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地域包括支援センターの役割は高齢者のための総合相談窓口|業務内容や就ける職種について

  • 「地域包括支援センターはどんな役割がある職場なのか知りたい」
  • 「仕事内容は何があるのか知りたい」
  • 「自分にできることはあるのか知りたい」

このように思われていませんか?

本記事にたどりついた方の中には、単純に興味がある方、就職先探しのために知りたい方、これから介護業界で働きたいと考えている方、さまざまいるでしょう。

そこで今回は、地域包括支援センターの役割、業務内容や就ける職種について解説します。

目次

地域包括支援センターの役割

地域包括支援センター 役割

地域包括支援センターの役割は、高齢者を介護・医療・保険・福祉の面で支える「総合相談窓口」です。

高齢者が住み慣れている自宅や地域で安心して生活できるよう、介護サービスや介護予防サービス、保険福祉サービス、日常生活の支援といった相談がきたときに、在籍する各専門分野の職員が対応しています。

介護保険の申請窓口も受け付けています。

役割が拡大化する可能性がある

近年、地域の抱える課題が複雑化しており、地域包括支援センターの役割が拡大化することが見込まれます。

たとえば、下記のような問題が挙げられます。

地域の抱える課題が複雑化している問題例
  • 子供や孫や引きこもっている
  • 1人暮らししている高齢者の孤独死増加
  • 障害者の高齢化に伴うサービスの不足
  • 老介護

本来、住み慣れた自宅でなるべく住めるように高齢者をサポートすることが役割ですが、上記のように超高齢化社会に伴って課題が複雑になっており、これまで以上に支援の手が必要になっています。

在宅医療と介護業界の連携の必要性が増すなか、地域包括支援センターができること、やるべきことが問われているのです。

地域包括支援センターの利用対象者

地域包括支援センター 利用対象者

地域包括支援センターの利用対象者は「対象地域に住む65歳以上の高齢者」「高齢者支援の活動に関わっている人」です。

「高齢者支援の活動に関わっている人」とは、介護職の人、高齢者の家族などを指します。

高齢者本人が認知症や寝たきりで話せず、自ら職員に説明や相談ができないケースでは、代理人を立てて相談できます。

もし、高齢者の家族が遠くに離れて暮らしている場合でも相談可能です。

ただし、高齢者本人が住んでいる地域に相談しなければならないため、間違って連絡や相談をしてきた場合は、正しい相談先を促す必要があります。

地域包括支援センター「4つ」の業務

地域包括支援センター 「4つ」の業務

地域包括支援センターで行われている業務は、以下の4つです。

地域包括支援センター「4つ」の業務
  1. 介護予防ケアマネジメント
  2. 総合相談支援
  3. 権利擁護
  4. 包括的・継続的ケアマネジメント支援

一つずつどのような業務を行うのか解説していきます。

【業務1】介護予防ケアマネジメント

介護予防ケアマネジメントとは、要支援と判断された高齢者、支援・介護がこの先必要となる可能性が高い人が、自立した生活を継続できるように支援を行う業務です。

介護認定審査により「要支援1」「要支援2」の認定を受けた高齢者に「介護予防ケアプランの作成」「状況の把握と課題の分析」を行います。

【状況の把握と課題の分析項目】
  • 移動範囲・移動能力(歩行状態・交通機関を利用できるか)
  • 日常生活の状態(どのように生活しているか)
  • 社会参加・対人関係・コミュニケーション(周辺に住む人と築いている関係性・社交性の有無)
  • 精神面を含む健康管理(うつや認知症などの病気の有無)

上記をチェックし、近い将来、介護が必要になると思われる高齢者には以下のような形で支援を行います。

【支援内容】
  • 運動機能・口腔機能の向上
  • 摂取している栄養の改善
  • 家の閉じこもり予防
  • うつ・認知機能低下予防 など

ちなみに、介護認定で「非該当」もしくは「要介護認定未申請で、介護予防に取り組んで行きたいと考えている高齢者」には、介護予防教室を開いて対応しています。

【業務2】総合相談支援

総合相談支援とは、高齢者に関連するさまざまな相談に対応する業務です。

必要に応じてサービスや施設の利用、制度を紹介します。

対応している具体的な相談内容には「最近〇〇さんを見かけていないから心配」「妻(夫)に認知症と思われる症状がある」「息子と同居したが慣れていない街で友達がいないので寂しい」などがあります。

