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認知症ケア専門士とはどんな資格なのか?2023年度の試験概要も合わせて解説!

「認知症ケア専門士」は、聞いたことがあるけれどどのような資格なのかわからない方は多いでしょう。

また介護の資格は他にもたくさんあり、認知症ケア専門士の資格を取得するメリットはあるのかと悩む方も多いでしょう。

そこでこの記事では、認知症ケア専門士の資格の概要と2023年度の試験についても解説しますので、参考にしてください。

目次

 認知症ケア専門士とは

 認知症ケア専門士とは

認知症ケア専門士とは、認知症の専門的なケアの技術や知識を身につけられる資格です。

認定試験は認知症ケア学会が開催していて、認知症ケアの技術の向上と、保健・福祉に貢献することを目的としています。

認知症ケア専門士の資格を取得することで、認知症のプロとして幅広い知識や技術があることの証明になります。

 認知症ケア専門士を取得するメリット

認知症ケア専門士 取得 メリット

 認知症ケア専門士の資格を取得するメリットは以下のようなものがあります。

認知症ケア専門士を取得するメリット
  • 転職や就職がしやすくなる
  • スキルアップ、キャリアアップできる
  • 給与アップにつながる

ひとつずつ、解説します。

 転職や就職がしやすくなる

認知症ケア専門士の資格は、認知症ケアのプロとしてのスキルがある証明です。

認知症のケアはグループホームだけではなく、さまざまな介護現場で求められています。

そのため認知症ケア専門士の資格保有者は、現場でよりよいケアを実践し、新人や後輩の教育担当を担う役割が期待され、就職や転職に有利になる可能性が高いです。

また非正規社員から正社員をめざす場合も、専門性の高い資格を保有していることで、有利に働くでしょう。

スキルアップ、キャリアアップができる 

認知症ケア専門士の資格取得に向けて勉強することで、認知症への理解を深め、専門的な知識やスキルを身につけることができます。

認知症の正しい知識があることで利用者さんとより良い関わり方ができ、また最適なケアを行うことで認知症の症状の悪化を予防できます。

認知症の理解を深めれば、認知症の方への対応力や自身のケアの幅を広げることが可能です。

 給与アップにつながる

 認知症ケア専門士の資格を取得することで、給与アップが期待できます。

認知症ケア専門士の資格手当の有無は介護事業所によって差があります。

1,000〜5,000円程度の資格手当がある事業所もありますが、資格手当がない場合もあります。

就職・転職前に確認しましょう。

資格手当がない場合でも、資格を保持していることで役職に抜擢されたり教育担当を任されたりすることで、給与のアップが見込める可能性もあります。

認知症ケア専門士の試験概要

認知症ケア専門士 試験概要

認知症ケア専門士の試験の日程や試験内容、合格率などを確認しましょう。

 2023年の認知症ケア専門士認定試験について

 2023年の認知症ケア専門士の認定試験は1次試験が7月、2次試験が8月から9月で行われます。

1次試験はすでに終了しているため今年度の試験を受けることはできませんが、試験概要を把握して来年に備えましょう。

受験資格について

試験を受験するためには、過去10年間に3年以上認知症ケアの実務経験が必要です。

受験資格を満たしていれば、介護福祉士や介護職員初任者研修などの資格を有する必要はありません。

また年齢制限もないため、多くの人が資格取得をめざせます。

なお学校での実習やボランティア活動は認知症ケアの実務経験にはならないため、注意が必要です。

認知症ケア専門士の試験内容 

認知症ケア専門士認定試験は1次試験と2次試験に分かれています。

1次試験はマークシート方式で、問題は「認知症ケア標準テキスト」の中から出題されます。

1次試験は4科目あり、各科目50問、合計200問出題されます。


それぞれの科目で正答率が70%以上で合格で、4科目すべて合格しなければ2次試験に進むことはできません。

しかし科目ごとに合否が出るため、合格した科目は5年間の有効期限内であれば次の試験では免除になります。


2次試験が不合格だった場合も、5年間の有効期限内であれば、一次試験は免除になります。

2次試験では論述です。

認知症ケアの事例(3題出題)に対する論述で、作成した答案用紙を郵送で提出します。

 試験の合格率

認知症ケア専門士の2017年から2021年の合格率は以下の通りです。

受験者数合格者数合格率
第17回(2021年)3,063人1,645人53.7%
第16回(2020年)2,550人1,442人56.5%
第15回(2019年)4,893人2,607人53.3%
第14回(2018年)5,063人2,769人54.7%
第13回(2017年)6,029人3,266人56.5%

合格率は50%台で推移しています。

国家資格である介護福祉士の合格率は70%前後で推移しているため、介護福祉士と比較すると合格率は低く感じる方が多いかもしれません。

認知症ケア専門士は科目数・出題範囲が広く、また2次試験には論述もあるため難しい試験といえます。

しかし介護福祉士は1回の試験ですべての科目で合格しなければなりませんが、認知症ケア専門士は科目ごと・一次試験の合格には5年の有効期限があるため、1回で合格できなかったとしても再チャレンジしやすい資格といえます。

認知症ケア専門士を取得して活躍していこう

認知症ケア専門士 取得 活躍

超高齢社会の日本の介護現場では、認知症に関する高い知識やケアの技術をもつ人材が求められています。

認知症ケア専門士の資格を持つ認知症のプロは、介護施設や医療機関・行政機関など、活躍の場は多くあります。

また地域でも認知症の理解がある人の存在が支えになります。

認知症の高齢者を支えるためには、家族だけではなく地域全体での見守りや声かけが必要です。

認知症の高齢者を介護していくことは家族だけの問題ではなく、地域・社会全体の問題として取り組んでいかなくてはなりません。

認知症ケア専門士は、高齢者が安心して暮らせる社会の構築を担う役割も期待されているのです。

ぜひ認知症ケア専門士の資格を取得して、認知症のプロとして介護現場や地域で活躍していきましょう。

この記事を書いた人

ふくしこみゅ編集部
今後ますます需要が高まる「介護職」。すでに介護職の方にも、これから介護職になりたい方にも役立つ情報をたくさん発信しています。
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この記事を監修した人

医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。

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