介護福祉士の国家試験は出題範囲が広く、病気や障害の理解、また介護保険法や生活保護法、障害者福祉法などの法律に関する知識も必要であり、覚えなければならないことが多くあります。
そのため、国家試験合格をめざして勉強を始めたものの「覚えられない!」と焦っている方は多いでしょう。
そこで、どのように勉強したらいいのかわからない、また試験も迫っているため効率よく勉強する方法を知りたい方に向けて、合格できる勉強法3選と効率の悪い勉強法3選を解説します。
合格できる勉強法3選!
介護福祉士の国家試験をめざしている方は、介護の現場で働きながら勉強している方が多いため、合格するためには試験までの残りの日数で効率よく勉強することが重要です。
合格できる勉強法3選は以下の通りです。
- 参考書や問題集は厳選する
- 過去問から解く
- 隙間時間を活用して一問一答やアプリで勉強する
参考書や問題集は厳選する
意気込んで勉強しようとして、まずは参考書や問題集、一問一答などさまざまな教材を揃える方も多いですが、教材は厳選して最低限揃えましょう。
まずは参考書と問題集が一冊ずつあれば十分です。
職場の介護福祉士に合格した先輩に聞いたりネットで情報収集したりして、自分に合う一冊を選びましょう。
参考書は、詳しく解説が載っているものがいいのか、ポイントを絞って解説してあるのがいいのかなど、自分が求めるポイントを絞って選びます。
問題集は、参考書と照らし合わせるため解説が詳しくなくてもいいのか、それとも解説が一問ごとに詳しくあり、間違った選択肢がどうして間違いなのかまで解説されているものがいいのかなど、自分が使いやすいものを選びましょう。
過去問から解く
おすすめの勉強法は、まず過去問を解いて、現在の実力や不足している知識を把握することです。
介護福祉士の国家試験を受験するためには、福祉系の学校で学ぶか実務経験が必要なため、過去問がまったく解けないことはまずありません。
学校や現場で学んだ知識で解ける問題も多くあります。
過去問は何年分やればいいのか、たくさんやればいいのかと思われるかもしれませんが、3年分やればよいでしょう。
多くても5年分やれば十分です。
以下の流れで繰り返し過去問に取り組むとよいでしょう。
- 最新の過去問を解いて、間違えた問題、正解したが自信がなかったり理解できていない問題の解説を確認。解説で足りなければ参考書も確認。1回目は時間は気にしなくてもよい。間違えた問題はチェックしておく。
- 1と同様に2年前、3年前の過去問に取り組む。
- 過去問3年分の間違えた問題に再チャレンジ。間違えた問題は1と同様に解説、参考書で勉強。間違えた問題は1回目とは違う色ペンなどでチェックしておく。
- 3で間違えた問題が多ければ、また3を繰り返す。
- 正答率が上がってきたら、時間を計って過去問に挑戦。試験問題に慣れて、時間配分の練習。
- 3年分を最低3回は繰り返す
上記のように過去問の勉強を進めるのがおすすめですが、あまり同じ問題を繰り返すと、問題文とその答えを覚えてしまう懸念点があります。
その場合は予想問題集など違う問題集に取り組むことをおすすめします。
隙間時間を活用して一問一答やアプリで勉強する
介護福祉士の国家試験をめざす方は、働きながら、不規則な勤務や夜勤をこなしながらという方が多いでしょう。
よって机に向かってしっかり勉強する時間を確保するのは難しい方がほとんどです。
そのため、隙間時間をいかに活用できるかが、合格の分かれ道といっても過言ではありません。
通勤時間、休憩時間、家事や子育ての合間の隙間時間を活用して勉強を進めましょう。
また、文庫本サイズの一問一答などもありますし、スマホのアプリでも一問一答やポイントがまとめてあるサイトなど、無料でたくさんあります。
YouTubeでも過去問解説や科目ごとの解説、授業形式のものなどたくさんあるため、自分に合うYouTubeを見つけると、楽しく勉強を進められるかもしれません。
覚えるためには、なによりも繰り返すことが大切です。
隙間時間に繰り返し解説を読んだり一問一答に取り組んだりすることで、記憶に定着していきます。
机に向かわなくてもできる勉強はたくさんあるため、自分に合った方法で「覚えられない!」を解消していきましょう。
効率の悪い勉強法3選!
効率が悪い勉強法3選も紹介しておきます。
効率の悪い勉強法はすべての資格取得のための勉強にあてはまるわけではありませんが、効率の悪い勉強法を把握しておくことで、たとえば介護福祉士合格後にケアマネジャーの資格取得をめざす場合などにも役立ちます。
効率の悪い勉強法3選は以下の通りです。
- 参考書を読破
- 要点をノートにまとめる
- 暗記してから問題集に取り組む
ひとつずつ、解説していきます。
参考書を読破
まずは参考書を読破して、必要な知識を身に付けようとするのは効率が悪い勉強法です。
試験までにまだ余裕があり、まずはひと通り勉強したい場合はよいですが、参考書をじっくり読んで知らない知識や用語を暗記しても、丸暗記ではほとんど試験に出ないような内容まで覚えることになるため、効率が悪いです。
また、知識は必要ですが、なぜその回答が導き出されるのか、その理由や背景を理解することが重要です。
要点をノートにまとめる
参考書の内容や、間違えた問題の解説をノートにまとめる方は多いかもしれませんし、一般的な勉強方法でしょう。
しかし、書くことで頭に入るタイプの方には合っている方法かもしれませんが、時間がかかる割には記憶に残らず効率が悪い方法です。
参考書の第一章からすべてノートにまとめようとして、理解できている分野にも時間をかけてしまうことも非効率です。
また、まとめることが目的となってしまう場合も少なくありません。
時間をかけてノートにまとめ上げたことに満足して、知識が頭に残っていなければ意味がありません。
過去問や問題集に取り組む時間が少ない
知識ばかりを詰め込んで、問題を解く実践が少ないと、実際の試験では時間配分に失敗したり、独特の試験問題に苦戦したりする可能性が高くなります。
介護福祉士の国家試験は、午前100分、午後120分の計220分で、問題数は125問です。
試験時間としてはたっぷりあるように思われますが、問題数が多く見直しの時間なども考慮すると、1問にかけられる
時間は1分半程度と見積もれます。しかし総合問題など問題文が長くじっくり読まないと理解が難しい問題もあり、いかに得意分野や簡単な問題をスピーディーに答えられるかが重要になります。
そのため過去問や問題集に取り組む時間が少なかったり、時間を計って問題を解く練習をしておかなかったりすると、本番では時間が足りなくなる可能性が高いです。
試験対策をしっかりして合格をめざそう
本記事では、介護福祉士の勉強が覚えられない、どのように勉強したらいいのかわからない、また試験も迫っているため効率よく勉強する方法を知りたいという方に向けて、合格できる勉強法3選と効率の悪い勉強法3選を解説しました。
介護福祉士の国家試験は、日々の介護現場で身につけた知識や経験で解ける問題も数多くあります。
その知識に加えて、試験対策をしっかり行えば、合格は難しくはありません。
試験が迫ってくると焦ってしまい勉強が捗らないかもしれませんが、隙間時間も活用して、毎日少しずつでも勉強を続けていきましょう。
そして、今から試験本番までは、なによりも体調管理が重要です。
不規則な勤務であっても睡眠時間を確保し、栄養のある食事を摂る、またストレスを溜めないようにするなどして、万全の体調で本番に臨んでください。
ぜひ本記事を参考にしていただいて、令和5年度の介護福祉士国家試験の合格をめざしてください。