介護の資格はいくつか種類があり、資格取得を目指す介護士は少なくありません。
資格の中でも介護福祉士は唯一の国家資格であり、取得することでスキルアップができキャリアアップにも繋がります。
国家資格である介護福祉士になるには、受験要項を満たした上で国家試験に合格しなければなりません。
国家試験の受験資格は、実務ルートと通学ルートの主に2つルートがあります。
各ルートによって受験要項が違うため、自分はどうやって資格を取得すればいいか分からない方が多くいます。
この記事では介護福祉士になるための受験資格について解説をしますので、介護福祉士を目指している方は参考にしてください。
また、介護福祉士以外の介護の資格と受験資格についても紹介します。
介護福祉士国家試験の受験資格
介護福祉士国家試験の受験資格である2つの方法、養成施通学ルートと実務ルートについて紹介します。
養成施設通学ルート
最短で介護福祉士の受験資格を取得できる方法が、養成施設へ通うことです。
2年間養成施設に通い介護スキルを詳しく学ぶことによって、試験対策や介護技術を磨くことができます。
なお、福祉系の学校を卒業している場合は、1年以上の通学で受験資格を取得することができます。
スクーリングした後、筆記試験に合格することで介護福祉士の受験資格が与えられます。
合格率は実務ルートよりも高いため、早く介護士としてのキャリアを積みたい方にはおすすめです。
実務ルート
実務ルートから介護福祉士を目指される方は「介護福祉士実務者研修の修了」と「実務経験3年以上(介護業務3年以上で勤務日数が540日以上)」が必要です。
介護士として働きながら受験資格を取得しなければならないので、通学ルートに比べると時間がかかりますが、費用は抑えることができます。
しかし、合格率は通学に比べると少し下がる傾向にあります。
なお、介護福祉士国家試験の勉強方法は、独学で勉強する方法とスクールで試験対策講座を受講する方法があります。
受験資格が必要ない誰でも取得できる介護資格
介護福祉士になるには通学や実務経験が必要となりますが、受験資格が必要ない介護資格もあります。
上記の実務ルート内で紹介した「介護福祉士実務者研修」と「介護福祉士初任者研修」の2つは誰でも取得できる資格になります。
取得することによりキャリアアップ、収入のアップなども期待できるため介護士になりたい方にはおすすめしたい資格です。
次項では2つの介護資格について詳しく解説していきます。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は受験資格が定められておらず、介護業界未経験の方が挑戦しやすい資格の1つです。
介護職員初任者研修の魅力は取得すると「身体介護」ができるようになることです。
介護の仕事は大きく分けると「身体介護」と「生活援助」の2種類があり「身体介護」は介護に関する専門的な知識やスキルが必要となります。
そのため、初任者研修以上の介護系資格が必要となります。
介護職員初任者研修を取得するには、専門のスクールで受講が必要です。
受講方法はスクーリングと通信講座の2種類がありますが、通信講座でも演習が必須の科目はスクーリングをしなければなりません。
スクールは約130時間の受講が義務付けされており、取得することにより収入やキャリアアップの向上が見込めます。
介護に関して入門編の資格のため、未経験の方にはおすすめの資格です。
介護福祉士実務者研修
上記に記載した通り、実務ルートを選ばれた方で介護福祉士を目指される方には必須な資格が介護福祉士実務者研修です。
しかし、介護職員初任者研修と同様に受験資格が不要なため、未経験の方でも受験することができます。
受講カリキュラムは450時間ほどスクーリングしなければならず、取得まで時間がかかります。
期間にすると約6ヶ月通学しなければなりませんが、介護職員初任者研修を先に取得していると130時間の科目が免除され、時間と料金を抑えることができます。
介護現場で働かれている方には、医療ケアなどの技術も学べるので介護の幅を広げることが可能です。
受験資格が必要な介護士の資格
介護の資格には介護福祉士以外にも受験資格が必要な資格もあります。
未経験からの取得には時間がかかるデメリットもありますが、取得することができれば、自身のキャリアアップにも繋がりますのでぜひ目指していただきたいです。
今回は「ケアマネージャー(介護支援専門員)」と「社会福祉士」の紹介をします。
ケアマネージャー(介護支援専門員)
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護を必要としている方が適切なケアを受けられるようにケアプランの作成を行う職種です。
ケアマネージャーになるために必要な資格である介護支援専門員実務者研修を受けるには「介護福祉などの国家資格における介護業務日数が5年以上あること」または「相談援助業務において介護業務日数が5年以上あること」などが求められます。
社会福祉士
社会福祉士とは、公的支援制度や福祉サービスが必要な方に対してサービスの提案や行政に繋ぎ手となる職種です。
大学や短大に通わずに社会福祉士を目指すなら「養成施設ルート」が挙げられます。
相談援助実務を4年以上積んだのちに養成施設卒業後、社会福祉国家福祉試験に合格すると社会福祉士になれます。
無資格から相談援助業務に就くことは難しいため、社会福祉などの福祉士資格は持っていた方がいいでしょう。
キャリアアップに繋がる介護士の資格の組み合わせ
介護の資格は、組み合わせることでも仕事の幅を広げることができます。
次項では介護現場で役立つ介護資格の組み合わせについてご紹介します。
介護福祉士+レクリエーション介護士
介護の現場で最も重宝されるのはレクリエーションが上手な介護士です。
レクリエーションは利用者さん同士で楽しく交流する場のことです。
介護士の中には、介護に関する知識は身につけられても、レクリエーションのマンネリ化や企画内容に悩まれる方は多いです。
レクリエーション介護士の資格は、講座を受講し修了証明書を与えられれば資格を取得することが可能であり、受験資格等は必要ありません。
レクリエーションの発想や取り組み方を変えるキッカケにもなるため、、取得に関してはおすすめします。
介護福祉士+保育士
介護福祉士が保育士の資格を取得する際、保育士試験の一部科目が免除されるため比較的短い期間で取得が可能です。
介護に関する知識と保育に関する知識があれば、放課後デイサービスや障がい児対応の専門機関で勤務することも可能です。
介護福祉士と保育士の組み合わせは全く違うものと捉えがちですが、共通する内容があるため試験の免除や働く場所がひろがるきっかけにもなります。
介護福祉士+介護支援専門員
介護支援専門員は利用者さんの介護プランを作成すること、介護スタッフとの連携や調整も担う介護現場の要ともなるポジションです。
ケアマネージャーの受験資格に介護福祉士は必要ありませんが、現場の介護士の働き方を熟知することで、より効率良く福祉活動に専念できます。
介護の資格を取得すればよりよい介護ができるようになる!
介護士の資格は受験資格が必要ないものも多くあります。
保有資格を増やすことにより利用者さんや介護施設から信用を得ることや、自身のキャリアアップに繋げることもできます。
私の経験では、日々の介護現場から介護の問題点に遭遇することがあります。
自身の介護の視野を広げることで応用力や対応力を格段と向上させることができ、よりよい介護環境を整えることができます。
介護現場での大きなキャリアアップには受験資格が必要なものもありますが、多くは実務経験のため比較的受験資格を満たしやすいでしょう。
これから自身が介護の現場でどんな目標を叶えたいかをしっかり考え、目標を叶うことができる環境の整った職場で働くことが重要です。