「認知症予防」という言葉を聞いたことはありますか?
認知症は脳の病気や障害などの原因により、認知機能が低下し日常生活に支障が出てくる状態です。
日本では高齢化とともに認知症の人が増加しており、予防が重要との認識が広まりつつあります。
「予防が必要なのは知っているけど、何をすればいいの?」と思われている方も多いのではないのでしょうか。
この記事では、具体的な予防方法の3つのポイントを詳しく解説していきますので、ぜひ日々の習慣に取り入れてみてください。
認知症予防の3つのポイント!
認知症予防には運動不足の改善、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病の予防、社会参加による社会的孤立の解消や自分の役割を持つことが重要です。
以下で詳しくみていきましょう。
- 運動不足の改善
- 生活習慣病の予防
- 社会参加
運動不足の改善
認知症予防において、運動は非常に重要な役割を果たします。
運動によって脳に酸素や栄養素が十分に行き渡り、脳内の神経回路が刺激されるため認知症の発症を遅らせる効果が期待できます。
また、運動によってストレスを解消することで、心身ともに健康的な状態が維持できます。
認知症予防のためには毎日の運動習慣を身につけることが大切です。
しかし、まったく運動しなかった人にとって毎日の運動はかなり負担に感じるでしょう。
運動習慣を身に着けるためには、毎日続けられそうな軽い運動を選ぶことがポイントです。
ウォーキング
ここでは簡単におこなえる運動として、ウォーキングをご紹介します。
脳が正常に働くためには、十分な血流が必要です。
高齢者やアルツハイマー型認知症の脳では血流の低下がみられます。
最近の研究では、よく歩く人は認知症になりにくいことがわかってきました。
なぜ、よく歩く人は認知症になりにくいかというと、血圧があまり上がらない程度の無理のない歩行を行うと、脳の血流が良くなるからです。
無理せずゆっくり歩くウォーキングは年齢に関係なく脳の血流を増加させてくれるので、認知症予防におすすめの運動です。
また、歩くことで全身の筋肉を使い、心肺機能や足の筋力も鍛えることができるので介護予防にも効果的です。
ウォーキングを始める前には、靴の選び方や歩く時間やペースの調整など、適切な準備が必要です。
10分から15分ほどの軽いウォーキングから始め、徐々に時間や距離を伸ばしていきましょう。
厚生労働省が推進する「健康日本21」運動では、1日の歩数目標を男性6,700歩、女性5,900歩とされています。
高齢者の平均歩数は15分間に平均1,300歩です。
歩数目標を時間にすると、男性約77分間、女性約68分間のウォーキングが必要です。
毎日1時間程度を目標にウォーキングをしてみてはいかがでしょうか。
生活習慣病の予防
認知症予防には、生活習慣病の予防が欠かせません。
生活習慣病とは、高血圧症、糖尿病、高脂血症などの生活習慣が主な原因とされる病気をいいます。
これらの病気は、血管や心臓に負担をかけ脳にも悪影響を及ぼします。
ここでは生活習慣病を予防するためのポイントは以下の通りです。
- バランスの良い食生活
- ストレスのコントロール
- 禁煙
それぞれ順に説明します。
バランスの良い食生活
生活習慣病を予防するためには、バランスの良い食生活を心がけることが大切です。
野菜や果物、魚などの健康的な食品を積極的に摂取し、栄養バランスを整えることが重要です。
また、過剰な塩分や糖分、脂肪分の摂取は、高血圧症や糖尿病などの病気を引き起こす原因です。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、目標量として成人1人1日当たり男性7.5g未満、女性では6.5g未満と設定されています。
塩分の取り過ぎに注意して薄味を心掛けましょう。
ストレスのコントロール
生活習慣病の予防にはストレスのコントロールは欠かせません。
現代はストレス社会と称されており、50%以上の人が何らかのストレスを抱えています。
ストレス自体が血圧や血糖値を上昇させ、高血圧や糖尿病のリスクを高めるだけでなく、行動面では飲酒量が増えたり、タバコの本数が増えたりと生活習慣が乱れます。
そして、ストレスからの生活習慣の乱れが、生活習慣病の発症や悪化をまねきます。
ストレスを感じた時は、軽い運動やリラックスできる音楽を聴くなどの自分に合った方法でストレスを解消し、心身ともにリフレッシュすることが大切です。
禁煙
禁煙も生活習慣病の予防に効果的です。
タバコには多くの有害物質が含まれており、喫煙によって健康被害を引き起こすことが知られています。
喫煙をやめることで、血圧や血糖値の改善につながり、生活習慣病の発症リスクを低下させることができます。
禁煙外来や禁煙サポートアプリなどの支援がありますので、ぜひ禁煙にチャレンジしてみましょう。
社会参加
社会参加は認知症予防の重要なポイントです。
社会参加とは、家庭内もしくは家庭外での活動で社会的役割を持つことです。
社会参加の機会が多い高齢者は認知機能が高いとされています。
高齢者は退職などに伴って社会参加の機会がなくなると、自宅に引きこもりがちになる傾向にあります。
引きこもりは社会的に孤立しやすい状態であり、社会的な孤立による孤独感やストレスは認知症のリスクを高めます。
そのため、社会参加の機会を多く持つことが大切です。
社会参加には決まった形はありません。
例えば、働くことだけでなく、交通安全のボランティアや趣味の書道での講師、友人との交流や町内会の役員などの活動があげられます。
これらの活動を通して社会とのつながりや自分の役割を持つことが重要です。
機会があれば興味のある活動に積極的に参加してみましょう。
認知症予防に取り組むタイミング
認知症予防はいつからでも始めることができます。
認知症は発症前の生活習慣が関係しているため、できるだけ早いうちから認知症予防に取り組むことが重要です。
特に40代以上の中高年層は認知症のリスクが高まるため、予防に積極的に取り組む必要があるでしょう。
認知症予防は楽しみながら続けよう!
認知症予防には、日々の生活習慣の改善が必要ですが、そのためには楽しみながら継続することが大切です。
例えば、運動不足を解消するためにジムに通うのは効果的ですが、毎日苦手なトレーニングをするのはつらくなってしまい、運動を続けられない可能性があります。
しかし、音楽を聴きながらのウォーキングやダンス、友達と一緒にスポーツをするなど、自分が楽しめる運動なら継続できるかもしれません。
認知症予防のためには自分が楽しんで続けられる活動を見つけることがポイントです。
認知症予防には3つの習慣を身につけることが大切!
認知症予防には、運動不足の改善、生活習慣病の予防、社会参加の3つの習慣が大切です。
3つのポイントをおさえることで、認知症発症のリスクをさげ健康的な老後を送ることができます。
認知症は今後ますます増加すると予測されていますが、ライフスタイルによって発症のリスクを下げることができます。
認知症予防に取り組むために大切なのは、楽しみながら継続することです。
習慣にすることで効果的な認知症予防がおこなえます。
無理なく楽しめる認知症予防を日々の生活に取り入れましょう。