時代の高齢化に伴い、ニーズが高まり注目されている介護福祉士。
需要が高く、将来性がある介護福祉士になりたいと考えている人は年々増えています。
介護福祉士になりたいと考えている人の中には「どうやったら介護福祉士になれるのかな?」「職場で介護職員基礎研修って言葉をよく聞くけどなんだろう」と疑問に思っている方もいるでしょう。
また、実務者研修や初任者研修は知っているけど、介護職員基礎研修はあまり知らない方もいるのではないでしょうか。
今回は、介護福祉士までのキャリアルートと介護職員基礎研修について詳しく説明します。
そもそも介護職員基礎研修ってなに?
介護職員基礎研修とは、少子・高齢化が進む中、一人暮らしの高齢者も安心して生活ができるよう、介護職員の専門性や知識、スキルなどをあげることが目的の研修です。
2006年に創設された研修ですが、2013年に廃止されています。
次の科目では、なぜ介護職員基礎研修が廃止されたのか詳しく説明します。
なぜ介護職員基礎研修は廃止になった?
介護職員基礎研修が廃止された理由は、現場で働く介護職員のキャリアアップのロードマップをわかりやすくするためです。
以前は介護職員基礎研修に加え、ホームヘルパー1級〜3級や介護福祉士実務者研修など多くの研修が存在していました。そのため、介護士たちはどの資格を先に取って次にどの資格を取ればいいのかわかりませんでした。
そこで、ホームヘルパー1級と介護職員基礎研修を廃止し、介護職員実務者研修に変更。
そのほか、ホームヘルパー2級を初任者研修に変更し、キャリアアップのロードマップを「初任者研修」→「介護福祉士実務者研修」→「介護福祉士」とわかりやすく創設し直しました。
さらに、厚生労働省は受講時間の短縮と研修内容の重複を解消することで、キャリアップのロードマップを明確にしました。
キャリアアップのロードマップを明確にすることで、介護職員のモチベーションアップ、仕事意欲のアップができると考えたためです。
以前は介護職員基礎研修の受講時間は500時間、ホームヘルパー1級の受講時間は230時間でした。しかし現在は、実務者研修の受講時間が450時間に、初任者研修は130時間に短縮されています。
次の項目では、介護福祉士について詳しく紹介します。
介護職員基礎研修に代わった介護職員実務者研修とは?
介護職員実務者研修は、ホームヘルパー1級と介護職員基礎研修に相当する資格です。
介護現場で働く職員が必要な知識や技術を取得し、より質の良い介護業務を行うために創設されました。
介護職員実務者研修を取得した人は、3年以上の実務経験と合わせ、介護福祉士国家試験を受けることができます。
次の科目で、新しくなった介護福祉士までのキャリアアップのロードマップを紹介します。
介護福祉士とは?介護福祉士までのキャリアアップのロードマップを解説
介護福祉士は、体が不自由な高齢者、認知症や精神障害を患っていて介護を必要としている方が自分らしく生活ができるようにサポートを行ったり、身の回りのことを代行したりします。
介護福祉士の仕事内容と無資格の介護士の仕事内容に大きな違いはなく、食事介助、入浴介助、排泄介助など、日常生活のサポートを行います。
資格の有無にかかわらず仕事内容はあまり変わらないとはいえ、介護福祉士の資格を取得することで給料が大幅に上がったり、高い役職に就きやすくなったりといったさまざまなメリットを得ることが可能です。
そして実際に、このようなメリットを得るために、介護福祉士を目指している介護士がたくさんいます。
介護福祉士になるための一般的なキャリアアップのロードマップは以下の通りです。
- 介護職員初任者研修を取得
- 介護職員実務者研修を取得
- 介護福祉士国家試験を合格→晴れて介護福祉士を取得
次の項目にて、それぞれ詳しく紹介します。
介護福祉士初任者研修
介護福祉士初任者研修は介護職員の入門資格とも呼ばれており、初任者研修を通して介護職として働く上で必要不可欠な介護の知識やスキルを身につけることが可能です。
初任者研修は、介護職としてのキャリアのスタート地点であるため、介護初任者研修を取得することで介護士としてのキャリアをスタートできます。
なお、初任者研修は、現在廃止になっているホームヘルパー2級に相当する資格です。
介護初任者研修は、130時間ある授業を全て受講した後、試験が実施され、合格すれば初任者研修を取得できます。介護初任者研修は2つのコースから、自分にあった学習方法を選ぶことが可能です。
- 通学コース:130時間の学習時間を全てスクールに通学して受講するコース
- 通学+通信コース:130時間の学習時間のうち40.5時間を自宅で学習するコース
自分の好きな学習方法が選べて自分のペースで学習できるため、働きながら資格取得を目指すことが可能です。
また「介護職に就く前に知識をつけたい」と考えている人は、就職や転職をする前に初任者研修を取得することもできます。
初任者研修の受講費用は受講するスクールや地域によって異なりますが、5万円〜10万円程度が一般的です。
介護職員実務者研修
介護職員実務者研修は、前述した通りホームヘルパー1級と介護職員基礎研修に相当する資格です。
450時間ある授業を全て受講したあと試験が実施され、合格すれば晴れて介護職員実務者研修修了者になれます。
初任者研修を修了後、介護職員実務者研修を受講するのが一般的ですが、実務者研修を受講するにあたって必ずしも初任者研修を修了している必要はありません。
しかし、初任者研修を修了している人は、450時間ある学習時間のうち130時間を免除でき、受講料も一部免除されます。
「一気に450時間学習するのは難しい」「少しずつ知識を深めていきたい」と考えている方は、先に初任者研修を取得するのがおすすめです。
実務者研修の受講費用は、受講するスクールや地域によって異なりますが、5万円〜10万円程度が一般的です。初任者研修を修了している方は、受講科目が少なくなるため、受講費用は2万円〜5万円になります。
介護福祉士国家試験
介護福祉士国家試験を受講するには、3年以上の実務経験に加え、介護職員実務者研修を修了している必要があります。
上記の二つさえ満たしていれば、年齢・性別・学歴に関係なく国家試験の受講が可能です。
国家試験は毎年1回、筆記試験と実務試験に分けて行われます。
2022年度の介護福祉士国家試験の合格率は、72.3%とかなり高めです。
ちなみに、前述した初任者研修や実務者研修の修了試験の合格率も100%に近く、全体的に合格率が高い傾向にあります。
キャリアアップルートをたどって、介護福祉士を目指そう
今回は、介護職員基礎研修やその他の資格、介護福祉士になるまでのキャリアアップのロードマップを紹介しました。
介護職員基礎研修・ホームヘルパー1級・2級の廃止などにより、介護福祉士までのキャリアアップのロードマップが明確になったことで、今まで以上にキャリアアップを目指しやすくなったことでしょう。
キャリアアップすることで、給料の増加、利用者さんや他の介護職員から信頼されるなど、さまざまなメリットを得られます。ぜひ、介護職の資格を取得し、キャリアアップを目指しませんか?
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