徹底解説!

近年、新型コロナウイルスの影響もあり、世間は景気が悪化しました。

そんな世の中で注目されたのが不況に強い介護業界で、2025年問題や少子高齢化に拍車がかかる今、介護業界が注目されつつあります。

転職や就職の選択肢として介護職を考えたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は「介護業界の給与事情はどうなっているの?」という疑問に対して解説をさせて頂きます。

目次

そもそも介護士の平均月収や平均年収は?

介護士 平均月収 平均年収

日本において介護士の給与は、他の職種の平均と比較して、決して高水準とはいえません。介護士の平均月収は約25万円平均賞与が約52万円となっています。年収で考えると約350万円です。

また、介護士の平均的な手取り額(月給から所得税、住民税、社会保険料、労働保険料を控除した後の金額)としては、約18〜20万くらいが相場です。

しかし、日本は介護従事者を増やす施策を進めており、徐々に給与相場の改善が見られます。現状はまだ十分な成果として表層に出てきてはいませんが、今後の日本の政策方針により大きく状況が変わるといえるでしょう。

参考)令和3年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

各データからみる介護職の給料事情

介護職 給料事情

ここでは、介護職の給料データを以下の5つの視点から解説していきます。

  • 性別
  • 施設形態
  • 資格
  • 地域
  • 勤務形態

性別

厚生労働省の給与データを見ていくと、介護職の給料は性別によって多少差が見られます。

女性介護職の平均年収は約380万円、男性の介護職員の平均年収は約380万円とやや男性の方が高くなる傾向にあります。
この理由としては男性の場合、正社員で働くことが多く、家庭を持っている場合には家族手当や住宅手当といった加算金が発生することにより、女性よりも金額が高くなっている傾向にあります。

参考)令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(厚生労働省)

施設形態

続いて施設形態別の介護職の給料(平均)を見ていきます。

介護老人福祉施設(特別養護老人施設)では月収約35万円、介護老人保健施設では月収約34万円と夜勤を伴う業務の場合は全体職種の中でも高くなっています。平均年収も高くなっているのは介護老人福祉施設と介護老人福祉施設です。

日勤のみの勤務となる通所介護事業所(デイサービス)は約28万円、小規模な認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)は約29万円と全体の職種の平均月収を下回っています。

このように施設形態別で給与差が見られます。また、事業所によっても給与は異なります。そのため就職や転職をする際には、「自分がどんな介護施設で働きたいか」「どのくらいの給料が欲しいのか」をしっかりと考えて行動すると良いでしょう。

参考)令和3年度介護従事者処遇状況等調査結課(厚生労働省)

資格

資格介護職の給料は、保有している資格の種類によっても変わってきます。

介護職の資格には様々ありますが、介護現場で特に重宝され人気の高い資格は「介護福祉士」、「実務者研修」、「初任者研修」の3つです。

介護福祉士は、介護資格唯一の国家資格であり、資格取得の難易度は高いといえます。

受験にあたっても誰でも受験できるわけではなく、2年以上のスクーリングまたは3年以上の実務経験が受験資格として必要です。このような厳しい試験に晴れて合格し「介護福祉士」になると、給与面でも優遇され、その平均月収は約33万円と介護職員の中では非常に高くなります。

他の介護資格保有者の平均月収を見てみると、スクーリングに 450時間かかる実務者研修資格保有者の月収が約31万円、比較的簡単に受講できるといわれている初任者研修資格保有者の平均月収が約30万円となっています。

無資格者の平均月収が約27万円となっているため、介護福祉士と無資格者では約6万円の差が出ていることになります。

介護士として長く働いていく気持ちがあれば、スキルアップを兼ねて講習に参加してみるのも良いかもしれません。

住んでいる地域によっては特に介護に力を入れている場所もありますので、そういったところでは受講額を負担してくれる可能性もあります。

また、職業安定所では職業訓練の一環で何割かを助成金として肩代わりしてくれるところもあります。

さらに、介護事業所によっては職員のスキルアップを図るためにスクール費用の全額、または一部を負担してくれる場合があります。費用面で不安がある方はそういった制度について調べ、活用してみるのもおすすめです。

参考)令和3年度介護従事者処遇状況等調査結課(厚生労働省)

