「年収1000万になって、裕福な生活がしたい」というのは、介護職に限らず誰もが思うでしょう。
しかし、長時間働いても給料が上がりづらいのが現状です。
この記事では「介護職をしていて、年収1000万の人はいるのだろうか。」という疑問に答えつつ、どうすれば年収1000万に近づくことができるか、方法もお伝えしていきます。
年収1000万は、とても難しい
まず、年収1000万の人は日本全国にどの位いるかご存知でしょうか。
国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、2021年時点で年収1,000万円を超えている人の割合は4.9%と、20人に1人の割合です。
しかし介護や福祉職の場合、パーセンテージはぐっと低くなります。
令和3年度「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職の平均月収は約31万となっています。
賞与を合わせても約380万なので、介護職だけで年収1000万を目指すのは、とても難しいのです。
年収1000万を目指すには
上記の項目で、介護職だけで年収1000万を目指すのはとても難しいということを説明しました。
ですが、1000万に近づける方法はあり、下記の4つになります。
- 職場の幹部もしくは代表取締役になる
- 家族に協力してもらう
- 「複業」をする
- 投資をする
下記にて詳細に説明します。
職場の幹部もしくは代表取締役になる
1つめは「職場の幹部もしくは代表取締役になる」ことです。
自分が勤務している介護施設で執行役員などの幹部代表取締役になれば、確実に収入は上がります。
ですがこの方法を実行する場合「自分はこの会社に尽くす」という覚悟がないといけません。
幹部や代表取締役になる為には、日々の業務を真面目に取り組むだけでなく、他の職員や外部からの信用、職場内外で会社に貢献できるような実績を積むといった取り組みが必要になります。
介護業界においても年功序列制度は廃止されつつあります。
ただし出世して収入が上がる分、責任も重くなります。
自分だけでなく他の人がミスをして会社に損害が出たとき、責任を問われることもあるということを心しておきましょう。
家族に協力してもらう
2つめは既婚者が対象になりますが「家族に協力してもらう」ことです。
1人で1000万を稼ぐのは難しいですが、夫婦2人で500万ずつ稼ぐことは、現実的に可能です。
現在妻(夫)が働いていなく、今後働きたいと考えている場合は
- 妻(夫)が働けるよう、家事を協力するといった環境整備をする
- 子どもが小さくて働けない場合は、在宅勤務を探す
という方法があります。
また妻(夫)も介護士の場合は、デイサービスの勤務や、ショート夜勤という方法もあります。
デイサービスの多くは平日の日中稼働していることが多いので、子育てしながらでも働くことは可能です。
しかし送迎や記録等があると、帰りが遅くなってしまいます。
そんな人は、時短勤務がおすすめです。
時短勤務の例としては
- 午前中もしくは午後の半日
- 入浴介助のみの4時間程度
があります。
デイサービスに限らず「介護施設の入浴介助専門アルバイト」というのは、需要が多いです。
特養等の介護施設では、人手不足で常勤の介護職員が残業したり、中にはケアマネが入浴介助するというケースもあります。
入浴介助を専門にやってくれる人がいるだけで、現場は多いに助かるのです。
働く方としても
- 覚えることが比較的少ない
- 勤務時間が9時もしくは10時からなので、家庭の仕事と両立できる
というメリットがあります。
一方ショート夜勤というのは、21時から翌朝の6時まで(もしくは22時から翌朝7時まで)という働き方です。
業務内容としては
- 入居者(利用者)の巡視、コール対応
- 定時のオムツ交換やトイレ誘導
- 翌朝の飲み物(施設によっては朝食も)の準備
- 環境整備
があります。
比較的自分のペースで業務ができるので、日勤に比べて心身の負担が少ないこと、日中の時間を有効に使えるというのがメリットとしてあります。
お子さんが高校生もしくは大学生の場合、アルバイトを許可するという方法があります。
大学生の場合、アルバイトで月9万稼げれば、年収100万になります。
「夫500万+妻400万+子100万」を稼げるようになれば、合計年収1000万になるのです。
特に大学生の場合、夏休みや春休みは長期に渡るので、より稼ぐことができます。
またアルバイトをすることで「社会人としてのマナー」「上司への報・連・相」を自然と学ぶこともできるのです。
ただし、アルバイトに力を注ぎすぎて、本業が疎かにならないよう、親の立場から注意深く見ておきましょう。
「複業」をする
2つめは「複業」です。
「副業」は、本業の不足分を補う意味合いを持つのに対し「複業」は本業と同程度の収入を得られるような仕事を指します。
ただ「複業」と言えるようになるには、時間がかかります。
最初は「副業」として始め、徐々に「複業」になるように取り組むことが大事です。
「複業」の例
この項目では「複業」にしやすい仕事について、2つ紹介します。
1つめは「講師」です。
介護士ができる講師は、実務者研修を主催する養成施設等で教える仕事になります。
教員免許がなくても、介護福祉士取得後一定年数実務経験があると、講師として勤務することができます。
働き方としては「1コマ(90分)○○円」と、時給で働くことが多いため、思っていた以上に稼げないこともあるでしょう。
しかし「講師」を行うメリットが2つあります。
自分達の仕事に関連している「介護」の講師であれば、事業所側も理解を示すことがあります。
また「あの人は人を教えたり育てたりする力がある」と周囲から認められ、実績にもなります。
養成施設での講師をある程度経験したら、個人でオンライン講師を行うという方法も検討してみましょう。
個人であれば受講料が全て自分の収入になるので、顧客を多く集めることができれば、それだけ収入が上がります。
その際「□□養成施設で講師としての勤務経験あり」という実績があることで、信用性があり顧客もより集まりやすくなります。
2つめは「ウェブライター」です。
ウェブライターは、クラウドソーシングサイト等から仕事を受注し、記事作成を行います。
最初は報酬数十円と単価が低いですが、サイト内で実績を得ることで信用を得られ、大きな案件を受注しやすくなったり、クライアントと直接取引ができる可能性もあります。
投資をする
投資と聞くと「短期間でお金を増やすことができるけれど、リスクもある」とネガティブなイメージを持つ人がいるでしょう。
ですが投資を上手く活用すれば、長期間かけて利益を得ることができます。
これから投資を始める人は「iDeCo」と「つみたてNISA」がおすすめです。
iDeCoは加入者が毎月一定の金額を積み立て、予め用意された預金・保険・投資信託といった金融商品で自ら運用し、60歳以降に一時金または年金として受け取る仕組みです。
60歳になるまで引き出せないというデメリットがありますが
- 加入期間中の税金が安くなる
- 運用で得た利益には税金がかからない
というメリットがあります。
もう1つの「つみたてNISA」は少額投資非課税制度になります。
100円単位の少額からの積み立てが可能で、20年間は運用歴や分配金、譲渡金が非課税になるのがメリットです。
また毎月一定額を継続して投資するため、自動的にリスクを分散してくれるので、仕事が忙しくて細かく株価をチェックできない人にもおすすめです。
年収1000万を目指すなら、長期的に
介護職の平均年収が約380万なので、年収1000万を目指すのは到底難しいように感じます。
しかし、出世して執行役員や代表取締役になれば責任を伴いますが給料も上がります。
また本業と同程度の収入を得られる「複業」を持つことで、年収を増やすことは可能です。
どちらにも共通して言えることは「短期間で収入は上がらない」ということです。
コツコツと10年単位で取り組み続けることで、目標の年収に近づくことができます。
まずは自分のできるところから、始めてみましょう。