介護業界への就職や転職に興味がある人は、「介護士」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、弁護士や税理士のように「介護士」という資格は存在しません。
そのため、実は未経験や無資格でも介護士として働くことができます。
ただし、多くの介護従事者は、介護に関連する資格を取得することに積極的です。
なぜなら、資格を取得することで様々なメリットが得られるからです。
ですが、介護に関連する資格は種類が多く、取得方法も様々です。
特に未経験の人にとっては、どの資格を取ればいいのか判断することは難しいでしょう。
この記事では、おすすめの資格とその取得方法・費用を紹介します。
自分の目標や状況に合わせて適切な資格を選ぶために、ぜひこの記事を読んでみてください。
介護士におすすめの資格3選
介護士におすすめの資格として「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務研修」「介護福祉士」の3つを紹介します。
「介護職員初任者研修」は無資格・未経験者でも取得でき、最初に取得する資格としておすすめです。
次に「介護福祉士実務研修」は介護職員初任者研修と比べより実践的な内容なので、介護士としてステップアップするのに最適です。
最後に「介護福祉士」は介護士の資格として最上位になります。
介護士の仕事を極める上で1つのゴールとなる資格です。
それでは、それぞれの内容を具体的に見ていきましょう。
介護職員初任者研修
未経験者におすすめの資格は「介護職員初任者研修」です。
この資格は厚生労働省が認定する資格であり、介護の入門資格ともいわれています。
介護職員初任者研修では介護の仕事に必要な基礎的な知識や技術を身につけることができます。
また、他の資格へのステップアップも可能です。
この資格は、あなたの介護士としての第一歩を後押ししてくれるでしょう。
メリット
この資格を取得することで、以下のようなメリットがあります。
- 介護の知識を身につけることができる
- 職場選択肢が広がる
- 着実なキャリアアップが狙える
未経験でも安心して働きはじめられる
介護職員初任者研修では、介護の現場で必要とされる基本的なケアやコミュニケーションスキルを学ぶことができます。
つまり、介護業界が未経験でも安心して働くことができます。
職場の選択肢が広がる
介護職員初任者研修の資格を取得することで、訪問介護のように1人で介護をする職場でも応募可能になります。
資格がなくても介護士として働くことは可能ですが、資格がないと働く選択肢が狭まります。
着実なキャリアアップが狙える
介護職員初任者研修の資格を有することで、実務者研修など上位資格にステップアップできます。
実務者研修を取得し実務経験を3年以上積むことで、介護福祉士資格取得試験に挑戦することができます。
取得方法
介護職員初任者研修の取得方法として、民間の介護スクールで受講する方法が一般的です。
通学だけで取得する方法と、通学と通信講座を併用して取得する方法の2つがあります。スクールによっては最短14日間で資格を取得できるコースもありますが、1か月から3か月程度で修了するコースが多いようです。
夜間のみ、平日の日中のみ、土日のみ、通信講座との組み合わせなど、スクールによってさまざまなコースが用意されているので、自分に合うスケジュールを考えてコースを選びましょう。
費用
介護職員初任者研修の費用は、提供するスクールや地域によって異なります。
一般的には5万円から10万円程度が相場で、スクールによっては3万円から8万円程度の差があるようです。
スクールによっては、キャンペーンを実施している場合があり、通常よりも安く受講できる機会があります。
また、厚生労働省から補助金が出ているため、スクールが補助金を受け取っている場合は、受講者に負担する費用が安くなることがあります。
具体的には、介護職員初任者研修の受講費用と教材費の合計額の2分の1を限度に、5万円までの補助金が交付される場合があります。
最終的な費用については、研修を提供するスクールに直接問い合わせるか、自治体の担当部署に相談することをおすすめします。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位に位置づけられる資格(研修)であり、介護福祉士国家資格の受験要件の一つです。
実務者研修課程を修了することで、介護に関する専門的な知識と実践的な技術を習得でき、より質の高いケアを提供することができます。
また、介護福祉士試験の受験資格が得られたり、待遇の向上や就職・転職に有利に働いたりする資格でもあります。
取得方法
介護福祉士実務者研修は、初任者研修と同様に民間の介護スクールで受講する方法が一般的です。
通信講座と通学講座の2つがあり、働きながら取得する場合には、通信講座がおすすめです。
なお、通信講座でも通学が必須の科目があるため、スクールが通学可能な範囲か、通学日程は通える日時なのか確認するとよいでしょう。
実務者研修は介護職員初任者研修の有無によって取得できる期間が変わります。
介護職員初任者研修を有している場合は、最短で2カ月程度で取得できます。
無資格の場合は、450時間(6カ月)の研修が必要です。
また、実務者研修は一定のカリキュラムを受講することで取得できます。
特別な資格試験はなく、研修中に定期的に筆記試験やレポートの提出が求められます。
費用
実務者研修の取得費用は、保有資格によって異なります。
無資格の方が受講する場合は、13万円~20万円程度の費用がかかります。
一方、初任者研修資格を持っている場合は、8万円~15万円程度で受講可能です。
また、介護職員基礎研修やホームヘルパー2級・1級の資格を持っている場合は、一部の科目が免除されるため、その分の受講料も免除されることになります。
また、スクールによって受講費用が異なることもあります。地域によっても価格帯が異なるため、複数のスクールを比較することが大切です。
介護福祉士
介護福祉士とは、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修の上位資格です。
また、介護資格で唯一の国家資格であり、介護士の資格としては最上位とされています。
さらに、福祉系三大国家資格の一つであり、社会福祉士や精神保健福祉士と並び、名称独占資格であることから、介護に関する高度な専門知識や技術を持つ人材としての証明になります。
取得方法
介護福祉士の取得方法は、大きく分けて「実務経験ルート」「養成施設ルート」「福祉系高校ルート」の3つのルートがあります。
まず、実務経験ルートとは、介護職員として3年以上の実務経験(従業日数540日以上)を積んだうえで、介護福祉士実務者研修を修了することが受験資格となります。
ただし、過去に介護職員基礎研修を修了した人は、喀痰吸引等研修を修了すれば、実務者研修を受ける必要はありません。
また、実務経験ルートでは、実技試験は免除され、筆記試験のみを受けることになります。
次に、養成施設ルートとは、介護福祉士養成施設を卒業することで受験資格が得られます。
養成施設卒業後は、介護福祉士国家試験(筆記試験のみ)を受験することになります。
合格後は、社会福祉振興・試験センターに登録し、介護福祉士として働くことができます。
最後に、福祉系高校ルートとは、福祉系高校を卒業し、所定の研修・実務経験を積むことで、介護福祉士国家試験を受験できるルートです。
費用
介護福祉士を取得するための費用は、実務経験ルートでは10万円前後、養成学校ルートでは学費として100万円から150万円程度、福祉系高校ルートでは200万円から400万円程度かかるとされています。
資格を取得することで、快適な介護士ライフを送りましょう
この記事では、初任者研修、実務研修、介護福祉士の3つの資格を紹介しました。
介護士は、高齢者や障害者などの生活を支える大切な仕事ですが、低賃金や長時間労働、人手不足などの問題に直面しています。
そのため、資格を取得することで自分のスキルや知識を高めるとともに、キャリアアップや転職を通して給与や待遇面での優位性を獲得することができます。
あなたもぜひこの機会に資格取得に挑戦してみませんか?
自分の夢や目標に合った資格を選んでください。
そして、介護士としてさらに成長しましょう!