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「認知症ケア専門士」とは?合格率や更新に必要な単位についてくわしく解説!

介護業界で仕事をしている方なら「認知症ケア専門士」の資格を一度は耳にしたことがあるでしょう。

しかし「聞いたことはあるけれど詳しくは知らない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では認知症ケア専門士の概要、合格率、また更新に必要な単位についてくわしく解説します。

認知症ケア専門士について興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

認知症ケア専門士の概要

認知症ケア専門士の概要

認知症ケア専門士とは、認知症の専門知識と技能を身につけ、高い倫理観をもった認知症ケアが実践できることを証明する民間の資格です。

資格保有者の多くは、介護士、ケアマネ、看護師など、仕事で認知症の深い理解を必要とする方です。

【認知症ケア専門士】受験資格


認知症ケア専門士を受験するには、受験する年から遡って10年以内に3年以上認知症ケアの実務経験があることが必要です。

実務経験は認知症ケアに携わっていれば職種や職務内容は問われません。

なおボランティアや実習は実務経験の対象とはなりません。

【認知症ケア専門士】試験内容


認知症ケア専門士の試験は1次試験と2次試験があり、1次試験の合格者のみが2次試験に進めるシステムです。


2次試験に合格したら必須の倫理研修を受講し、登録申請を行うと晴れて資格取得となります。

【認知症ケア専門士試験】2023年度 第19回

  •      第1次試験:WEB試験

一次試験はWEBで行われ、自宅のパソコンなどで試験を受けます。
4分野に分かれ、問題数は下記 の(1)~(4)で各50問、合計で200問です。

合格するにはすべての分野で70%以上正答が必要です。
問題数が多く、1日がかりのためハードな試験です。

(1) 認知症ケアの基礎         9:30~10:30
(2) 認知症ケアの実際Ⅰ:総論   11:10~12:10
(3) 認知症ケアの実際Ⅱ:各論   13:30~14:30
(4) 認知症ケアにおける社会資源  15:10~16:10

  •    第2次試験:論述問題

認知症ケアについて3題の事例が提示され、事例ごとに自分の意見を400字~600字にまとめて期日までに郵送します。

認知症ケア専門士の合格率

認知症ケア専門士 合格率

過去5年の認知症ケア専門士試験の合格率は以下の通りです。

催年合格率
第17回試験 (2021年)53.7%
第16回試験 (2020年)56.5%
第15回試験 (2019年)53.3%
第14回試験 (2018年)54.7%
第13回試験 (2017年)56.5%

合格率は50%を超えて推移しています。この合格率をどうとらえるかは人それぞれです。

「ケアマネや他の福祉系の資格と比べたら合格率はやや高い」と思う人もいれば「民間の資格なのに50%の合格率は低い」と考える人もいます。

認知症ケア専門士の試験は、専門性が高く学習範囲も多岐にわたります。

また自分の考えをまとめる論述もあり、論述に苦手意識を持つ人も多く、難易度は高いと言えるでしょう。

更新に必要な単位

更新に必要な単位

認知症ケア専門士は5年ごとに更新があり、更新するためには講座や学会に参加して単位を取得しなければなりません。

更新までの5年の間に30単位を取得する必要があります。

単位取得の方法について

単位取得の方法は3つあります。

  1. 学術集会等への参加
  2. 生涯学習プログラム等への参加
  3. 機関誌等への論文発表

なお更新に必要な30単位のうち20単位は、①・②から取得するという条件があります。

③の論文発表で認められるのは最高で10単位までです。

①と②のみで30単位取得しても更新可能です。

学会や講座に参加して取得できる単位数

日本認知症ケア学会が主催、または認定する学会や講座に参加することで単位が取得できます。

1回の参加で取得できる単位数は以下の通りです。

①学術集会等への参加

学会名称等参加して取得できる単位数発表者や座長・司会等を務めプラスされる単位数
日本認知症ケア学会大会83
日本認知症ケア学会ブロック大会73
国際学会(認定委員会承認)62
学会等(認定委員会承認)32

②生涯学習プログラム等への参加

講座の種類参加して取得できる単位数発表者や座長・司会等を務めプラスされる単位数
教育講演国際セミナー等 (認知症ケア学会主催)53
講演等(地域部会主催)53
講演等(認定委員会承認)1~31
認知症ケア学会ホームページ(動画サイト)において受講できる講演1(1年で最大5単位まで)
認知症ケアに関する施設内研修等1(1年で最大5単位まで)
認知症ケアに関する研修会等での講師活動など(地方自治体等が主催)1(1年で最大5単位まで)

なお単位数は講座の開催時間によって変わるため、確認が必要です。

論文発表で取得できる単位数

論文発表はかなりハードルが高いため、資格更新の手段として考えるのは難しいかもしれません。

発表したいテーマを持っている人が論文に挑戦し、単位は後からついてくるものと考えた方がいいでしょう。

③機関誌等への論文発表

取得できる単位数(論文筆頭者)取得できる単位数(論文共著者)
 ①認知症ケア学会の機関誌 「日本認知症ケア学会誌」 「認知症ケア事例ジャーナル」  に投稿した論文掲載された論文82
掲載されなかった論文41
 ②認知症ケア学会の機関誌以外      に投稿した論文 (認定委員会が承認)掲載された論文(原著)41
掲載されなかった論文31

資格取得前に知っておきたいこと

資格取得前に知っておきたいこと

認知症ケア専門士の資格を取得する前に知っておきたいことは、更新制の資格であるということです。

5年ごとに更新が必要なため、資格を維持していくためにはお金と時間がかかります。

まず更新費用として10,000円が必要です。
そして単位取得のため学会や講座への参加にもお金がかかります。

参加費は学会や講座の内容によって違います。
たとえば1単位取得に1500円かかる講座があるとして、単純計算で45,000円程度の参加費になります。

開催場所が遠い場合は、交通費も高額になります。
宿泊が必要になる場合もあります。

認知症ケア学会に入会することで参加費が割引きになる場合もありますが、学会の会費は1年で5,000円、5年で25,000円です。

またお金だけではなく時間もかかります。

仮に1単位1時間として最低でも30時間は自分の時間を使う必要があります。
参加への準備や移動時間もあるため、実際にはもっと時間がかかることになります。

資格の維持にはお金と時間がかかることを理解した上で、資格取得を検討する必要があるでしょう。

認知症ケアのプロという証明

認知症ケアのプロという証明

超高齢社会の中、認知症高齢者は今後も増えていくと予想されています。

認知症ケア専門士は、専門的な知識と技術を身につけた認知症のプロである証明です。

資格を取得することで信頼度はアップし、頼られる存在として活躍できるでしょう。

認知症高齢者が増える中で、必要とされている認知症ケア専門士について興味を持たれた方は、資格取得について検討されてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

ふくしこみゅ編集部
今後ますます需要が高まる「介護職」。すでに介護職の方にも、これから介護職になりたい方にも役立つ情報をたくさん発信しています。
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この記事を監修した人

医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。

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