利用者さんの生活を支えている介護士の中には「介護士としてのスキルを磨きたい」「もっとスキルを身につけたい」と考えている方もたくさんいるのではないでしょうか。
特別養護老人ホーム、グループホーム、デイサービス、訪問介護など自分が勤務している介護施設・事業所に合わせて、必要な専門知識をつけることで、より質の高い介護を行うことができます。
介護の資格は、よく知られている初任者研修、実務者研修以外にもたくさん存在します。
本記事ではさまざまな介護資格の種類を紹介します。
介護士全員が取得した方がいい資格
まずは、介護士のキャリアを積むにあたって必要不可欠な介護職の資格を3種類紹介します。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は介護職員の入門資格と呼ばれる資格であり、基礎的な知識、必要最低限のスキルを身につけることができます。初任者研修はどの介護施設・事業所でも評価される資格です。
どの資格を取得しようか迷った場合は、まず最初に取得するのをおすすめする資格です。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、初任者研修の上位に位置する資格です。実務者研修は初任者研修より専門性の高い講座を受講できます。
介護福祉士
介護福祉士は、介護を必要とする人が暮らしやすくなるために支援を行う介護のプロです。
また、介護福祉士を取得することで、介護に関する専門的な知識を持っている人材だと認められるため、転職で有利になります。
また、介護職員からだけではなく、利用者さんや利用者さんのご家族からも信頼されます。
介護福祉士におすすめの介護資格
次に、介護福祉士におすすめの介護資格を紹介します。
「資格を取得したあとももっとスキルアップしたい!」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
喀痰吸引等研修
喀痰吸引等研修は痰の吸引と経管栄養(胃ろう、腸ろうなど)の医療行為を行うための研修です。
痰の吸引は、吸引装置を使用し口腔内、鼻の中、喉の奥に溜まった唾液、痰、鼻水等を取り除く行為のことをいいます。経管栄養は、口から食事を摂取できない利用者さんに対し、鼻あるいは口からチューブを通し、胃に直接栄養を送る方法です。
本来ならば、医療資格を持つ看護師などが行う医療サービスですが、喀痰吸引等研修を修了することを条件に、介護士でも行えるようになりました。
喀痰吸引等研修を修了している介護士の数は多くないため、需要の高い資格です。
認定介護福祉士
認定介護福祉士は、介護福祉士の上位に位置付けられている資格です。介護福祉士を取得した後、さらなるキャリアアップを目指し、介護士の意欲やモチベーションの向上を目的とした民間資格です。
認定介護福祉士を取得することでサービス管理能力、人材マネジメント等のスキルを取得できます。
介護支援専門員(ケアマネージャー)
介護支援専門員は、介護を必要とする利用者さんが介護保険を使用できるようにサービスプランを計画したり、利用者さんが自分らしく生活できるように、その人にあったケアプランを作成したりする介護保険のプロです。
また、その他のサービス事業所との調整、かかりつけ医に利用者さんの体調を相談、利用者と事業所の橋渡しなど、総合的な介護の支援も行います。
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は認知症を患っている方へのケアのプロです。認知症ケア専門士は、現場の介護職員に利用者さんに合ったケアの仕方を指導したり、アドバイスをしたりします。
認知症の有病率は年齢とともに急激に高まります。介護を必要としている高齢者のほとんどは、認知症を患っています。そのため、介護職員として働く上で、認知症との関わりは避けては通れません。
しかし、認知症のケアは難しく「うまく対応できない」「どう対応すればいいのかわからない」と頭を抱える介護職員も多いです。
適切な認知症ケアを行えるように、認知症の専門的な知識を身につけることが大切です。次の項目では、認知症介護の資格を紹介します。
認知症介護の資格
認知症を患っている方の中には、幻聴・幻覚など、実際にそこにはないものが現実で起こっているかのように感じてしまう人もいます。
このような症状が出ている際に介護職員が間違った対応をしてしまうと、利用者さんは不穏になってしまいます。幻聴や幻覚は健康な介護士には理解し難い症状のため、どう対応すればいいのかわからずに困ってしまう方がほとんどでしょう。
