令和5年度の介護福祉士国家試験は令和6年1月28日に迫っています。
介護現場で働きながら勉強している方が多いため、思うように勉強が進まず焦っている方は多いでしょう。
しかし、あれこれ手を出して中途半端になるよりも、試験までの残りの日数が少ないからこそ、的を絞って効率よく勉強することが大切です。
そこで、1月28日の介護福祉士国家試験の筆記試験に向けて、過去問だけに絞った勉強方法について解説します。
過去問だけで合格できる!過去問だけに絞るメリット・デメリット
介護福祉士国家試験は、過去問だけで合格できます。
とはいえ、必ずしも全員が過去問だけで合格できるわけではありませんが、過去問だけの勉強方法で合格した人が多いのも事実です。
冒頭でも述べましたが、令和5年度の国家試験までは残りの日数が少ないです。
以下で、過去問だけで合格できる理由と、過去問だけに絞るメリット・デメリットについて解説していきます。
過去問だけで合格できる理由
よく「過去問をやっても同じ問題は出ないから、過去問をやっても意味がない」と聞きませんか。
たしかにまったく「同じ」問題は出ないですが「同じような」問題は繰り返し出題されています。
実際に、過去問に取り組むと同じような問題が多く見受けられます。
よって、過去問題で合格点を取れるようになれば、正式な試験でも合格点は十分狙えます。
過去問だけに絞るメリット
過去問だけに絞るメリットは、出題傾向や重要ポイントがわかること、また、試験問題に慣れて本番で落ち着いて問題を解けるようになることや時間配分の練習ができることもメリットです。
介護福祉士の国家試験は出題範囲が広いため、すべての科目を参考書などで最初の科目から順番に学んでいくのはかなり時間がかかり、非効率といえます。
過去問を繰り返し解くことで頻出する問題の傾向がつかめ、効率よく重要ポイントを学べます。
加えて、介護福祉士の国家試験は問題数が多く、時間配分に慣れておくことが重要です。
過去問を時間内に解くことで、時間配分や一問にかけられる時間を把握でき、本番で落ち着いて問題を解くことができます。
過去問だけに絞るデメリット
過去問だけに絞るデメリットは、過去問はその年によって難易度が異なることです。
過去問に慣れて過去問では合格点が取れるようになっても、実際の今年度の試験の難易度が高い可能性があります。
そのため、過去問に加えて、少し難易度の高い予想問題集などにも取り組むのが理想です。
しかし、基本的な重要ポイントは必ず出題されますし、解けない問題があっても合格点を取ることは可能です。
介護福祉士国家試験の出題範囲と合格基準など
介護福祉士国家試験の出題範囲と合格基準、合格率や合格点を確認しておきましょう。
出題範囲
試験問題は1問1点で125点満点のマークシート方式です。
出題範囲は13科目あり、以下の通りです。
- 人間の尊厳と自立
- 人間関係とコミュニケーション
- 社会の理解
- 介護の基本
- コミュニケーション技術
- 生活支援技術
- 介護過程
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
- 総合問題
合格基準、合格率、合格点
合格基準は60%程度を基準として、問題の難易度によって補正されます。
また、合格点に達していることに加えて、11科目群すべてで得点が必要です。
ひとつでも0点の科目があると合格点に達していても不合格になってしまうため注意が必要です。
なお、出題範囲は13科目ですが「人間の尊厳と自立」と「介護の基本」、および「人間関係とコミュニケーション」と「コミュニケーション技術」は1つの科目群の扱いのため、11科目群となります。
過去5年の合格率、合格点は以下の通りです。
受験者数 | 合格人数 | 合格率 | 合格点 | |
令和4年度(第35回) | 79,151人 | 66,711人 | 84.3% | 75点 |
令和3年度(第34回) | 83,082人 | 60,099人 | 72.3% | 78点 |
令和2年度(第33回) | 84,483人 | 59,975人 | 71.0% | 75点 |
令和1年度(第32回) | 84,032人 | 58,745人 | 69.9% | 77点 |
平成30年度(第31回) | 94,610人 | 69,736人 | 73.7% | 72点 |
過去問だけの勉強方法の進め方
上記の合格基準で説明しましたが、介護福祉士国家試験の合格基準は60%程度です。
70%以上正答できれば確実に合格できます。
過去問で正答率70%をめざして勉強を進めていきましょう。
過去問だけの勉強方法で合格するためには、以下のポイントがあります。
- 解説がわかりやすい、自分に合った過去問を用意
- 過去3年分を、最低3回は繰り返す
- 過去問を試験時間より短い時間で解いて、正答率70%をめざす
解説がわかりやすい、自分に合った過去問を用意
過去問題集を購入するときは、回答の解説がわかりやすいものを選びましょう。
解説が詳しかったり図が多かったり、自分で理解しやすい問題集を厳選しましょう。
おすすめは、解説の中で間違った選択肢についても解説があるものです。
なぜその選択肢が間違っているのか(合っているのか)、間違えやすいポイントが確認でき、理解が深まります。
なお、過去問は社会福祉振興・試験センターのサイトで無料で入手できますが、回答のみで解説はありません。
そのため、過去問は一冊は購入したほうがよいですが、サイトは問題が試験科目別に掲載されているため、出題傾向を把握するのに役立ちます。
過去3年分を、最低3回は繰り返す
過去問は、3年分を最低3回は繰り返しましょう。
- まずはひと通り解いてみる。1回目はあまり時間は気にせずじっくり考える。間違えた問題の解説を確認し理解する。間違えた問題に再チャレンジ。
- 2回目、3回目は試験時間内で解く。1回目と同様間違えた問題の解説を確認、間違えた問題へ再チャレンジ。
過去問を試験時間より短い時間で解いて、正答率70%をめざす
3回過去問を繰り返したら、試験時間よりも5分短めの設定で、できれば10分短めで解く練習がおすすめです。
本番は緊張したり焦ったり、いつもの実力が出し切れない可能性が高いです。
そのため、簡単な問題を間違えてしまったりケアレスミスをしてしまったりすることを想定し、スピーディーに問題を解く練習をしておいて、見直しの時間を確保できるとよいでしょう。
見直しで間違いに気づいて正解できた1点が合否を分けるかもしれません。
過去問だけでも合格できる!令和5年度の介護福祉士国家試験合格をめざそう
本記事では、介護福祉士国家試験に向けて、過去問だけに絞った勉強方法について解説しました。
介護福祉士国家試験は出題範囲が広いため、一般的には勉強期間は3か月から半年は必要だと言われています。
しかし、必要な勉強時間は人それぞれです。
半年前から余裕をもって準備ができればそれに越したことはありませんが、短期集中が向いている人、もともと現場で得た知識があり勉強時間が少なくて済む人などさまざまです。
国家試験も迫ってきているため、本記事を参考に過去問だけに絞った勉強法で、ぜひ合格をめざしてください。