地域

介護職の給与は、住んでいる場所によっても差が見られます。

今回は、地域による給与の差について、1部抜粋して紹介していきます。

年収が高い場所として、1番に挙げられるのは平均年収約401万円の東京都、次いで2番目に平均年収約390万円の山梨県、3番目に平均年収約389万円の神奈川県となっています。関東圏の給与は比較的高い傾向にあるといえるでしょう。

逆に年収が低いとされる場所としては、ワースト1位が平均年収約270万円の青森県、ワースト2位は平均年収約284万円の佐賀県、ワースト3位が平均年収約294万円の山形県となっています。

このように、首都圏や関西方面は比較的給与水準は高く、九州や東北については給与の傾向は低い水準にあります。東京都は唯一平均年収が400万円を超えていますが、他の職種に比べるとまだまだ低い水準であるといえるでしょう。

参考)平成30年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

勤務形態

前段までは正社員のお給料について説明してきましたが、ここではパート・アルバイトの時給についてご紹介します。

特養や老健、有料老人ホームのような施設の場合は、パート・アルバイトの平均時給は約1000円となっています。これは①比較的介護レベルが高い利用者さんの対応をすること、②専門的なケアが必要となることが要因となり、比較的高い時給になっています。

訪問介護事業所はさらに比較的時給が高く、時給は約1250円となっていま。訪問介護の時給が高い要因としては、①介護職員初任者研修のレベルを超えた資格が必須となること、②一人でこなす業務量が非常に多いこと、③現場での責任が重いことが挙げられます。

このようにアルバイトやパートの仕事でも専門的なスキルや経験があれば、平均時給よりも高くなることがあります。時給を上げていくためには資格取得やスキルアップのための勉強など、自分磨きの時間も必要です。

参考)平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果(厚生労働省)

介護職の初任給はどのくらいなのか

介護職 初任給

介護士として働きはじめても、最初から平均月収がもらえることは少ないです。

介護職に限った話ではありませんが、誰もが初めての業務を経験するとき、慣れないことが多く、見習い期間というものがあります。

20〜24歳までの平均月収を初任給時期と仮定すると、初任給は約22万円になります。

初任給に関して男女差はほとんどありません。

ただし、施設形態によっては初任給に大きく差が見られます。

夜勤がある介護老人保健施設の初任給(月収)約24万円、夜勤がない介護通所事業所の初任給(月収)約21万円となっており、約3万円の差があることが分かります。このように介護施設によって基本給に差が生じますが、夜勤のある介護施設で働く場合はさらに夜勤手当が支給されます。

また、就職時に介護の資格を保有している場合は、資格手当として給与面で優遇される場合が多く、そういった方は初任給が高くなります。

比較的取得が簡単な「初任者研修」や「実務者研修」でも資格を保有していれば無資格者よりも給与が高くなりますので、資格取得後に介護士になるという選択肢もあるでしょう。土日に講義があるスクールもあるため、在学中や転職前の就業中でも取得は可能です。

参考)令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(厚生労働省)

介護職の給与について予備知識を備えよう!

介護職 給与

今回は介護職の給料事情について詳しく解説しました。

介護士の給与状況は、働く場所や自分の持っている資格・勤務時間などによって左右されます。

夜勤のある職場は給与が高くなりますが、夜に働くということは私生活にも多く影響をもたらします。給与面だけを考えて夜勤をしてしまうと体調を崩すことも考えられるため、注意してください。自分に合った働き方を模索して楽しく介護士の仕事をやり切る事が重要です。

また「これから介護職に就きたい」という気持ちがある方は、転職や就職をする前に「給与がどのくらいあれば日常の生活にゆとりを持てるのか」を考えた上で、「そのためにはどんなスキル・資格が必要なのか」熟考してから介護業界に飛び込んでみるのがオススメです。事前にしっかりとキャリアプランを練った上で仕事に就くことで、結果的に自分の理想とする給与水準に早く達することができるでしょう。

この記事を書いた人

ふくしこみゅ編集部
今後ますます需要が高まる「介護職」。すでに介護職の方にも、これから介護職になりたい方にも役立つ情報をたくさん発信しています。
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この記事を監修した人

医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。

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