認知症は高齢者がなるものと考えている方は非常に多いです。
しかし、10代・20代で若年性認知症を発症する可能性があります。
18歳から65歳未満の方が発症する認知症を若年生認知症といいます。
日本では若年性認知症を発症している方は約3万5千人と統計がされており、人口10万人で計算すると50人の割合です。
働き盛りの若い方の発症は経済的に生活が困難になりやすく、困る方が多くいるのが現状です。
この記事では、10代・20代の若年性認知症の主な症状について解説をします。
ぜひ参考にしてみてください。
若年性認知症になる主な要因
若年性認知症は遺伝的要因によるものや、生活習慣が大きく関わって発症するケースがあります。
若年性認知症になるリスクが高い4つの要因を紹介します。
遺伝的要因
若年性アルツハイマー型認知症は、遺伝的な要因があるとされている認知症です。
若年性アルツハイマー型認知症は60歳までに発症する特徴があり、比較的若い時期になりやすいです。
アルツハイマーのほとんどは、特定の遺伝子が要因と考えられています。
薬物乱用
若年性認知症の要因とされているものに薬物の使用も挙げられます。
薬物の使用は、正しい使い方をしていれば問題はありません。
医薬品を本来の使用方法や容量を守らず服用したり、医薬効果のない薬を違法に使用することを薬物の乱用と表現されます。
薬物の乱用は、脳を萎縮させる要因となり、結果として認知症を引き起こす可能性があります。
タバコや酒
趣向品も度が過ぎると危険です。
嗜む程度の飲酒であれば問題はありません。
しかし大量飲酒をすれば脳が萎縮することにもなり、認知症のリスクが高まります。
喫煙も脳を萎縮させる要因となります。
禁煙や飲酒量を減らすことは認知症予防に有効な手段です。
生活習慣
日々の生活にも注意が必要です。
生活習慣病は認知症の発症リスクを高める可能性があります。
特に血圧が高い人だと、高血圧が原因で血管が詰まることで血管性認知症になることもあります。
日々の生活を見直すことは認知症だけでなく、糖尿病などの病気も回避できるので気になる方は少しづつ改善することが大切です。
以上が若年性認知症の要因になります。
遺伝的な問題以外は改善が自分でもできるので、意識して生活をしてみることも大事です。
若年性認知症の初期症状
若年性認知症の症状は脳神経の壊死により、少しづつ認知機能が低下していきます。
初期に起こる症状について解説をします。
記憶障害
記憶障害は特に若年性アルツハイマー型認知症に多くみられる症状です。
若年性アルツハイマー型認知症になると、10代・20代の方でも新しく知識を身につけるのは大変です。
一般的に記憶に残すには、一部の覚える箇所を何度も読み書きをすることが必要になります。
しかし認知症の記憶障害の場合は一部を忘れるのではなく、経験したことをゴッソリ忘れてしまいます。
後から思い出せる物忘れとは大きく異なり、直近でご飯を食べたことも思い出せなくなるのが辛い部分です。
認知症の方と会話が噛み合わないと感じるのは、経験したことを忘れる記憶障害によるものが多いです。
見当識障害
認知症状が現れると、人の認識・場所・時間ができなくなっていき、これらの症状を見当識障害といいます。
以下が代表的な例です。
- 夜中に昼と勘違いして行動してしまう
- 夏に冬の装いをしてしまう
- 自分の家の近所で迷ってしまう
この症状が出る原因は、判断力の低下です。
理解力や判断能力の低下は、予測を立てることが困難になります。
物事の順序を正しく理解できなくなり、日常生活にも支障が出ることから家族や本人も違和感を覚えます。
具体的には料理やリモコンの操作が難しくなり、本人の感情の起伏が激しくなることも特徴です。
感情の起伏が激しくなることは脳の萎縮によって、自分の感情を自制できなくなることが要因です。
若年性認知症の中期症状
認知症が進行していくと初期より顕著に現れる症状があります。
代表的な症状を4つ紹介していきます。
うつ症状
例えば主婦の方だと、献立がうまく作れない、料理ができなくなるなどが多いです。
今まで出来ていたことができなくなることは、自信を失い意欲が湧かなくなります。
自発性も低下し、落ち込んだり、何か変えないといけない焦燥感にも駆られたりして精神的に疲弊し不安定になりやすいです。
妄想症状
ものを取られたように感じる症状は、認知症における妄想の代表例です。
特に若い方が認知症になった時に自尊心が傷つきやすく、他人のせいにすることも見られます。
自分がミスをしてしまったことを他人にすり替えて妄想の中でストーリーを作り、本当のことのように話します。
プライドの高い人に顕著に出やすく、本人にも悪気がないことが特徴です。
幻覚症状
幻覚症状も認知症の特徴です。
実際には誰もいなくても、そこにいるかのように会話をしたりします。
幻覚症状には波があり、いつも見えないものが見えているわけではなく本人の状態にも左右されます。
本人の中ではリアルに感じているため、否定せずに対応することが大切です。
徘徊症状
家族様が1番苦労されるのが、徘徊症状です。
本人は特別な用事があると思い込み、外や家の中をウロウロすることが特徴です。
高齢の方だと、家の中でも転倒してしまうと骨折などの外傷、外出して家に戻れなくなる、などが多くあります
例えば、電車で職場に通っていた人だと電車に乗り、自分でもどこに向かっているか分からなくなり家族も捜索に苦労するなどの事例もあります。
この症状が出始めたら、すぐにでも介護サービスや地域包括の方に相談することをオススメします。
認知症の予防方法
認知症は生活習慣によって発症のリスクを抑えることが可能と言われています。
誰でも行うことができるので、参考にしてみてください。
- 健康的な食事
- 日常的な運動
- 頭の運動
適度な運動や頭の運動は脳を使うので活性されて、認知症のリスクを下げることが期待されます。
頭の運動は音楽を聴いたり、本を読むなど、ぼーっとする時間を減らすことも目的です。
健康的な食事も大事ですが、美味しい・不味いといった味覚を感じることも大切です。
活力があれば、何かしたい意欲にも繋がります。
友達や家族ともコミュニケーションを図り、感じたことや、したいことなどを話せる関係にあると不安やストレスも解消されます。
思ったことを吐き出す場所も時には必要です。
10代・20代でも若年性認知症に罹る可能性は十分にある
認知症は高齢者の症状にあると思われている方が多くいます。
しかし、認知症は病気でも疾患することもあり、若くして症状が出る方も少なくありません。
若年性アルツハイマー型認知症などは若くしてかかると進行が早く、完治はできないと言われています。
多くの方は認知症は老齢で起こる仕方のないものと認識されていますが、病気による認知症は普段の日常生活を整えるだけでリスクを大きく減らすことが可能です。
飲酒や喫煙を減らすことや、生活習慣の改善は認知症の他にも健康状態の改善にも繋がります。
そして生きる目的をつくることも大切です。
趣味や目標をつくることで日々の意欲を高めて、周りとの関係性をつくり、脳の活性を促すことも予防になります。
まずは認知症がどんな病気なのか?を理解しておくことも大事です。