「第36回の介護福祉士国家試験の難易度は高かった?」
「国家試験の難易度は独学や社会人といった環境でも変わるの?」
このような疑問や不安を持っている方は多いのではないでしょうか。
国家試験というと、難易度が高く合格が難しいように思えますよね。
結論からお伝えすると、合格率は年々上がっており第36回の合格率も高いので難易度は高くありません。
以降で、詳しく難易度や合格率、社会人や独学で難易度は変わるのかについて解説します。
【第36回】介護福祉士国家試験の試験概要
第36回の介護福祉士国家試験の試験概要を紹介します。
受験資格
受検資格は4つのルートによって異なります。
養成施設ルート
指定された指定された養成施設などに2年以上通い卒業することで、介護福祉士国家試験の受検資格を得られます。
実務経験ルート
3年以上の実務経験を積んだのち、実務者研修または介護職員基礎研修を受けることで、介護福祉士国家試験の受検資格を得られます。
福祉系高校ルート
福祉系高校(2009年度以降入学)で、履修必須科目と単位を取得し卒業することで、介護福祉士国家試験の受検資格を得られます。
経済連携協定ルート
EPA介護福祉士候補者に選ばれたのち実務研修を3年以上積むと、介護福祉士国家試験の受検資格を得られます。
資格取得までのルート
<平成29年〜令和8年度に卒業した場合>
受験する方は筆記試験を受け、合格すると資格を取得できます。
<令和9年度以降に卒業した場合>
筆記試験を受けて合格すれば、資格を取得できます。
試験概要
第36回の試験概要は以下の通りです。
受験申し込み受付期間 | 令和5年8月9日〜9月8日 |
筆記試験日 | 令和6年1月28日 |
実技試験日 | 令和6年3月3日 |
【第36回】介護福祉士国家試験の難易度は?
介護福祉士国家試験の難易度は、それほど高くありません。
しかし、第36回から出題基準が変更されるため、しっかりと確認して対策しないと合格は遠のいてしまいます。
第35回の合格率と合格人数
第35回の合格率は84.3%で、合格人数は受験人数79,151人のうち、66,711人が合格しました。
ちなみに、第34回は合格率が72.3%でしたので、合格率は上がっています。
合格率が上がっていることや合格率が高いことから「自分も頑張れば合格を目指せる」ということがわかってもらえたのではないでしょうか。
第36回の合格ライン
第36回の合格ラインは、筆記試験、実技試験ともに125満点中60%の点数を得ることです。
加えて、下記のなかで一つでも得点がない項目がある場合、不合格となります。
- 人間の尊厳と自立、介護の基本
- 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
- 社会の理解
- 生活支援技術
- 介護過程
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
- 総合問題
実技試験においても、125満点中60%の点数を得る条件を満たした上で、課題の難易度に応じて補正した点数以上の得点を獲得しなければ合格とはみなされません。
注意!第36回から出題基準・問題数・科目の並びが変更
第36回から下記3点が変更されました。
- 科目の出題基準
- 科目の出題数
- 試験科目の並び
「リーダーシップやフォロワーシップ、認知症ケアや地域ケア、介護過程の学習内容の充実度アップ」という方針のもと、出題基準が決定することとなりました。
科目の出題数については、科目によって増えたり減ったりしています。
- 人間関係とコミュニケーション:6問→8問
- コミュニケーション技術:8問→6問
試験科目の並びについては、介護の領域が午後に変更され、医療的ケアが午前に変更されました。
【環境別】介護福祉士国家試験の難易度は高いのか
環境によって介護福祉士国家試験の難易度は変わるのか、高くなるのか不安になっている方に向けて解説します。
結論からお伝えすると、合格の難易度は環境で大きく変わるとはいえません。
しかし、勉強のしやすさでいう難易度は変わるといえます。
社会人にとって難易度は高い?
社会人だからといって、国家試験に合格する難易度が高くなることはありません。
ただし、勉強時間の確保における難易度は高いといえるかもしれません。
介護は全身を使う仕事ですので、疲れが溜まって勉強する元気が出なかったり、まとまった時間の確保が難しかったりしがちです。
社会人が合格率をあげるポイント
体力面や時間の面において、勉強の時間を作ることはハードルが高く感じやすいです。
勉強のハードルを下げるコツとして、休憩時間や通勤時間をうまく活用することが挙げられます。
1時間以上の勉強を仕事前や仕事後に作ろうとすると、どうしてもハードルが上がってやる気が出ないでしょう。
しかし「数分でも勉強すればいい」と考えると、勉強へのハードルは下がります。
勉強は、問題を解くだけではありません。
独学は講座の受講者よりも難易度が高い?
独学のほうが講座の受講者よりも合格の難易度は高いかといわれると、若干の差で講座の受講者のほうが難易度は下がるかもしれません。
その理由は、わからないことは講師が教えてくれるからです。
独学だとそうはいきません。
わからないことは自分で調べて解決しなければならず、本当にこれでいいのか不安が残りやすいでしょう。
独学の人が合格率をあげるポイント
独学で勉強を進める方が合格率をあげるポイントは「参考書や問題集のわかりやすさ」「試験までに全範囲の勉強を終わらせられるか」にかかっています。
参考書の言い回しが複雑であったり、問題集の解説がわかりにくかったりすると内容を理解しづらいです。
また、試験までに全範囲の勉強を終わらせられるかどうかも重要です。
筆記試験は、125点満点中60%の正解率をあげ、尚かつ全項目において1点でも得点を獲得することが合格ラインだからです。
計画的に勉強を進め、すべての項目の勉強を当日までに完了させましょう。
【第37回】介護福祉士国家試験の「試験・受験申込み日」の予定日
現在予定されている第37回の介護福祉士国家試験の試験・受験申込み日の案内です。
受験申し込み受付期間 | 令和6年7月上旬頃 |
筆記・実技試験日 | 令和7年1月下旬・令和7年3月上旬 |
上記の日付で予定されていますが、見ての通り非常に大雑把な情報しかわかっていません。
詳細が固まっていないため、予定が変更される可能性が十分にあります。
最新情報をこまめにチェックしてください。
第36回介護福祉士国家試験は難易度高くないが十分な対策は必要
第36回介護福祉士国家試験は、合格率が84.3%あるため難易度は高くありません。
しかし、第35回から出題傾向が変わっているため、34回までの対策ができる参考書や問題集を解いても対策は不十分ですので注意が必要です。
また、社会人や独学といった自分を取り巻く環境によって、勉強の進み方が芳しくない状況になる可能性もあります。
社会人か独学かで難易度は変わりませんが、勉強のコツを押さえて試験対策をしていく必要はあるでしょう。