それぞれの相談内容への対応例
  • 見かけないといった相談→実際に訪問に行って安否確認を行う
  • 妻(夫)に認知症と思われる症状がある場合→医療機関や介護制度を案内する
  • 友達が欲しいという相談→地域のカルチャーセンターや交流スペースを案内する

相談事例

社会福祉法人阪南市社会福祉協議会のサイトに掲載されている相談事例を紹介します。

地域包括支援センターの窓口を訪れたAさんからの相談内容は「妻に認知症と思われる症状が出てきた」というものでした。

Aさんは以前、物事を整理する職業だったこともあり、奥さんの変化を日記風にワープロで日付と認知症と思われる症状やできなくなっていった出来事を綴っていたとのこと。

しかし、相談者のAさんの表情に暗さが感じ取れなかったため、職員は「一緒に課題を解決する方法を探すために来た」と悟り、方向性を見出すための話し合いをすることで対応しました。

参考)
相談事例~認知症。日記に綴られた、できないこと、できること~(社会福祉法人阪南市社会福祉協議会 )

【業務3】権利擁護

権利擁護とは、高齢者が安心して生活するためにさまざまな権利を守る業務です。

「虐待の早期発見・防止」「金銭搾取や詐欺から守る」ことが含まれています。

虐待防止業務は、虐待を受けている本人やその家族からの相談だけでなく、近所に住む方からの報告も受け付け対応しています。

金銭搾取や詐欺から守る業務のひとつが「成年後見制度」の手続き支援です。

成年後見制度とは
認知症の発症などにより金銭管理や法律上の手続き、介護保険サービスの契約手続きが困難な方のための制度。
周囲の人に後見人となってもらい、高齢者の財産を不当な契約や詐欺から守ることを目的としています。

権利擁護業務とは、高齢者の命を守ったり制度利用の助言を行ったりする、非常に大切な仕事です。

【業務4】包括的・継続的ケアマネジメント支援

包括的・継続的ケアマネジメント支援とは、担当地域のケアマネージャーをサポートする業務です。

ケアマネージャーの研修会実施、ケアマネージャーの仕事をサポートを主に行います。

たとえば、ケアマネージャーだけでは対応できない医療関連の相談が来たケースでは、在籍する看護師が、相談者にアドバイスや指導を行っています。

また、地域ケア会議を開催し、自立支援型ケアマネジメントを支援することも仕事のひとつです。

地域包括支援センターで働ける職種

地域包括支援センター 働ける職種

地域包括支援センターで働ける職種は3つあります。

地域包括支援センターで働ける職種
  1. 保健師(看護師)
  2. 社会福祉士
  3. 主任ケアマネージャー

それぞれの職種が担当する仕事内容を紹介します。

保健師(看護師)

保健師(看護師)は、介護予防マネジメントを主な担当としています。

セミナーや予防対策教室の開催、介護予防事業プランの作成を行い、要介護状態への予防や身体状況の悪化を予防するのが仕事です。

社会福祉士

総合相談や支援、高齢者の権利擁護を主な担当としています。

自宅や施設などを訪問して高齢者の状況チェック、1人暮らしの高齢者の安否確認も大切な仕事です。

主任ケアマネージャー

介護関連の相談を全般的に対応するのが主な担当です。

高齢者本人などの訪問者、事業者と連携してケアマネージャーの支援を行います。

地域包括支援センターに関するまとめ

地域包括支援センターの役割は、高齢者が安心かつ安全に過ごせるための総合窓口です。

高齢者に関する相談であれば幅広く受け付けています。

働けるのは保健師(看護師)、社会福祉士、主任ケアマネージャーであり、それぞれ得意分野を受け持ち専門家として対応にあたります。

興味のある方は、就職先の候補として検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

ふくしこみゅ編集部
今後ますます需要が高まる「介護職」。すでに介護職の方にも、これから介護職になりたい方にも役立つ情報をたくさん発信しています。
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この記事を監修した人

医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。

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