認知症を患っている利用者さんに質の良いサポートを行うためには、認知症への深い理解が必要です。
ここでは、認知症介護の資格を紹介します。認知症をもっと深く理解したい、認知症の方と信頼関係を築きたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
認知症介護基礎研修
認知症介護基礎研修とは、認知症の方に対する介護の基本的なことが学べる研修です。
認知症への理解を深めることができ、適切な認知症のケアの仕方も学べます。
認知症介護実践者研修
認知症介護実践者研修は、認知症の方に対する実践的な知識や技術を学べる研修です。
認知症ケアに関する専門的な知識や技術を身につけることが可能です。
訪問介護に関する資格
次は、訪問介護に関する資格を紹介していきます。訪問介護とは、介護を必要としている方の自宅に職員が足を運び、自宅で介護を行うサービスです。
訪問介護は資格がないと行えないため、訪問介護をやりたいと思っている人は、早めに取得しましょう。
なお、初任者研修以上の資格を取得している人は訪問介護が行えますが、重度の障がいや認知症がある方への訪問介護は以下の研修を受講しないとできません。
重度訪問介護従業者養成研修
重度訪問介護従業者養成研修は、重度の肢体不自然や重度の知的障害・認知症により、24時間介護を必要とする人の自宅に訪問し介護を行うための研修です。
重度訪問介護従業者養成研修を取得することで、一般的な訪問介護だけではなく、自治体から「重度障がい者」と認定を受けている方の訪問介護もできるようになります。
福祉に関する資格
介護士として働いているうちに、施設の中だけではなくもっと幅広く人の役に立ちたいと考えるようになった人は多くいます。
この科目では、福祉に関する資格を紹介します。
社会福祉士(ソーシャルワーカー)
社会福祉士は、社会福祉専門職の国家資格です。
社会福祉士は病気や障害、経済的な理由などにより福祉サービスを必要とする方から相談を受け、必要な福祉サービスの提供や病院との連携を行い、平和な日常生活を送れるように支援を行います。
社会福祉士は、介護を必要としている人だけではなく、もっと多くの人の役に立ちたいと思っている人におすすめの資格です。
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神障害を患っている方の日常生活や社会復帰を支援します。
利用者さんの精神状態に合わせて、生活訓練や就労支援などを行います。
自分の勤務先・今後のキャリアプランに合わせた資格を取得してスキルアップを目指そう!
今回は、スキルアップを目指している介護士におすすめの資格を紹介しました。
介護に関する資格はたくさんあるので「どれを取得しようかな」と迷う方も多いでしょう。迷ったときは、自分の勤務先や思い描くキャリアプランに合わせた資格を取得しましょう。
私は以前、認知症に特化した介護施設・グループホームに勤務していたので、認知症ケアに力を入れていました。介護職員は認知症ケアに関わる資格を積極的に取得していました。もし、私のように勤務先に認知症の方が多くいたら、認知症に関する資格がおすすめです。
また、介護士として働いているうちに「介護を必要としている高齢者の方だけじゃなくて、障害者や経済的に支援が必要な人の役にも立ちたい」と思うようになった場合、社会福祉士や精神保健福祉士を目指してみるのもいいでしょう。
私の周りには、私を含めたたくさんの方が利用者さんと関わるうちに「もっと仕事の幅を広げて、たくさんの人を助けたい」と思うようになり、社会福祉士を目指している介護士もいます。
そのほか、デイサービスなど送迎が必要な施設では、普通自動車第一種運転免許を取得していることが条件の求人もあるため、デイサービスで働きたいと考えている人は自動車の免許を取得するのがおすすめです。
自分のやりたいこと、自分の思い描くキャリアプランに合った資格を取得し、理想のキャリアプランを実現しましょう。
介護の資格は専門のスクールで取得可能です。
スクールのひとつである土屋ケアカレッジでは、初任者研修、実務者研修だけではなく、介護福祉士国家試験対策の講座や喀痰吸引等研修、重度訪問介護従業者養成研修など、さまざまな研修を実施しています。
また、就職サポートも手厚いため、資格取得から就職するまで安心できます。
介護士としてのキャリアを積みたいと考えている人は、ぜひ土屋ケアカレッジにて研修を受講してみませんか?