介護士として働く人々は、私たちの生活を支える重要な仕事をしています。
しかし、介護士の給料と仕事内容が見合わないといった不満の声を耳にすることもあります。
これから介護士を目指す方、またはすでに介護士として働いている方は、介護士の給料の現状を把握し、今後どのように変化していくかを予測することが大切です。
本稿では、介護士の給料の実態を把握し、今後の変化を予測し、給料アップのための方策を提示します。
さらに、安定した収入を確保するためのポイントについても考察していきます。
ご興味のある方は、ぜひご一読ください。
介護職の給料の現状を把握する
介護職の給料は経験値や専門分野、地域性などの要因が基本給に影響することがあるため、大きく差があります。
例えば、認知症ケアや糖尿病管理など特定の分野に特化した中堅介護士は、特定の専門分野を持たない初級介護士よりも高い給料が期待できるのが一般的です。
また国によって給料は違います。下記は国それぞれの平均年収です。
- 日本の介護職の平均年収は約360万円
- 韓国の介護職の平均年収は約162万〜292万円
- ドイツの介護職員の平均年収は約430万円
- オランダの介護職員の平均年収は約300万〜400万円
- フランスの介護職員の平均年収は約240万〜324万円
上記の年収を見ると日本の介護職の年収はドイツやオランダに次ぐ水準となっていることがわかります。
ただ、ドイツは物価が高いので実質この例であげている国で見ると、日本はオランダに次ぐ2位といえます。
介護職の給料は今後どんどん上がっていく
専門家の予測によると、様々な要因から介護士の給料は今後上昇するといわれています。
上昇するといわれている主な原因は高齢化です。
高齢者の割合はどんどん増えていることから、介護士の需要もますます高まるでしょう。
需要が増えれば、需要と供給の関係で、介護士の給料はどんどん上がっていくことが予想されます。
さらに、介護職の給料は、社会的影響が作用する可能性もあります。
United for Respectなどの団体は、介護労働者の給与改善や職場の保護に取り組んでいます。十分な世論の圧力と認識があれば、政治的・経済的な変化により給与の上昇が見られるかもしれません。
また、過去の推移を見ても介護士の年収は年々上昇しています。
2017年の平均給与額は302,550円に対して、2021年は328,720円と3万円弱も上がっています。
また、2022年にも介護士の給料が9000円UPされています。
このことからも、介護士の年収は今後も上がっていくと予想できます。
厚生労働省の「介護人材確保に向けた取り組み」によると、介護職員は2023年には約22万人もの人員が必要になる見込みです。
これからも少子高齢化が進み、介護士はさらに足りなくなるので、ほぼ確実に給料は上がるといっても良いでしょう。
介護士が給料を上げるためにできること
介護職として給料を上げる最も効果的な方法の一つは、資格を取得し、特定の分野に特化することです。
資格の取得には努力と献身が必要ですが、長い目で見れば報われるでしょう。
また、多くの雇用主は介護士の資格取得を支援するための研修などを提供しています。業界の最新動向やトレンドを常に把握することで、自分の専門性を証明し、雇用主に対する自分の価値を高めることができます。
給料を上げるもう一つの方法は、できるだけ多くの利用者さんを引き受けることです。
複数の利用者さんを担当することで、収入を大きく増やすことができます。
しかし、この仕事量をきちんとこなせるための管理能力スキルを身につけることが前提です。あまりに忙しすぎて、すべてのクライアントに質の高いケアを提供できなくなると、元も子もありません。
他には、介護職として勤務年数を重ねる、より良い条件の職場へ転職するなどがあります。
介護職の収入を安定させるためのポイント
介護で安定した収入を確保するためには、あるステップを踏むことが大切です。
まず、資格を取得したり業界の最新情報を得たりしながら専門性を身につけましょう。
2つ目は、複数の利用者さんを担当することです。担当する利用者さんの数が増えることで、安定した収入源を確保しながら介護士としてのスキルや経験を伸ばすことができます。
ただし、複数のクライアントを抱えると体の負担が大きくなるため、自分の体調管理には注意しましょう。
また、収入を安定させるため、適切な条件を整えることが大切です。
適切な条件とは、自分が気持ちよく働ける環境づくりのことです。
自分の価値を認めてくれる職場で、信頼できる仲間とともに仕事ができれば、介護の仕事を長く続けられることができ、結果的に安定した収入に繋がります。
さらに、介護士としてのキャリアアップを目指す方は、資格取得やスキル習得をサポートしてくれる事業所を選ぶと良いでしょう。
自分の興味を追求したり、希望するライフスタイルを維持したり、または必要なお金を稼いだりするための一つの手段としては、フリーランスや契約社員として働くという選択肢もあります。
介護士にもさまざまな働き方があり、その働き方は自分で自由に選ぶことができるのです。
このように、介護士は、働き方や資格の取得など工夫することで、長期的に安定した収入を得ることができます。
介護士は将来性の高い仕事
介護士の給料は年々上がっており、今後もますます上昇することが予想されます。
これは、高齢者の増加にともない、介護士の需要が高まっていることが要因です。
「給料が安い」とネガティブなイメージを持たれがちな介護職ですが、現状はどんどん改善されつつあります。
また、介護職は、資格を取得したり、スキルアップをしたり、もしくは複数の利用者さんを担当したりすることで、自力で給料を上げることができる職種です。
年齢や性別、学歴など関係なく、自分の努力次第でいくらでもキャリアアップをしていくことができます。
介護現場では、専門性が高く、思いやりのある介護士が常に必要とされています。
ご自身の今後の将来を考えたときに、介護職に転職するという手段も一つの選択肢になるのではないでしょうか。