介護の仕事は資格や経験がなくても始められる職種です。
無資格で介護士を始めた方でも、資格を取得することで働き方の選択肢が多くなります。
そのため、働きながら介護士資格を取得しようとする方は少なくありません。
この記事では、働きながら取得できる介護士の資格と、身に付く技術や知識を紹介します。
他にも、介護の仕事に活かせる国家資格や難易度が高い資格もまとめているので、自身のキャリアプランの参考にしてみてください。
働きながらでも取得しやすい介護士の資格とは?
私も無資格から介護の業界に飛び込んだ身ですが、まず「介護職員初任者研修」や「介護福祉士実務者研修」を取得することが入口となります。
介護士として働きながら学ぶことができるため、技術の復習や応用を現場でも活かすことができるので取得して損はありません。
ここではそれぞれの資格取得にかかる時間と学ぶ内容、費用について解説をしていきます。
介護職員初任者研修について
介護職員初任者研修とは、介護の基礎を身につけられる資格です。
学歴や介護経験を問わず、誰でも取得できるのが特徴です。
利用者さんの身体に直接触れる「身体介護」を行うためには、介護職員初任者研修以上の資格が必要となるので、介護の仕事に興味がある方は就職前に受講される方が多くいます。
130時間のカリキュラムを修了し筆記試験に合格すれば資格を得ることができるので、最短で1ヶ月での取得が可能です。
私の場合は働きながら資格の取得を目指し、週に1度のスクーリングを行い約3ヶ月の期間で取得しました。
受講方法はスクーリングと通信があり、自分に適した学び方を選ぶこともできます。
しかし、通信でも実技を学ぶ際にはスクールに通う必要もあるので注意が必要です。
費用は約5〜10万円が相場となっています。
介護福祉士実務者研修について
介護福祉士実務者研修は、幅広く対応できる介護資格となります。
国家資格である介護福祉士の受験に必要となり、サービス提供責任者になれる資格のため、、取得しておくとキャリアアップに活かすこともできます。
資格を取得するには450時間のカリキュラムと医療的ケアの演習が必要であり、スクールによっては修了試験に合格をしなければなりません。
取得に必要な期間は約6ヶ月程度です。
介護職員初任者研修を取得していると130時間の免除を受けることができるので、学び方によっては約1ヶ月半での取得も可能です。
免除項目が多ければ多いほど費用も抑えることができるので、先に介護職員初任者研修を先に取得しておくと費用は安くなります。
相場としては約10〜15万円が相場です。
資格を取得するメリットは?
無資格でも介護士として働くことは可能ですが、介護士資格を取得することで自身の介護に関する視野を広げることができます。
いきなり介護福祉士実務者研修を働きながら取得するのはハードルが高いので、まずは介護職員初任者研修から挑戦することをおすすめします。
介護職員初任者研修を取得するメリットについても解説します。
- 転職や就職に有利になる
- 収入アップ
- キャリアアップ
- 仕事の幅が広がる
以下解説いたします。
1.転職や就職に有利になる
介護職員初任者研修の資格を持っていると、介護業界での就職や転職が有利になります。
介護施設の募集要項には介護職員初任者研修以上の資格が必要とされる施設も多く、スクールによっては資格取得後に就職先を紹介してくれる場合もあります。
2.収入アップ
介護職員初任者研修を取得していると、施設によっては基本給が上がったり賞与が増えたりすることもあります。
資格手当が支給されることもあるので取得するだけで収入が増えるのは大きなメリットと言えます。
3.キャリアアップ
介護福祉士実務者研修の取得後、実務経験を3年積むと介護福祉士国家試験に挑戦ができます。
介護福祉士は介護の資格の中で唯一の国家資格であり、スムーズなキャリアアップが実現可能です。
4.仕事の幅が広がる
介護職員初任者研修があれば、利用者さんの身体に直接触れる身体介護を行えるため、仕事の幅が広がります。
たとえば、訪問介護職員は、1人で利用者さんを介護するには無資格ではできません。
介護職員初任者研修があれば就業可能となる施設が増えるため、自身の選択肢を増やすことができます。
キャリアアップにおすすめの介護士資格は?
介護士のキャリアアップに役立つ資格をご紹介します。
難易度が高くなり実務経験も必要となり、決して簡単な資格ではありませんが、介護の資格に役立つスキルが身につくので、ぜひ参考にしてください。
介護福祉士
介護福祉士は介護業界唯一の国家資格で、利用者さんの介護だけでなく職員の指導や育成を担う資格です。
国家資格と聞くと難易度が高いと感じるかもしれませんが、2021年の合格率は71%と高い傾向にあります。
介護福祉士の受験資格は2通りあり、働きながら3年以上実務経験を積み、介護福祉士実務者研修を取得する方法と、福祉学校に通学する必要があります。
上記受験資格を満たし独学で勉強をする場合、かかる費用のみとなるので、約15000円の受験料のみで済むので比較的安価で挑戦ができます。
社会福祉士
社会福祉士は幅広い分野で活かせる国家資格で、介護においては生活相談員として活躍することが多く、利用者さんの状況に応じた福祉サービスを提供することが仕事です。
社会福祉士になるには、福祉系大学か養成施設で福祉について学ぶ必要があります。
加えて、大学や養成施設で学ぶ期間によっては、実務経験が必要な場合もあります。
受験資格を満たしてから社会福祉国家試験を受験し、合格すると社会福祉士の資格が取得できます。
社会福祉士国家資格はかなり難易度が高く2022年の合格率は約31%です。資格取得には相当な努力が必要です。
介護支援専門員
介護士支援専門員はケアマネージャーとも呼ばれており、国家資格ではないもののキャリアアップに役立つ資格です。
ケアマネージャーは利用者さんの要介護認定やケアプランを作成することが主な仕事で、医療従事者や関係機関との調整役も担います。
ケアマネージャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければなりません。
試験を受験するためには指定の国家資格を持つか、生活相談員や相談支援員として5年以上の実務経験が必要です。
試験の難易度は非常に高く合格率は約23%になり、合格後は「介護支援専門実務研修」という15日間の演習・講義と3日間の実務研修を終えた後にケアマネージャーとしての資格が与えられます。
介護士の資格は働きながらでも取得できる
今回は介護の資格が無くても比較的に取得しやすく、働きながらでも学ぶことができる資格を紹介しました。
まずは自分がどのような介護士になりたいか、叶えたい目的を決めて資格の取得難易度が低い順から学んでいくことをおすすめしたいです。
働きながらの資格取得は少し大変かもしれませんが、私は効率よく勉強できました。
なぜかというと、週に1度のスクーリングでの勉強と介護現場で実際に手を動かしながら復習することで、脳の定着率が上がるからです。
スクーリングで学び場を共にする仲間との情報交換や、友人関係の輪も広がるので気分転換としても良かったと振り返りながら記事を執筆しておりました。
施設によっては資格取得を応援してくれる職場もあるので、転職や就職先を探されている方々は福利厚生の欄に注目するとよいでしょう。